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そろそろ臨床実習指導者をバイザーって呼ぶのやめませんか?ケースバイザーって表現はそもそもおかしい
昔から理学療法士・作業療法士の臨床実習では,臨床実習指導者のことを「バイザー」と呼称します.
臨床実習指導者会議は「バイザー会議」なんて呼ばれます.
ただこの「バイザー」って何の略称だか知っていますか?
この記事を読んでいただいて何の略称だかわかるときっとあなたも明日から「バイザー」なんて呼び方はしなくなるのではないかと思います.
今回はそろそろ臨床実習指導者をバイザーって呼ぶのやめませんかといったお話です。
「バイザー」って何の略称なの?
理学療法士・作業療法士の臨床実習における「バイザー」というのはSuperviserの略称です.
Superviseには「監視する」といった意味がありますがその他にも取り締まるとか統括するといったような意味もあります.
つまり実習全体を統括して,実習の方向性を示して,実習の全責任を負うものであると考えられます.
「バイザー」というのはこのSupervisorの「visor」という部分を取ってきて省略しているのです.
これだけでも何と無く違和感がありますよね…
私だけかもしれませんが,「バイザー」なんて聞くとひさしのついた帽子(サンバイザー)を想像してしまいます.
またケースバイザーなんて言うのは完全な造語です.
「case」とsupervisorからとってきた「visor」をくっつけてcasevisorなんて呼んでいるわけです.
めちゃくちゃですよね…
完全な造語でおそらく理学療法士・作業療法士界隈の人間にしか伝わらない用語だと思いますし,医師や看護師に知られたら理学療法士・作業療法士はわけわかんない集団だななんて思われても仕方ありません.
Visorの意味するところは?
理学療法士・作業療法士が臨床実習指導者に対して用いるバイザー(visor)というのはサンバーザーなどの日よけなどを意味します.
太陽を遮るもという意味でサンバイザーという言葉が用いられるわけですね.
バイザー(visor)には,防ぐ,避ける,遮るなどの意味があります.
ですのでケースバイザー(casevisor)なんて表現は,ケースの邪魔をする人,実習生の邪魔をする人といった意味になってしまいます.
実習指導者がクライアントや実習生の邪魔をしていてはいけませんよね?
実習指導者をなんと呼べばよいのか?
ここまでの話で実習指導者をバイザー(visor)と呼ぶのは間違いだということはご理解いただけたと思いますが,それでは実習指導者をなんて呼んだらよいのでしょうか?
supervisorと省略せずに呼べばこれは問題ありませんが…
昔で言うところのcasevisorの場合には,case supervisor(CSV)というのが正しい表現ということになるでしょうね.
最近はClinical Educatorという言葉が用いられるのが一般的です.
CEと省略されることもありますね.
指導者というよりも教育者という用語を用いた方が何となくしっくりきますよね.
そのため臨床実習指導者講習会でもバイザー(visor)という用語が用いられることはなく,臨床教育者とかClinical Educator(CE)という言葉が用いられるのが一般的となっております.
今回はそろそろ臨床実習指導者をバイザーって呼ぶのやめませんかといったお話でした.
今の時代にバイザー(visor)なんて呼んでるといたすぎますね.
たかが言葉の使い方ですが,言葉の使い方次第で物を知らない人だといった印象を持たれるわけですから,バイザーなんて表現を用いるのは早くやめた方が良いですね.
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