目次
脊椎疾患の理学療法に関連するお勧め書籍5選
年度も変わり今年度こそはしっかりと勉強しようと考えておられる理学療法士・作業療法士の方も多いと思います.
多関節運動連鎖の考え方から言えば,運動器疾患を関節毎に捉えることそのものに無理があるわけですが,初学者の方はまずは関節毎に疾患の特徴をおさえた上で理学療法アプローチを学ぶことが重要です.
今回は脊椎疾患に関連した書籍をご紹介させていただきます.
脊柱理学療法マネジメント
ご存知メジカルビュー社から出版されている理学療法マネジメントシリーズです.
成田先生が監修を務められているだけあって,執筆されている先生も非常に豪華なメンバーとなっております.
医師の執筆陣も金岡先生や西良先生と有名どころが多数執筆されております.
この書籍は頚椎症,腰痛症,脊椎分離症,椎間板ヘルニア,仙腸関節障害と多岐にわたる脊椎疾患に関して病態・評価・アプローチが分けて記載されておりますので,非常に読みやすいです.
腰痛に関しても伸展型・屈曲型・回旋型と分けて書かれているのが嬉しいですね.
少し初学者には難しい内容も含まれておりますが,この1冊をしっかりと理解することができればかなり深い知識が身につくはずです.
構成はこんな感じです.
1 脊柱理学療法の考え方 成田崇矢
2 脊柱の機能解剖とバイオメカニクス 大久保 雄Ⅱ章 病態を知る
1 病態を知る(頚椎) 金岡恒治
2 病態を知る(腰椎) 加藤欽志
3 病態を知る(腰椎分離症) 眞鍋裕昭・西良浩一
4 病態を知る(仙腸関節) 黒澤大輔・村上栄一
5 病態を知る(筋・筋膜性腰痛) 金岡恒治
6 手術特性を知る 加藤欽志
7 慢性腰痛 加藤欽志Ⅲ章 部位・症状別 評価/マネジメント
1 頚部痛 高﨑博司
2 伸展型腰痛 石垣直輝
3 屈曲型腰痛 折笠祐太・成田崇矢
4 回旋型腰痛 河端将司
5 荷重伝達障害(仙腸関節障害の一病態) 蒲田和芳
6 神経症状(殿部,下肢)を有する腰痛 赤坂清和Ⅳ章 疾患別マネジメント(ケーススタディ)
1 外傷性頚椎症(むち打ち症) 高﨑博司
2 頚椎椎間板ヘルニア 杉山弘樹・成田崇矢
3 筋・筋膜性頚部症(肩こり) 河端将司
4 椎間板性腰痛 手塚武士・成田崇矢
5 腰椎椎間板ヘルニア 石田和宏
6 椎間関節性腰痛 石垣直輝
7 腰部脊柱管狭窄症 三木貴弘
8 腰椎分離症 杉浦史郎・高田彰人・
9 仙腸関節障害 蒲田和芳・伊藤一也Ⅴ章 脊柱に対するアプローチの紹介
1 頚部に対するトレーニングの実際 芋生祥之
2 腰部に対する徒手理学療法の実際 来間弘展
3 妊婦,産褥婦の腰痛に対するアプローチの実際 荒木智子
4 腰部に対するバイニーアプローチの実際 佐藤純也・山岸茂則・舟波真一
臨床実践体幹の理学療法
体幹に対する敏腕理学療法士の技術とコツが11テーマに分けて解説されております.
前半では,触診による機能解剖や疾患の特徴から見た運動連鎖の観点からの運動機能障害,機能評価を紹介されております.
後半では,動作分析からみた腰痛発生のメカニズムや外科的治療とその術後理学療法について解説がなされております.
また,成長期スポーツ選手の腰痛や非特異的腰痛の特徴,運動連鎖・隣接関節を理解したうえでの介入方法,産業医学の立場から見た腰痛対策についても紹介されております.
書籍の構成はこんな感じです.
触診により体幹の機能解剖を理解する
I 体幹を構成する構造と機能
II 体幹の骨指標と圧痛点
III 背部・胸部・腹部・骨盤周囲の主要な筋の触察疾患の特徴から腰部の運動機能障害を理解する
I 器質的疾患によるアライメント異常
II 非特異的腰痛の原因
III 再発予防コアスタビリティを評価し結果を介入に活かす
I 体幹機能とコアスタビリティ
II コアスタビリティの評価方法
III 体幹の筋持久力を評価する有用な方法運動連鎖の観点から体幹と下肢の機能の関連を評価する
I 体幹機能の評価について
II 直立二足移動に必要な体幹機能
III “動的安定性”と“荷重支持”の評価方法実践と結果に基づく理学療法手技
動作分析から腰痛発生のメカニズムを理解し介入する
I 脊柱ニュートラルゾーンの安定化
II 腰痛患者への介入は,腰部のみ行うものか?
