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日本理学療法士協会の会員数はあまり増えていない
先日,日本理学療法士協会から第49回定時総会の議案書が公開されました.
最近は日本理学療法士協会の不祥事が続いており,会員理学療法士の日本理学療法士協会離れも進んでおります.
今回は最新のデータをもとに日本理学療法士協会会員数について考えてみたいと思います.
2019年度にどのくらい日本理学療法士協会会員数が増えたのか?
まず日本理学療法士協会の会員数の増加を考える前に,理学療法士国家試験の合格者数について見ていきたいと思いますが,ここ数年は理学療法士国家試験の合格者数は10,000名となっております.
つまり全員が入会すれば毎年日本理学療法士協会の会員数は10,000名は増加することになります.
日本理学療法士協会の協会費が約10,000円ですので,10,000名が増加すれば収益としては単純に1億円増えるわけです.
ただ実際には10,000名も入会者が増えていません.
2019年度はどうだったかというと2020年3月31日現在の会員数は112,518名となっております.
新入会員数は9,812名でしたのでおおよそ理学療法士国家試験合格者の大部分が日本理学療法士協会へ入会したこととなります.
しかしながら実は休会者数が3,958名,退会者数が4,125名にも上っており,実質は2,000名しか会員数は増えていないのです.
なぜ日本理学療法士協会の休会者数・退会者数が増加しているのか?
なぜ日本理学療法士協会の休会者数・退会者数が増加しているのでしょうか?
理由はさまざまだと思いますが,ここ最近の日本理学療法士協会の体たらくな事象が日本理学療法士協会離れを加速させている可能性は高いです.
選挙における不祥事,専門理学療法士更新におけるミス,認定理学療法士試験におけるサーバーダウンなど,会員をがっかりさせる事象が続きすぎました.
そもそもメリットを感じないとかそういった理由で退会する理学療法士・作業療法士もいると思います.
選挙における不祥事
昨年はいろいろとごたごたがありましたよね.
その上,最終的には選挙における敗北という結果ですので,選挙におけるゴタゴタに嫌気がさして日本理学療法士協会を退会された理学療法士も多いのではないでしょうか?
複数の理学療法士に票が割れたことで選挙に敗北したのは誰が見ても明らかです.
もう少しうまくやれなかったのかと悔やんでも悔やみきれません.
専門理学療法士更新におけるミス
専門理学療法士更新において日本理学療法士協会のミスで本来不合格ではなかった理学療法士に不合格通知を出したといった問題もありましたね.
更新料をとっておいてそれは無いでしょうといった大失態です.
認定理学療法士試験におけるサーバーダウン
記憶に新しいのが認定理学療法士Web試験におけるサーバーダウンです.
試験時間は結果的に90分遅延し,その上公平な試験を取り行うことができなかったため再試験となりました.
まだ再試験の詳細は明らかではありませんが,受験された理学療法士の方も大きなストレスを感じたはずです.
今年度はさらに退会者が増える?
新型コロナウイルス感染拡大の煽りを受けて今年度はさらに退会者が増えそうです.
本来は職能団体への所属というのは専門職として職業を守るために会費を支払うといった考え方が筋ですが,2020年9月までは日本理学療法士協会主催の研修会が延期または中止となっておりますので,そもそも研修会を安く受講できないのであれば日本理学療法士協会に入会する旨味が無いと考える理学療法士が多いのではないでしょうか?
加えて医療機関や施設における入院患者数や施設利用者数が減少しており,経営的にも新型コロナウイルス感染による大きな影響を受けている施設が多いわけですので,理学療法士・作業療法士の収入自体も減少してしまっている状況です.
そんな中で日本理学療法士協会・都道府県理学療法士会の年会費20,000円を支払う体力が無いといった理学療法士も出てくることでしょう.
非常に残念な話ではありますが今年度は休会者・退会者が増加する可能性は非常に高いと言えるでしょう.
今回は最新のデータをもとに日本理学療法士協会会員数について考えてみました.
日本理学療法士協会ももう少し会員に魅力のある組織づくりが行えなければ組織率はさらに低下しそうですね.
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