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理学療法士・作業療法士が新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金を受け取るには?
ご存知の通り今週初めに新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金に関する正式発表がなされました.
さて理学療法士・作業療法士はこの慰労金を受け取ることができるのでしょうか?
今回は理学療法士・作業療法士も気になる新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金についてご紹介させていただきます.
給付対象について
まず気になる給付対象ですが,
と定義されております.
この定義だけをみると自分の勤務する施設や自分の立場で給付金を受け取ることができるのかどうか気になると思います.
患者と接する職員とは?
ちなみにここでいうところの「患者と接する医療従事者や職員」にある「患者」とは,新型コロナウイルス感染症患者(疑い患者を含む)に限定されるわけではありませんので,他の疾病による患者も含まれます.
例えば,病棟や外来などの診療部門で患者の診療に従事したり,受付,会計等窓口対応を行う職員は通常該当します.
また,診療には直接携わらないものの,医療機関内の様々な部門で患者に何らかの応対を行う職員等は医療機関における勤務実態等に応じて該当するものと考えられます.
一方,対象期間中はテレワークのみによる勤務であったり,医療を提供する施設とは区分された当該法人の本部等での勤務のみであったなどの場合は該当しないと考えられます.
対象となる「医療従事者や職員」には,医師,看護師等の医療専門職以外の事務職等も含まれます.
また雇用形態も正社員,非常勤,嘱託,パート,アルバイト,派遣労働者等,雇用形態等により限定されることはありません.
つまり資格や職種による限定はなく,雇用形態等による限定は無いということになります.
委託業者の職員であっても医療機関等における勤務内容によって対象となります.
公立の医療機関等の公務員も対象となります.
医療機関等内のコンビニエンスストアやレストラン,銀行,敷地内薬局などいわゆる賃貸借契約による場所貸しとして営業する事業者で働く場合は対象となるかについても明記されておりますが,対象外薬局については,調剤など医療に不可欠な役割を担うものですが,薬局ではクラスターが発生していないなど,クラスター発生のおそれは相対的に低く,患者に直接処置や治療を行う医療機関の医療従事者等とは性質が異なると考えられることから,慰労金の対象とされておりません.
週1勤務でも慰労金がもらえるか?
対象期間(当該都道府県における新型コロナウイルス感染症患者1例目発生日又は受入日(新型コロナウイルスに関連したチャーター便及びクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」から患者を受け入れた日を含む.)のいずれか早い日(岩手県は,緊急事態宣言の対象地域とされた4/16)から6/30までの間)に10日以上勤務した者が対象となりますので,週1勤務でも10日以上勤務していれば週1勤務でも慰労金の対象となります.
なお1日当たりの勤務時間も明確にされておりませんので,半日勤務でも1日とカウントして問題内容です.
対象となる施設は?訪問看護ステーションもOK?
基本的には以下の施設が対象です.
【都道府県等から役割を設定された医療機関等】
① 重点医療機関
② 感染症指定医療機関
③ その他の都道府県が新型コロナウイルス感染症患者の入院受入れを割り当てた医療機関(「新型コロナウイルス感染症患者等の入院病床の確保について(依頼)」(令和2年2月9日厚生労働省健康局結核感染症課事務連絡)等に基づく,新型コロナウイルス感染症患者等入院医療機関)
④ 帰国者・接触者外来を設置する医療機関(「新型コロナウイルス感染症に対応した医療体制について」(令和2年2月 1 日厚生労働省医政局地域医療計画課・健康局結核感染症課連名事務連絡)
⑤ 地域外来・検査センター(「行政検査を行う機関である地域外来・検査センターの都道府県医師会・郡市区医師会等への運営委託等について」(令和2年4月 15 日厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡)
⑥ 新型コロナウイルス感染症に対する医療提供に関し,都道府県,政令市及び特別区から役割を設定された宿泊療養・自宅療養を行う場合の新型コロナウイルス感染症患者(軽症患者等を含む.)に対するフォローアップ業務
【その他】
⑦ 上記以外の病院・診療所
⑧ 訪問看護ステーション
⑨ 助産所
※ 勤務する医療機関(病院及び診療所)は保険医療機関に,訪問看護ステーションは指定訪問看護事業者に限る.
※ 病院・診療所については,保険医療機関であることが必要です.また,院外薬局及び柔道整復師等の施術所は給付対象外です.
※ 役割の設定は,都道府県の他,保健所設置市や特別区が行っている場合もあります.
これを見ると訪問看護ステーションもOKのようですね.
結局いくらもらえるの?
- 新型コロナ患者受け入れがある病院:医療従事者に最大20万円(介護従事者なし)
- 新型コロナ患者受け入れがない病院(病床確保等準備はした場合): 医療従事者に最大10万円(介護従事者なし)
- 感染者が発生したり,濃厚接触者に対応した介護事業所の職員 :介護従事者に最大20万円(医療従事者なし)
- 新型コロナ感染者を受入れいていない:医療従事者・介護従事者共に最大5万円
これで考えると多くの理学療法士・作業療法士は5万円の臨時収入を得られるはずです.
場合によっては20万円・10万円の収入となる方もおられるでしょうね.
申請方法
「オンライン請求システム」やインターネット環境への対応状況によって,申請方法が異なりますので,まずは自医療機関等の申請方法の確認が必要です.
原則として,各都道府県の国保連の①「オンライン請求システム」(医療機関等が毎月の診療報酬請求事務で使用しているシステム)により申請することとなります.
「オンライン請求システム」未導入の医療機関等は,本事業専用の②「WEB 申請受付システム」により申請してください.
なお,インターネット環境に対応していない医療機関等は,③「電子媒体(CD-R等)」により国保連に郵送することも可能です(電子媒体による提出も困難な場合は,④「紙媒体」を国保連に郵送).
慰労金は課税対象?
慰労金は病院から支給される手当等とは異なりますので,課税対象とはなりません.
ですので慰労金は非課税所得となります.
また令和二年度ひとり親世帯臨時特別給付金等に係る差押禁止等に関する法律により、慰労金は差押えが禁じられています.
今回は理学療法士・作業療法士も気になる新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金についてご紹介させていただきました.
基本的には施設側が国に対して申請を行うものですので,管理者の理学療法士・作業療法士は申請がきちんと行われているかを確認した上で,所属スタッフに伝達する必要があるでしょうね.
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