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PT・OTも知らないと恥ずかしい他職種・多職種連携の違い
理学療法士・作業療法士が仕事をする上で多職種連携が重要であることは言うまでもありません.
「たしょくしゅれんけい」と表現する場合には,漢字に変換すると,「他職種連携」と「多職種連携」といった2種類の変換ができると思います.
これってどのような場面でどっちを用いるのが正解かご存知ですか?
今回は理学療法士・作業療法士も知らないと恥ずかしい他職種連携と多職種連携の違いについてご紹介させていただきます.
「たしょくしゅ」
理学療法士・作業療法士であれば,誰もが「たしょくしゅ」連携といったワードを耳にされたことがあると思います.
「たしょくしゅ」は「他職種」と「多職種」の2種類に変換できますが,漢字によって意味合いが異なります.
ただこの言葉を違いを理解して,意図的に使えている人は実際には少ないのではないでしょうか?
他職種連携と多職種連携のそれぞれの意味
私自身もこれまでなんとなく「たしょくしゅ」連携という用語を使っておりましたが,それぞれの違いを整理しておきたいと思います.
まず他職種連携ですが,他職種というのはその名の通り,「他」の職種を意味します.
例えば理学療法士から見た他職種は,医師や看護師,介護福祉士などを指すことになります.
つまり他職種連携というのは「他の職種と連携をとる」という意味を持った言葉です.
これに対して多職種連携は,多職種とは「多く」の職種を意味します.
つまり多職種連携というのは,「複数の職種と連携をとる」ことを意味します.
どんな使い方が正しいの?
他職種連携
「理学療法士と他職種連携についての重要性は言うまでもありませんが…」
この場合には理学療法士と他の職種の連携をといった意味になります.
多職種連携
「うちの病院の回復期リハビリテーション病棟では多職種連携を今年度の目標として取り組んでおります」
この場合には,病棟に関わる複数の職種が連携するといった意味になります.
他職種連携と多職種連携の違い
また他職種連携と多職種連携は,連携の取り方にも違いがあります.
他職種連携の場合には,あるクライアントへの関わり方を各職種が個別に話し合って,クライアントの支援の方針を決定します.
一方で多職種連携の場合には,クライアントを中心として,多くの職種が集まって協議した上で治療方針を決定します.
例えば回復期リハビリテーション病棟で,多くの職種が会してクライアントの自宅退院に向けた方針を協議するような場合には,多職種連携ということになるでしょうし,理学療法士があるクライアントのADLに関して看護師と協議するような場合には他職種連携ということになると思います.
今回は理学療法士・作業療法士も知らないと恥ずかしい他職種連携と多職種連携の違いについてご紹介させていただきました.
もしかしたらあまり意識して他職種と多職種と分けて考えたことが無かった方も多いのではないかと思いますが(私もそうでした),微妙なニュアンスの違いがありますので,できれば整理しておきたいですね.
昨今はクライアント中心の医療・介護が主体になっておりますので,多くの場合には多職種連携の意味合いで用語がつかわれていることが多いと思います.
皆様も改めて他職種連携・多職種連携について考えてみてください.
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