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サーバーダウンで話題となった認定理学療法士試験の再試験受験者の合格発表結果が行われる
2020年5月10日に新型コロナウイルス感染拡大に伴い延期されていた2019年度の認定理学療法士試験がWeb試験という形式で執り行われました.
17時から開始予定でしたがいきなりのサーバーダウンに大パニック,結果試験開始が1時間30分延期といった最悪の試験でした.
また18時30分になっても試験を開始できない受験者も多く,その上1領域の受験者は18時30分の開始から40分で試験を打ち切られ,試験時間に受験者間で不公平が生まれ,十分に回答できないまま時間オーバーとなった受験者も多かったようです.
この不祥事への対応として2019年度の認定理学療法士試験に関して,再試験が執り行われました.
今回は本日発表された再試験の合格率について考えてみたいと思います.
気になる再受験者の合格率は?
WEB試験当日にアクセス集中によるシステム障害が発生したため7月に再試験が実施されました.
再試験の受験者数は107名,うち合格者数は96名であったようです.
実に合格率は89.7%でありました.
ちなみに2019年度の認定理学療法士試験の受験者数は3,535 名で合格者数が3,214名でありました.
つまり321名が不合格となったわけです.
ただこの321名には試験以外の要因,症例報告審査や書類(ポイント不備)で不合格となっているものも含まれておりました.
今回はこの321名のうちWEB試験で不合格であった理学療法士のうち107名が受験して合格者数が96名となったようです.
最終的に2019年度の認定理学療法士試験の受験者数は3,535 名で合格者数が3,310名(3,214名+96名)ということになります.
最終的な2019年度の認定理学療法士試験の合格率は93.6%となりました.
例年の合格率は?
2019年度の合格率を見る前に,過去の認定理学療法士試験の合格率はどうなのでしょうか?
平成28年度の合格率は,受験者数1669名に対して,合格者数は1081名となっております.
つまり合格率は64.8%となっております.
平成29年度の合格率は,受験者数2343 名に対して,合格者数は1510 名となっております.
つまり合格率は64.4%となっております.
これは非常に低いとお考えの方が多いと思いますが,じつは試験だけの不合格ではなく,症例レポートが基準点に達しない場合や,ポイントの取得状況が十分でない場合も含まれるようです.
最終的な2019年度の認定理学療法士試験の合格率は93.6%となりましたので,この数字が過去に類を見ない高い合格率だったことがわかります.
もちろん新生涯学習システムへの移行前に何としても認定理学療法士を取得したいといった思いで学習された理学療法士が多かったのもその要因でしょうが,一番はWEB試験でカンニングが可能だったことが非常に大きいと思われます.
今回は発表された認定理学療法士再試験の合格率について考えてみました.
サーバーダウンで大きな騒ぎとなりましたが,会員から不満が出ないように予想通り受験者の大部分を合格(WEB試験で不合格となったのはたったの11名(0.3%))させることができましたので,日本理学療法士協会としては一安心というところじゃないですかね.
こんなんだったらそもそも試験やる意味があるのかといった疑問も出てきますが…
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