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理学療法士・作業療法士養成校の定員割れで誰でも理学療法士・作業療法士になれる時代に
理学療法士・作業療法士養成校の急増に伴い,地方の専門学校や私立大学をはじめ理学療法士養成校の多くが定員割れしている状況です.
少子化の流れを考えれば,理学療法士・作業療法士養成校に限った話でもありませんし,医療系に限らず私立大学の多くで定員割れが進んでいる状況です.
理学療法士・作業療法士養成校でも学生集めに必死な状況であり,この学生集めが問題となっております.
今回は理学療法士・作業療法士養成校における定員割れについて考えてみたいと思います.
理学療法士・作業療法士養成校における定員割れ
理学療法士・作業療法士養成校は大きく分類すると専門学校と大学に分類できますが,特に定員割れが顕著となっているのが地方の理学療法士・作業療法士養成校です.
地方都市における少子化は著しい状況であり,専門学校では募集定員の50%に満たない状況で新学期をスタートする養成校すら出てきている状況です.
専門学校よりは大学に進学させたいと考える親御さんが多いのも実際ですし,大学であれば仮に理学療法士・作業療法士になりたくないという話になった場合にもつぶしがききますので,専門学校よりは大学と考える学生が多いわけです.
そうはいっても私立大学でも多くの養成校で定員割れが生じている状況で,私立大学でさえも何度もオープンキャンパスを行って学生集めに必死になっている状況です.
定員割れすると教員の給与を支払えない
理学療法士・作業療法士養成校からすれば,募集定員を満たせなければ教員の給与を支払うことができませんので,学生集めに必死になるのもわからなくはありません.
現在のところ年間の授業料は100~150万円といった理学療法士・作業療法士養成校が多いわけですが,教員の1年あたりの年収を支払うためには1人の教員あたり4~6名の学生が必要といった計算になります.
それは教員も必死になるわけです.
学生集めに必死になりすぎると危険
理学療法士・作業療法士養成校で学生集めに必死になると大きな問題が起こります.
本来は理学療法士・作業療法士養成校というのは,理学療法士・作業療法士になりたいといった学生を集めるべきですが,なんとなく理学療法士・作業療法士といった学生も増えてきております.
昨今は他になりたい職業が無いから理学療法士・作業療法士にでもなるといった学生が多いのも実際です.
理学療法士・作業療法士養成校としては,理学療法士・作業療法士になりたくない学生やなんとなく理学療法士・作業療法士にでもなろうかといった学生を取り込んで,かつ退学しないように接するわけです.
最近はオープンキャンパスと称してビュッフェをしたり,プレゼントをしたりと,高校生に対して最大級のもてなしを行って学生を取り込もうとする理学療法士・作業療法士養成校が増えてきております.
もちろん定員割れしている状況ですので,偏差値が低くても面接等でよほどの問題が無ければ誰でも合格ということになります.
理学療法士・作業療法士養成校は今後淘汰される
日本理学療法士協会が行った第49回定時総会の中で,4年制大学化に向けた理学療法士・作業療法士法の改正案の作成が今後の目標として掲げられました.
これだけ理学療法士・作業療法士養成校が増加している状況ですので,最終的には理学療法士・作業療法士養成校は淘汰されなければなりませんが,理学療法士・作業療法士の社会的な立場を守るためにもまずは専門学校から淘汰される可能性が高いと考えます.
今回は理学療法士・作業療法士養成校における定員割れについて考えてみました.
理学療法士・作業療法士の質を担保する上でも,少子化時代に合わせて理学療法士・作業療法士養成校数や理学療法士・作業療法士養成校における定員数をきちんと見直す必要があるでしょうね.
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