内側ハムストリングス・外側ハムストリングスのストレッチ 選択的ストレッチは可能か?

運動療法・物理療法
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内側ハムストリングス・外側ハムストリングスのストレッチ 選択的ストレッチは可能か?

理学療法士・作業療法士がハムストリングスのストレッチングを行う機会は少なくないと思います.

ハムストリングスは内側ハムストリングスと外側ハムストリングスに分類できます.

内側型変形性膝関節症例では膝関節内反変形に伴い内側ハムストリングスが短縮していることが多いですし,内側ハムストリングスを選択的にストレッチしたいとか,外側ハムストリングスを選択的にストレッチしたいなんてこともけっこうあると思います.

内側ハムストリングス・外側ハムストリングスをそれぞれ選択的にする際にはSLR肢位で股関節の内外転を加えたり,内外旋を加えたりといった方法が取られる場合が多いですが,本当に内側ハムストリングスや外側ハムストリングスを選択的に伸長することが可能なのでしょうか?

今回は研究論文をもとに理学療法士の視点で内側ハムストリングス・外側ハムストリングスを選択的にストレッチすることが可能か否かについて考えてみたいと思います.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回ご紹介する論文

Man Ther. 2015 Feb;20(1):134-7. doi: 10.1016/j.math.2014.07.016. Epub 2014 Aug 13.

The Effect of Hip Rotation on Shear Elastic Modulus of the Medial and Lateral Hamstrings During Stretching

Hiroki Umegaki 1, Tome Ikezoe 2, Masatoshi Nakamura 3, Satoru Nishishita 2, Takuya Kobayashi 2, Kosuke Fujita 2, Hiroki Tanaka 2, Noriaki Ichihashi 2

Affiliations expand

PMID: 25194631 DOI: 10.1016/j.math.2014.07.016

今回ご紹介する論文は2015年に掲載された比較的新しい論文です.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の目的

Regarding hamstring stretching methods, many studies have investigated the effect of stretching duration or frequency on muscle stiffness. However, the most effective stretching positions for hamstrings are unclear because it is impossible to quantify muscle elongation directly and noninvasively in vivo. Recently, a new ultrasound technology, ultrasonic shear wave elastography, has permitted noninvasive and reliable measurement of muscle shear elastic modulus, which has a strong linear relationship to the amount of muscle elongation. This study aimed to investigate the effect of hip internal and external rotation on shear elastic modulus of the lateral and medial hamstrings, respectively, during stretching in vivo using ultrasonic shear wave elastography.

ハムストリングスのストレッチ方法については,過去にもストレッチの持続時間や頻度が筋硬度に与える影響に関して,多くの研究がなされております.

しかしながらハムストリングスに最も効果的なストレッチの肢位は,生体内で直接かつ非侵襲的に筋の伸張性を定量化することが困難であったため,これまで明らかにされておりませんでした.

近年,新しい超音波技術である超音波せん断波エラストグラフィを使用することで,筋の伸張率と強い線形関係を持つ筋肉のせん断弾性率を非侵襲的かつ確実に測定できるようになりました.

この研究では、音波せん断弾性波エラストグラフィを使用して,生体内でのストレッチにおける股関節内旋・外旋がそれぞれ外側ハムストリングスおよび内側ハムストリングスのせん断弾性率に与える影響を明らかにすることを目的としております.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の方法

Twenty-three healthy men (age, 23.0 ± 2.1 years) were recruited for this study. To investigate the effect of hip rotation on the elongation of the medial and lateral hamstrings, shear elastic modulus of the biceps femoris (BF) and semitendinosus (ST) was measured at rest (a supine position with 90° knee flexion, 90° hip flexion, and hip neutral rotation) and in seven stretching positions (with 45° knee flexion and hip internal, external, and neutral rotation) using ultrasonic shear wave elastography.

対象は健常若年男性23名(23.0±2.1歳)となっております.

股関節の回転が内側ハムストリングスおよび外側ハムストリングスの伸張性に及ぼす影響を調べるために,大腿二頭筋(BF)および半腱様筋(ST)のせん断弾性率を,安静時(仰臥位・膝屈曲90度・股関節屈曲90度・股関節回旋中間位)および7つのストレッチ時(膝関節屈曲45度における股関節内旋・外旋・回旋中間位)に超音波せん断弾性波エラストグラフィを用いて測定しております.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の結果

In both BF and ST, the shear elastic modulus in the rest position was significantly lower than that in all stretching positions. However, no significant differences were seen among stretching positions.

大腿二頭筋・半腱様筋いずれも安静位でのせん断弾性率が,すべてのストレッチ肢位に比較して有意に低い結果でありました.

しかしながらストレッチ肢位間においてせん断弾性率に有意差は認められませんでした.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の結論

Our results suggest that adding hip rotation at a stretching position for the hamstrings may not have a significant effect on muscle elongation of the medial and lateral hamstrings.

この研究結果から,ハムストリングスをストレッチする際に,股関節の内外旋を加えても内側ハムストリングスおよび外側ハムストリングスを選択的に伸張できない可能性が示唆されます.

 

今回は研究論文をもとに理学療法士の視点で内側ハムストリングス・外側ハムストリングスを選択的にストレッチすることが可能か否かについて考えてみました.

理学療法士・作業療法士が内側ハムストリングス・外側ハムストリングスを選択的にストレッチする目的で股関節の内外旋を加える方法ですが,あまり効果が無いということになります.

やはり内側ハムストリングス・外側ハムストリングスを選択的に伸張するにはダイレクトストレッチングしかなさそうですね.

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