III 理学療法プログラムの実際
徒手療法を評価に用いて腰痛に挑む
I 腰痛に徒手療法を用いる際のクリニカルリーズニング
II 椎間板性腰痛に対する徒手療法
III 椎間関節性腰痛に対する徒手療法
IV 仙腸関節性腰痛に対する徒手療法
腰痛の外科的治療を理解し術後理学療法に挑む
I 腰椎疾患に対する手術療法の適応と術式
II 理学療法プログラムの実際
III 腰椎手術の経過
成長期スポーツ選手の腰痛の特徴を踏まえ介入する
Ⅰ スポーツ現場で起きやすい腰痛症に対する運動機能の評価方法
II 理学療法プログラムの実際
非特異的腰痛の特徴を踏まえ介入する
I 非特異的腰痛と運動療法
II 腰痛を引き起こすマルアライメントと脊柱-骨盤アライメント制御に働くアウターマッスル
III インナーユニットの賦活化と脊柱-骨盤アライメントの安定化
IV 下部腰椎の局所的な運動とメカニカルストレスの関係
V 股関節の柔軟性低下と動作や歩行時のメカニカルストレスの関係
VI 理学療法プログラムの実際
身体アライメントと隣接関節の運動連鎖を理解し腰痛に介入する
I 姿勢と運動連鎖
II 理学療法プログラムの実際
産業医学の立場から腰痛対策を実践する
I ダイナミック運動療法のさまざまな評価やエクササイズの根拠となる成績
II 当科の外来での取り組み
III 理学療法プログラムの実際
非特異的腰痛のリハビリテーション
赤坂先生が監修された1冊です.
非特異的腰痛で1冊というのは非常に贅沢ですね.
この書籍の特徴はclassificationをしっかりと行って,分類ごとのアプローチが提示されている点です.
非特異的腰痛とひとくくりにせず,原因ごとにアプローチが記載されておりますので非常に興味深い1冊となっております.
この書籍を読み終えると,腰痛の原因を考える視点がかなり増えます.
ケーススタディも非常に視点が新しく興味深いです.
第1章 腰痛の基礎知識
1.腰痛の疫学【福谷直人】
2.腰椎と骨盤帯の解剖学【松村将司】
3.腰椎と骨盤帯の運動学【越野裕太】
4.腰痛が生じるメカニズム【西上智彦】
第2章 腰痛を適応で分ける
1.腰痛のRed flags 〜理学療法の適応外〜【三上兼太朗,三木貴弘】
2.特異的腰痛【小熊大士,盛 智子】
3.非特異的腰痛 〜生物心理社会モデルにもとづいて〜【三浦拓也】
4.急性腰痛 〜考え方とマネージメント〜【中村幸之進,三木貴弘】
第3章 非特異的腰痛の評価
1.主観的評価 〜たかが問診,されど問診〜【江戸英明】
2.客観的評価【渡邊勇太,永井勇士郎】
第4章 非特異的腰痛のClassification
1.Classificationとは何か?【三木貴弘】
2.骨盤帯痛と腰痛を分類する 〜非特異的骨盤帯痛の評価と分類〜【斎藤寛樹】
3.中枢性感作由来の疼痛を分類する【田中克宜,西上智彦】
4.Motor control障害とMovement障害を分類する【日髙惠喜,三木貴弘】
5.心理社会的要因が腰痛に与える影響と評価方法【齋藤 雄,三木貴弘】
第5章 腰痛のClassificationにもとづいた介入
1.非特異的腰痛に対する介入の基本的な考え方【三木貴弘】
2.骨盤帯痛に対する介入【斎藤寛樹】
3.Motor control障害に対する介入【三木貴弘】
4.Movement障害に対する介入【谷口英一】
5.中枢性感作由来の腰痛に対する介入【田中克宜,西上智彦】
6.心理社会的要因の影響が強い場合の介入【齋藤 雄,三木貴弘】
第6章 ケーススタディ
1.長時間の立位で腰痛が生じる症例【三木貴弘】
2.腰部の動きが硬く,動かすことへの恐怖感が強い症例【三木貴弘】
3.妊娠・出産後に腰背部に疼痛が出現した症例【三木貴弘】
4.痛みへの執着が強く,不安感が強い症例【三木貴弘】
脊柱疾患のリハビリテーションの科学的基礎
1.頚 椎
2.胸椎・胸郭
3.腰 椎
4.筋機能・腹腔内圧
5.Fascia(ファッシャ,筋膜)第2章 頚椎疾患・胸椎疾患
6.頚椎脱臼骨折
7.バーナー症候群・一過性四肢麻痺・頚椎捻挫
8.頚椎椎間板ヘルニア
9.胸椎疾患第3章 腰椎疾患1
―腰椎分離・すべり症(成長期・成人)・椎間関節障害―
10.腰椎分離・すべり症(成長期
11.腰椎分離・すべり症(成人)
12.椎間関節障害
第4章 腰椎疾患2
―腰椎椎間板ヘルニア・腰椎椎間板障害・
終板障害・仙腸関節障害―
13.腰椎椎間板ヘルニア
14.腰椎椎間板障害・終板障害
15.仙腸関節障害
腰椎の機能障害と運動療法ガイドブック
書籍収録内容
《第1章》腰椎とは
《第2章》腰椎の解剖と特徴
《第3章》腰椎椎関関節性疼痛
《第4章》腰部脊柱官狭窄症
《第5章》コンパーメント症候群
《第6章》実技:運動療法の実際
《第7章》臨床例
・結び
・著者インタビュー
DVD収録内容
DISC.1
《第1章》腰椎とは
《第2章》腰椎の解剖と特徴
《第3章》腰椎椎関関節性疼痛
DISC.2
《第4章》腰部脊柱官狭窄症
《第5章》コンパーメント症候群
《第6章》実技:運動療法の実際
《第7章》臨床例
・実技デモンストレーション
・著者インタビュー
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