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医療行為が認められているのは基本的には医師と看護師 理学療法士・作業療法士必見
医療機関で勤務する理学療法士・作業療法士によくある悩みとしていわゆる医療行為をわれわれ理学療法士・作業療法士がどこまで行っても良いのかといった点です.
また医療職種が不在の訪問リハビリテーションの場面で理学療法士・作業療法士の立場でどこまで行ってよいのかもよく問題となります.
基本的には医療行為が認められているのは医師と看護師ですので,理学療法士・作業療法士は基本的なルールを十分に理解しておく必要があります.
今回は理学療法士・作業療法士がどこまで行ってもよいのかについて考えてみたいと思います.
医療行為とは?
医療行為というのは医師法第17条で定められた,医師・歯科医師の指示を受けた看護師・助産師などの医療従事者のみが行うことが認められている患者に対する治療や処置をさします.
医学的な技術や判断がないと人体に危害を及ぼすような危険がある行為を医療行為として定義しているわけです.
訪問看護では医療行為が認められておりますが,訪問介護では認められておりません.
同じ訪問系のサービスでもサービス内容が違うのはスタッフが持つ資格が異なるためです.
医療補助行為が認められているのは?
基本的に医療補助行為がすべて認められているのは,保健師・助産師・看護師のみです.
それ以外の職種は限定された診療補助行為しか認められておりません.
特に理学療法士の業務は,身体に障がいのある者を対象に治療体操・運動・電気刺激・マッサージ・温熱やその他物理的手段を加え,基本動作能力の回復を図ることと理学療法士及び作業療法士法に記されております.
また理学療法士の業務に関しては,理学療法士及び作業療法士法第15条に理学療法士又は作業療法士は,保健師助産師看護師法 (昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項及び第三十二条の規定にかかわらず,診療の補助として理学療法又は作業療法を行なうことを業とすることができると記されております.
診療の補助として理学療法又は作業療法をと記されておりますので,理学療法士・作業療法士にとっては理学療法・作業療法のみが診療補助行為として認められているということになります.
医療行為ではないものは?
医療行為がどのように定義されているかを理解するのも重要ですが,理学療法士・作業療法士が行うことに関して法律上問題が無い医療行為で無いものというのはどんなものが挙げられるでしょうか?
①耳垢を取り除くこと(耳垢の閉塞の場合を除く)
②ストーマのパウチにたまった排泄物を、交換したり捨てること(肌に装着したパウチの交換は除く)
③自己導尿を補助するためのカテーテルの準備及び利用者の体位保持などの補助をすること
④ディスポーザブルグリセリン(グリセリン浣腸薬・市販)を用いること
⑤爪切り。爪のまわりに異常や炎症や化膿もなく、本人の容態が安定している場合のみ(糖尿病の疾患で病状が安定していない場合は不可)
⑥内服薬。内服介助袋に一包化されているのに限定
⑦座薬の挿入や点鼻薬の噴霧介助
⑧目薬をさす
⑨湿布薬を塗布する
⑩褥そうの処置を除く軟膏の塗布
⑪わきの下や耳での体温測定
⑫自動血圧計を使った血圧測定
学校で習ったかもしれない,水銀計を用いた血圧測定は医療行為にあたる可能性もあります.
しかし理学療法・作業療法業務の範疇として適応されるかも詳細は不明だったりします.
⑬入院の必要のない方のパルスオキシメーターの使用
⑭すり傷・切り傷や・火傷などの応急処置での汚染したガーゼの交換
⑮口腔ケア
ここで言うところの口腔ケアは,日常的な口腔内の「清掃・清拭」をさし,歯ブラシ・綿棒・巻き綿子などを利用して歯・口腔粘膜・舌などに付着している汚れを取り除き清潔を保つものです.
これらはいずれも医療行為ではありません.
どこまで行ってもよいのか?
おそらく1つ1つの医療行為に関してどこまで行っても良いのかといった点に関しては,今の現状であれば公式な見解を求めても可能といった見解が多いと思います.
過去の他の事例を振り返って見ても公式見解が無いままでは,今はそうでも10年後は揚げ足をとられる可能性も十分に考えられます.
本来であれば酸素の取り扱いや血圧測定等の基本的なところは今のうちに日本理学療法士協会もしくは養成校が公式な回答を求めておくべき話題な気はします.
グレーというのは柔軟性があって良いと考える方もいらっしゃるかもしれませんが,公式見解が求められた際に,行政が好き勝手に判断を下すということになりますので,事前に公式回答を明確にしておく方が無難だとも考えられます.
今回は理学療法士・作業療法士がどこまで行ってもよいのかについて考えてみました.
現状では理学療法士・作業療法士が行う医療行為に関してはグレーな部分が多いので,少なくとも個人で判断せず法人として組織として理学療法士・作業療法士がどこまで行ってよいのかといったルール作りをしておくことも重要だと思います.
個人が勝手に行ったとならないようにしたいですね…
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