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理学療法士・作業療法士のための大学院選びのポイント
最近は大学院に進学する理学療法士・作業療法士も非常に多いですね.
キャリアアップのためとか,研究の方法論を学ぶためとか,大学院に進学する目的はさまざまだと思います.
ただ実際に大学院に進学して自分が学びたいことがきちんと学べたという方も少ないのが実際です.
今回は理学療法士・作業療法士のための大学院選びのポイントについて考えてみたいと思います.
何を目的に大学院に進学したいのか?
理学療法士・作業療法士が大学院に進学する場合にはまず何を目的に進学したいのかを明確にすることが重要です.
多いのは大学院に進学して,臨床で研究できる能力と方法論を学びたいという目的,もう1つは大学院へ進学して研究機関あるいは養成校の教職に就きたいという目的です.
目的によっても選択する大学院というのは大きく異なりますので,まずは目的を明確にすることが重要です.
研究の方法論を学ぶために大学院へ進学したい
確かに大学院への進学することによって研究のスキルは向上することが多いと思います.
しかしながら大学院によっては教授にこき使われるだけで研究の方法論を学ぶこと無くなんとなく卒業に至ってしまったというケースも少なくないようです.
まずはよく調べましょう
大学院の研究室というのは理学療法士・作業療法士関連で見ても山ほどあります.
その中からあなたが興味のある分野を研究している研究室を探し出す必要があるわけです.
ここで非常に重要なのは,原著論文を多く執筆している研究室を選択するといった点です.
一見,理学療法士・作業療法士の業界で名を馳せている大学教授であっても,ここ最近は研究室の中からほとんど研究論文を出していないといったケースも見られます.
実際に理学療法士・作業療法士の大学院でコンスタントにIFの高い雑誌へ論文が掲載されている大学院は,数少ないのも実際です.
研究室単位で最も多くの論文を出せている理学療法士・作業療法士関連の研究室といえば,私が思いつくところでは京都大学や畿央大学くらいではないでしょうか?
本当に研究の方法論を学びたいのであれば,現在も年間でアクセプトされている論文数が多い大学院を選択することをお勧めします.
論文数というのは結局は教授の指導力の賜物だと思いますし,それだけ多くの論文を出せている研究室というのは先輩の大学院生や准教授・講師クラスの理学療法士・作業療法士の指導力も高いことが多いです.
ちなみに論文には著者名や,所属が書かれています.
著者名のうち,ファーストオーサー (論文の一番はじめに名前のある著者) か,セカンドオーサー (二番目に名前のある著者) ,あるいはラストオーサー (論文の最後に名前のある著者) がその研究室の教授だと思います.
該当する名前と所属を調べてwebで検索するとよいでしょう.
大学や大学研究室のHPが引っかかるはずですので,そこからその人の実績を深く調べるとよいですね.
実際に教授に会いましょう
大学院を選択する場合には,まずは研究室の教授にメールを送り,アポイントメントをとった上で,面談をします.
大学院というのは試験を受ければ誰でも入れるわけではなく,研究室の教授の許可が必要です.
形式張っていて面倒かと思いますが,この面談がとても重要です.
面談の際は,話し方,考え方,見た目の怪しさなどを観察しましょう.
この面談はあなたが評価される場ではなく,あなたが教授を評価する場であることを忘れてはなりません.
もしも論文はたくさん執筆されているけども,人として尊敬できないと思ったら,迷わず違う研究室を選択して下さい.
まだまだパワハラ・アカハラが後を経たないたないのも大学研究室の本当のところですので…
合わせて研究室の状況を把握しておくことも重要です.
大学のHPや研究室のHPには,所属する院生の数や属性 (同大学進学者か他大学進学者かなど) を公表していることがあります.できれば大学院生が全くいない研究室はやめておいたほうがよいですね.
何らかの問題がある可能性が高いです.
大学院生が多いほど良いと考えて良いと思います.
例えば,研究費のことを考えても,審査に通った研究者のみが受け取ることができます.
従って,科研費をもらえていない研究者は,新規性のある研究計画をたてられない,あるいは過去の実績が乏しいともいえます.
研究費を用意できない研究室は当然,やりたい研究が思うようにできませんので,院生の数も多くないわけです.
今回は理学療法士・作業療法士のための大学院選びのポイントについて考えてみました.
大学院進学にあたっては,修士課程でも国公立大学で2年で最低100万円,私立大学であれば2年で200万円の費用が必要となります.
理学療法士・作業療法士の給与を考えれば決して安くない学費ですから公開の無いように大学院を選択することが重要ですね.
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