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新型コロナウイルス感染拡大で日本整形外科学会が手術を減らすよう通達
整形外科術後のリハビリテーションに関わる理学療法士・作業療法士は多いと思いますが,2020年4月8日に日本整形外科学会から新型コロナウイルス感染拡大に関連してある通達が出されました.
今回は新型コロナウイルス感染拡大で日本整形外科学会から出されたこの通達に関して考えてみたいとおもいます.
日本整形外科学会から出された通達(抜粋)
新型コロナウイルス(COVID-19)に関連する情報は数多く、また日々刻々と変化しており、情報収集と整理に大きな労力を必要とします。
日整会では会員の先生方の新型コロナウイルス対策に速やかにお役立ていただけるよう、整形外科に関する新型コロナウイルス関連情報を提供する場を作りましたので是非ご参照ください。なお情報は逐次更新していく予定です。
<新型コロナウイルス感染症拡大に伴う整形外科手術のトリアージについて>
延期すべき手術
外来手術,生命を脅かすことがない.
手根管開放術、関節鏡手術など.
延期を検討する
生命を脅かすことはないが,将来的には病的状態や死亡率に影響する.
入院治療を要する.
人工関節置換術,待機できる脊椎手術など.
延期すべきでない
早期治療を要する.
脊髄・神経麻痺,外傷,開放骨折,悪性腫瘍など.
どういった手術が減少するか?
上記のトリアージをみると理学療法士・作業療法士が関わる手術でいえば,手根管症候群に対する開放術,半月板損傷や靱帯断裂などに対する関節鏡手術などが減少することが予測されます.
また全国的にも手術件数の多い人工股関節全置換術や人工膝関節全置換術の手術件数も減少することが予測されます.
既に予定していた手術をクライアント側からキャンセルされるというケースも増えてきているようです.
一方で骨折などの外傷や,脊髄・神経麻痺を合併したような症例は手術を延期するべきではないと明記されております.
予定手術が大半を占めるような整形外科病院にとっては大きな痛手となりそうですね.
感染者数の多い病院では,整形外科医が予定手術を減らしてコロナのトリアージ係に抜擢されるかもしれないといったツイートをされているくらいです.
医療機関のベッド数で考えると
感染拡大地域では既に感染症指定病床が満床となり,国立・県立病院の病床を圧迫している状況です.
また一般の総合病院も感染者を受け入れる病院が増えてきております.
今回出されたような手術延期に関する通達は整形外科のみならず,外科・眼科といった他の診療科にも出されているものですので,国としては不急の手術をできるだけ延期させて,感染者増大に備えるというのは現状を考えれば合理的だと考えられます.
手術延期による理学療法士・作業療法士への影響は?
これは非常に単純ですが手術が延期になるということは術後のリハビリテーション処方が減少しますので,われわれ理学療法士・作業療法士の仕事というのは減少してしまいます.
特に整形外科単科の病院においては外来リハビリテーションに通院するクライアントも減少しているだけに,手術件数が減少士入院まで減ってしまえば,経営面にも大きな影響が出そうですね.
連日,マスコミ報道で飲食店をはじめとする職業の経営破綻や倒産が報じられております.
医療関係は仕事は無くならないなんて考えておりましたが,この状況からすると医療機関でさえコロナショックの影響が出そうですね.
今回は新型コロナウイルス感染拡大で日本整形外科学会から出されたこの通達に関して考えてみました.
パーソナルジム・通所施設・外来クリニックだけでなく,理学療法士・作業療法士が勤務する多くの施設で影響が出そうな状況です.
こうなると理学療法士・作業療法士の給与はもとより,来年の求人にも大きな影響が出そうですね.
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