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理学療法士の職場って何人規模の職場が最も多いのか?
先日,日本理学療法士協会から第49回定時総会の議案書が公開されました.
この議案書の中で理学療法士が勤務する職場の人数別分布が公開されております.
今回はこの人数別分布から何人規模の職場で勤務する理学療法士が多いのかについて考えてみたいと思います.
理学療法士の勤務先の人数分布
人数別分布 | 施設数 |
1人 | 7,788 |
2人 | 3,084 |
3人 | 1,704 |
4人 | 1,093 |
5人 | 760 |
6人 | 608 |
7人 | 468 |
8人 | 354 |
9人 | 290 |
10人 | 239 |
11-15人 | 894 |
16-20人 | 541 |
21-30人 | 554 |
31人以上 | 528 |
これは理学療法士の勤務先の人数分布をグラフ化したものですが,施設数としては1人職場が最も多いといった結果でありました.
ただこれはあくまで1人職場の施設数が多いというわけで,1人職場で勤務する理学療法士が最も多いというわけではありません.
この数値をもとに実際には何人規模の職場で勤務する理学療法士が多いのかについてグラフ化してみました.
何人規模の職場で勤務する理学療法士が多いのか?
何人規模の職場で勤務する理学療法士が多いのかを計算してみるとこんな結果になりました.
実際には1人職場で働く理学療法士が多いわけではなく,31人以上の職場で勤務する理学療法士が最も多く,2番目に21-30人,3番目に11-15人,4番目に16-20人の職場で働いている理学療法士が多いといった結果でありました.
実に理学療法士の半数以上は11人以上の職場で勤務しているといった計算になります.
5番目に多いのが1人職場といった結果であり,これもまた見逃せない結果であると考えます.
こうしてみるとやはり回復期リハビリテーション病院をはじめ,大規模な施設で働く理学療法士が多いことが改めて分かります。
職場規模によって理学療法士の求めるものも異なるのではないか?
上述したように11名以上の職場で勤務する理学療法士が全体の半数以上であったわけですが,一方で1人職場とか2人職場といった理学療法士が少数の職場で勤務する理学療法士が全体の1割いることも明らかとなりました.
職場規模によっても教育的側面を考えると求めるものも異なるのではないでしょうか?
同じ理学療法士5年目であっても1人職場の場合と,50人規模の理学療法士の中で働く場合とでは,組織に求められるものも大きく異なると思います.
またこれは私の勝手な印象ですが少人数職場の理学療法士ってあまり日本理学療法士協会や都道府県士会の活動に参加されていないことが多いと思います.
やはり規模が違うと求めるものも違うと思うんですよね.
そういった意味では今後は少人数の職場の理学療法士を支援するような研修や教育体制というのも必要なのではないでしょうか?
もちろん現行でも少人数職場の理学療法士が専門理学療法士や認定理学療法士資格を有する理学療法士の職場を見学するようなシステムが存在しますが,実際には大きな規模の職場の見学をしても理学療法の内容なんかは参考にできる部分はあるかもしれませんが,運用上はなかなか参考にしにくいところも多いのではないでしょうか?
今回はこの人数別分布から何人規模の職場で勤務する理学療法士が多いのかについて考えてみました.
大規模な理学療法士を抱える施設が増えているというのがよくわかる結果でしたが,少人数職場も無視できないといったデータだと思いますので,このあたりを切り口に研修や生涯学習プログラムも柔軟に変化するとよいですね.
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