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新型コロナウイルスクラスター感染を起こした大阪市内の病院でPCR陽性反応が出た看護師に強制的な勤務命令
先日もお伝えいたしましたが,大阪市内の回復期リハビリテーション病院で職員を含む120人以上の集団感染が起こりました.
理学療法士・作業療法士が勤務する職場としても最も多い回復期リハビリテーション病院で起こったクラスター感染は,われわれ理学療法士・作業療法士にとっても非常に悲しいニュースでありました.
この大阪市の回復期リハビリテーション病院で起こったクラスター感染に関して,とんでもない事実が明らかとなりました.
今回は新型コロナウイルスクラスター感染を起こした大阪市内の病院でPCR陽性反応が出た看護師に強制的な勤務命令がなされていた件について考えてみたいと思います.
23日のニュースによると(抜粋)
職員ら120人以上が新型コロナウイルスに集団感染した大阪市の病院で,陽性反応の出た看護師に勤務を続けさせていたことがわかりました.
大阪市生野区の「なみはやリハビリテーション病院」では,22日までに医療従事者や患者ら,あわせて122人の感染が確認されています.
大阪市保健所によりますと,この病院は,女性看護師がPCR検査で陽性と判明した後も,20日から翌日朝まで勤務を続けさせていたことがわかりました.
女性看護師はその後,保健所からの指導で帰宅したということです.
女性看護師は感染者だけが入院する病棟に勤務していて,感染していない患者との接触はなかったとみられます.
病院側は保健所の調査に対し「代わりの人を手配しようとしたが,見つからないのでやむなく働かせた」と話しているということです.
感染した看護師の同僚の女性看護師がABCテレビの取材に答えました.
病院はPCR検査で陽性反応が出たスタッフを働かせていた?
はい,そうです.私,そのことがあり得ないと思って.
上司から『陽性の人と勤務して下さい』と,はっきり言われた.
スタッフの安全が保証されていない状態だと,満足な医療や看護の提供が難しいので,こういった事態に陥ったと考えられます.
満足な医療・看護が提供できないのは医療従事者としても,ものすごくつらいので,この看護師は陽性といわれながらも出勤したのかもしれません.
ただ陽性の患者対応を陽性の看護師が行うというのはいかがなものでしょうか?
24日のニュースによると(抜粋)
大阪市生野区の「なみはやリハビリテーション病院」(120床)で約130人に及ぶ新型コロナウイルスの院内感染が発覚した問題で,病院側が感染が確認された別の看護師にも,陽性反応後に勤務を指示していたことが24日,市関係者への取材で判明した.
この看護師は自宅療養中だったが,上司が病院に呼び出して21日に夜勤をさせていた.
市保健所は病院側の対応が悪質だとして23日付で行政指導した.
2日連続の指導は極めて異例.
理学療法士・作業療法士も他人事ではない
リハビリテーションは不要・不急というわけではありませんが,理学療法士・作業療法士がPCR検査で陽性であったとしても勤務を継続させられる可能性は低いと思います.
あったとしたらその職場は早くやめた方が良いでしょうね…
ただ看護師の場合には絶対的な数が足りないと入院患者の生命を守れないというのも事実です.
また状況が状況だけに他の医療機関に支援をお願いするのも難しい状況であったことが推測されます.
看護師の場合,今回のケースのように人数が足りないといった理由で出勤を命じられる例がもしかしたら他にもあるのかもしれません.
まさに医療崩壊です.
ただこれは大問題ですよね.
当たり前ですがPCR陽性の医療従事者は病院で勤務してはいけません.
仮に皆様の施設でPCR陽性の医療従事者との勤務を命じられた場合には,理学療法士・作業療法士も勤務を拒否して帰宅するべきです.
人手不足を理由に陽性だと判明している看護師を勤務させるなんて完全にブラックです.
感染者本人も体調が悪い中,思考力が停止していたのかもしれませんが,どうかしてます…
この病院はもちろんですが,全国的にもリハビリテーション病院をいくつか運営している医療法人だけに他県のリハビリテーション病院への影響も気になりますね.
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