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英語が苦手な理学療法士・作業療法士はまず接頭語・接尾語を覚えよう
理学療法士・作業療法士って英語が苦手な方が多いと思います.
英語論文を読めるようになればかなり世界は広がりますが,そもそも英語が苦手だからといった理由で敬遠されている理学療法士・作業療法士も多いのではないでしょうか?
英語も一定のルールを理解すればわからない単語もおおよそ意味を捉えられるようになります.
この一定のルールの1つが接頭語・接尾語です.
今回は英語が苦手な理学療法士・作業療法士はまず接頭語・接尾語を覚えるとよいといった話です.
接頭語・接尾語がなぜ大切か
われわれ日本人が使う感じって「膝」・「股」・「胸」のように「月(にくづき)」がついていれば体を表す言葉だって何となくイメージできますよね.
接頭語・接尾語をもこれと同じです.
接頭語・接尾語を知っておけば知らない英単語でも何となく意味をイメージできるようになります.
実は医学英単語というのは2つ以上の意味の組み合わせで成り立っていることが多いのです.
例えば「関節炎(arthrilis)」は「関節(arthr)」と「炎(-ilis)」の組合せで成り立っております.
このように,単語が長くとっつきにくいものでも,頻出する接頭語または接尾語,核となる単語を覚えておくことで,単語1つひとつを丸暗記しなくても意味がわかるようになるのです.
接頭語
Ante-
これは「前に」を意味する単語です.
Anteriorなんかが代用的ですね.
Anteversionなんていうのは前傾のことを指します.
Dys-
これも頻出の接頭語です.
障害,不全,異常といった意味を持ちます.
Dysfunction→機能障害,dysarthria→構音障害なんて意味で用いられることが多いですね.
Ex-
これは外側とか外を意味する接頭語ですね.
excision→除外なんて意味で用いられます.
Hemi-
片方を意味する接頭語ですね.
これは使用機会も多いと思いますがhemiplegia・hemiparesis→片麻痺といった意味で用いられます.
Hemo-
血を意味する接頭語ですね.
hemoglobin→ヘモグロビンは代表的ですが,hemotoma→血腫なんかも比較的使用頻度は高いですね.
Hyper-
過大を意味する接頭語ですね.
過可動性を意味するhypermobilityや高血圧を意味するhypertensionなんかが代表的ですね.
Hypo-
過少を意味する接頭語ですね.
これは先ほどのhper-の逆ですのでhypomobility→低可動性,hypotension→低血圧なんて意味で用いられます.
Infra-
下を意味する接頭語ですね.
Infrascpapularis→肩甲下筋とかInpraspinatus→棘下筋なんかがこの代表的ですね.
Inter-
中間を意味する接頭語ですね.
vastus intermediusなんていうのは中間広筋のことですね.
Ipsi-
同側を意味する接頭語ですね.
昔で言うところのPusher症候群というのはipsilateral pushingと表現されます.
Ipsilateralで同側と表現できます。
Contra-
対側を意味する接頭語ですね.
Ipsiの対義語になりますが,Contralateralで対側と表現できます.
Mal-
異常を意味する接頭語ですね.
malalignment→マルアライメントとか,膝蓋骨のmaltracking→軌跡異常といった用いられ方をします.
Quad-
4つを意味する接頭語ですね.
Quadricepsなんかがその代表ですね.
Un(i)-
単を意味する接頭語ですね.
Unicondylar knee arthroplasty(UKA)で用いられますね,Unilateral(一側)なんて用いられ方もありますね.
ちなみに両側の場合はBilateralですね.
Sub-
下とか亜を意味する接頭語ですね.
Subacute→亜急性期とか,subluxation→亜脱臼なんて用いられ方が多いですね.
Abdomin-
腹部を意味する接頭語ですね.
AAA(トリプルA)で用いられるabdominalは腹部のといった意味がありますね.
Angi-
血管を意味する接頭語ですね.
Angiography→血管造影検査なんかが代表的です.
Cardi-
心臓を意味する接頭語ですね.
Cardiogenic→心原性とかCardiology→循環器科なんて用い方が多いでしょうか.
Cerebr-
大脳を意味する接頭語ですね.
cerebral infarctionで脳梗塞ですね.
Crani-
頭蓋を意味する接頭語ですね.
Craniotomy→開頭術とかCraniotherapy頭蓋療法なんていうのが多いですね.
Oste-
骨を意味する接頭語ですね.
これは使用頻度も高いので必ず押さえておきたいですね.
Osteoarthritis→変形性関節症とか,osteoporosis→骨粗鬆症とか,osteosynthesis→骨接合術といった表現が用いられます.
Pulmo-
肺を意味する接頭語ですね.
PulmonaryはCOPDのPですね.
Neur-
神経を意味する接頭語ですね.
neurosurgery→脳神経外科ですね.
接尾語
-algia
痛みを意味する接尾語ですね.
Coxalgia→股関節痛,Gonalgia→膝関節痛,myalgia→筋肉痛なんてのが多いですかね.
-itis
炎症を意味する接尾語ですね.
変形性関節症→osteoarthritisがその代表ですね.
今回は英語が苦手な理学療法士・作業療法士はまず接頭語・接尾語を覚えるとよいといったお話でした.
ちなみに腓腹筋の英名の綴りも知らないでガストロと知ったかぶりで呼称している理学療法士・作業療法士って多いですが,gastro (胃の,腹の)-cnemius(クネミアス:すね)の意味ですからね…
略称なので仕方ありませんがこんなのも知らない理学療法士・作業療法士って多いんですよね…
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