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Web試験がサーバーダウンで問題となった2019年度認定理学療法士合格発表 気になる合格率は?
2020年6月5日に日本理学療法士協会から2019年度認定理学療法士取得者の合格発表がありました.
ご存知の通り,認定理学療法士を取得するためには症例レポート,既定のポイントの取得,試験合格といった3つの条件を満たす必要があります.
今回はこの中でも試験がWebで行われましたので実質はカンニングし放題だったわけですが,サーバーダウンで試験時間が短くなった受験者も多く,最終的な合格率がどうなるのかが気になるところでした.
今回はWeb試験がサーバーダウンで問題となった2019年度認定理学療法士合格発表について考えてみたいと思います.
問題となった認定理学療法士Web試験におけるサーバーダウン
2020年5月10日に新型コロナウイルス感染拡大に伴い延期されていた2019年度の認定理学療法士試験がWeb試験という形式で執り行われました.
17時から開始予定でしたがいきなりのサーバーダウンに大パニック,結果試験開始が1時間30分延期といった最悪の試験でした.
また18時30分になっても試験を開始できない受験者も多く,その上1領域の受験者は18時30分の開始から40分で試験を打ち切られ,試験時間に受験者間で不公平が生まれ,十分に回答できないまま時間オーバーとなった受験者も多かったようです.
この失態に対して日本理学療法士協会は不合格者に対して再試験を行うことを発表しておりました.
気になる合格率は?
2019年度の合格率を見る前に,過去の認定理学療法士試験の合格率はどうなのでしょうか?
平成28年度の合格率は,受験者数1669名に対して,合格者数は1081名となっております.
つまり合格率は64.8%となっております.
平成29年度の合格率は,受験者数2343 名に対して,合格者数は1510 名となっております.
つまり合格率は64.4%となっております.
これは非常に低いとお考えの方が多いと思いますが,じつは試験だけの不合格ではなく,症例レポートが基準点に達しない場合や,ポイントの取得状況が十分でない場合も含まれるようです.
さて気になる2019年度ですが受験者数が3,535名,合格者数が3,214 名でありましたので,合格率はなんと90.1%でありました.
過去に類を見ない高い合格率だったことがわかります.
これはWeb試験でカンニングが可能だったことが非常に大きいと思われます.
これまでの試験と難易度が大きく異なるので認定理学療法士(脳卒中:Web)なんて記載しても良いかもしれません(笑)
また合格者数も2014年度が1,005名,2015年度1,026名,2016年度が1,371,2017年度が1,656名,2018年度は2,973名でありましたので,2019年度は3,214名で過去最高だったことがわかります.
領域ごとの2019年度認定理学療法士(新規)合格者数は?
01 ひとを対象をした基礎領域 14 名
02 動物・培養細胞を対象とした基礎領域 3 名
03 脳卒中 685 名
04 神経筋障害 37 名
05 脊髄障害 25 名
06 発達障害 45 名
07 運動器 976 名
08 切断 3 名
09 スポーツ理学療法 140 名
10 徒⼿理学療法 63 名
11 循環 233 名
12 呼吸 257 名
13 代謝 77 名
14 地域理学療法 302 名
15 健康増進・参加 20 名
16 介護予防 129 名
17 補装具 23 名
18 物理療法 10 名
19 褥瘡・創傷ケア 3 名
20 疼痛管理 7 名
21 臨床教育 36 名
22 管理・運営 100 名
23 学校教育 26 名
運動器なんて1000名に近いですし,どの分野も認定理学療法士が増えてきたなといった印象です.
不合格者はどうなるのか?
今回はWeb試験でサーバーダウンによる不公平が生じておりますので,気になるのはWeb試験受験者への救済措置です.
協会のHP上には不合格者には改めて6月中に個別に結果が通知されるといった記載があります.
この通知の中で認定理学療法士の申請は,ポイント申請書類・症例報告・認定試験の中でどの審査で不合格であったかが通知されるようです.
おそらくこの3つの条件の中で認定試験の結果で不合格になった場合には再試験という流れになることが予測されます.
今回はWeb試験がサーバーダウンで問題となった2019年度認定理学療法士合格発表について考えてみました.
9割以上の合格率ってすごいですね.
Webで何の工夫もないまま試験を執り行ったので当然といえば当然ですね.
2019年度の試験を受験された理学療法士の方はラッキーでしたね.
何より合格された方はおめでとうございます.
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