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新型コロナウイルスショックをみていると雇われ理学療法士・作業療法士がいかに楽かに気付かされる
新型コロナウイルス感染が拡大しており,理学療法士・作業療法士の勤務する職場でも大きな影響が出始めております.
特に理学療法士・作業療法士が経営するパーソナルジム,外来リハビリテーション,通所サービスでは利用者が減少し,経営がままならない状況となっている施設も増えてきております.
昨今は理学療法士・作業療法士による起業というのが非常に多くなってきましたが,今回の新型コロナウイルスショックを経験すると改めて雇われ理学療法士・作業療法士がいかに楽であるかに気付かされます.
今回は新型コロナウイルスショックを通じて感じる雇われ理学療法士・作業療法士がいかに楽かについて考えてみたいと思います.
雇われ理学療法士・作業療法士はお気楽
雇われ理学療法士・作業療法士はお気楽ですよね.
こんな状況でも賞与はもらえますし,ちょっとした体調不良ですぐに早退できますし(職場にもよりますが),定時で出勤・退勤できますし,休憩時間も決まっています.
最近は残業も少なくなってきておりますし,休みもそこそこあります.
最近は起業する理学療法士・作業療法士も増えてきておりますが,自分自身が経営者だとこんなお気楽な働き方はできません.
理学療法士・作業療法士が経営する施設の悲痛な声
新型コロナウイルスの感染拡大により,多くの高齢者の利用者が利用中止を希望するといった状況です.
3月は一時的な利用の中止といった方が多かったようですが,4月に入って完全にサービス利用を休止する利用者も増えてきているようです.
経営者としては利用者には安心してサービスを受けていただけるように,換気や消毒といった対策を講じるわけですが,現状では最大限の予防対策を行っても,感染への不安は払拭できず,利用者の減少を抑制することができません.
利用者本人が休みを希望する場合には,無理に利用をお願いすることもできませんので,自宅でできる運動指導や生活指導をするのが精一杯です.
そのため経営的にはかなり厳しく,先行きのみえない状況の中で資金にも相当切迫した状況となっているようです.
起業というのはそう甘くない
今回のコロナウイルス感染拡大による影響を受けて,理学療法士・作業療法士による起業というのは決して簡単ではないなと改めて思い知らされます.
起業するということは,今回のようなイレギュラーな事態によるリスクを背負う可能性があるわけです.
誰も責任を取ってくれません.
経営者であれば自分自身が職員に対して責任を負うことになります.
理学療法士・作業療法士が起業するということは,改めて強い覚悟が必要であると感じます.
考えてみてください.
自営の農家であれば台風被害を受ければ売るものがなくなり利益は減ってしまいます.
台風で作物に被害が出ても誰も保証してくれません.
このように理学療法士・作業療法士が個人事業主として働くというのは,理学療法士・作業療法士が病院で雇われて働くのとは環境が全く異なります.
誰も守ってくれません…
最近は若手理学療法士・作業療法士が起業することも多くなっていると思いますが,新型コロナウイルスショックを受けて起業が甘くないということを多くの理学療法士・作業療法士にもわかっていただきたいです.
諸先輩方が月の売り上げが300万だなんだとお金の話を出して,そこに低収入の新人理学療法士・作業療法士や中堅理学療法士・作業療法士が自分にもできるのではないかと勘違いして手を出しているケースが非常に多いですが,失敗している理学療法士・作業療法士が多いのも実際です.
考えてみるとSNS等で出てくるのは成功例ばかりで,失敗例は出てきませんよね.
論文におけるpublication biasと同じです.
今回は新型コロナウイルスショックを通じて感じる雇われ理学療法士・作業療法士がいかに楽かについて考えてみました.
雇われ理学療法士・作業療法士はやっぱり楽です.
今回の新型コロナウイルスショックを経験して,軽々しく独立・起業だと言っている若手理学療法士・作業療法士も減っていくでしょうね.
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