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理学療法士・作業療法士が読むべき疼痛に関する書籍7選
先日,41年ぶりに痛みの定義が変わりました.
痛みと言えば理学療法士・作業療法士が対象とするクライアントの主訴として最も多いわけですが,理学療法士・作業療法士もクライアントの痛みに対してさまざまな介入を行う必要があります.
従来は侵害刺激により疼痛が出現すると考えられてきましたが,昨今は疼痛に関する研究が進み疼痛の捉え方もかなり複雑なものとなっており,クライアントの訴える疼痛を理解するためには,専門的な知識の学習が必須となっております.
今回は理学療法士・作業療法士が読むべき疼痛に関する書籍をご紹介させていただきます.
ペインリハビリテーション入門
理学療法士で疼痛に関する最先端の研究をされている沖田先生,松原先生がタッグを組んで執筆した一冊です.
まずは初学者はこの書籍からスタートすると良いですね.
はじめに「痛み」を理解するための必須知識である痛みの多面性と発生メカニズムが豊富なイラストでわかりやすく解説されております.
次のステップでは,臨床現場でよく使用する評価票を取り上げながら痛みのリハビリテーション評価で押さえておくべきポイントが効率よく学べます.
また最後の痛みのマネジメントでは“急性痛”と“慢性疼痛”に分けて解説し,痛みから波及するさまざまな問題について,物理療法・運動療法・認知行動療法・薬物療法といったアプローチが紹介されております.
この書籍の素晴らしいのは巻末に痛みのリハビリテーション評価でよく使用する評価票や専門用語の解説が収載されている点です.
初学者には非常にありがたい内容となっております.
痛みにチームでアプローチ! 慢性疼痛ケースカンファレンス
疼痛に関する数多くの研究をされている牛田先生が監修を務められた一冊です.
牛田先生と言えば先日の痛みに関する41年ぶりに定義を変えたPAIN論文の共著者でもあります.
疼痛に対しては集学的なアプローチが最も効果的とされておりますが,理学療法士は疼痛治療チームの一員として理学療法士の役割について理解するとともに,他職種の役割を理解しておくことが非常に重要となります.
医師・心理士・看護師・ソーシャルワーカーといった他職種の手を借りずして疼痛治療を行うことは困難です.
多職種協働で疼痛に対してどう対峙すべきかが学べる一冊です.
慢性疼痛治療ガイドライン
理学療法士・作業療法士といった専門職の特性を考えるとは急性疼痛よりも慢性疼痛にいかに適切に対応するかが重要となります.
まずはガイドライン上で慢性疼痛治療におけるスタンダードを理解してくことは非常に重要です.
このガイドラインを1冊読めば,おおよそ現在の慢性疼痛治療に関するスタンダードを理解することができるでしょう.
疼痛の認知神経リハビリテーション
疼痛治療の1つの戦略として認知神経リハビリテーションといった手法があります.
この書籍はリハビリテーション治療の最難関「疼痛」に対する具体的,かつ効果的な治療の理論と実践方法をエビデンスとともに解説した画期的なテキストです.
リハビリテーションのための治療データのエビデンスによって,その治療効果が漏れなく検証されております.
理学療法士・作業療法士であれば疼痛治療の1つの引き出しとして認知神経リハビリテーションの知識を持っておくべきです.
この書籍は理論書であるとともに充実した実践書でもあり,特に疼痛治療の訓練を紹介したパートは写真も多く,具体的な治療経過とその臨床思考が丁寧に解説されていて,臨床にすぐにでも役立てられる内容が多いです.
痛みの理学療法シリーズ
疾患別に痛みに対する理学療法を学びたいのであればやっぱりこのシリーズですね.
このシリーズは実践的な内容が多く,具体的に疾患別に痛みに対する理学療法を学べます.
今回は理学療法士・作業療法士が読むべき疼痛に関する書籍を紹介させていただきました.
どれも良書ですので疼痛に関して改めて勉強してみてはいかがでしょうか?
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