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膝関節疾患の理学療法に関連するお勧め書籍6選
年度も変わり次年度こそはしっかりと勉強しようと考えておられる理学療法士・作業療法士の方も多いと思います.
多関節運動連鎖の考え方から言えば,運動器疾患を関節毎に捉えることそのものに無理があるわけですが,初学者の方はまずは関節毎に疾患の特徴をおさえた上で理学療法アプローチを学ぶことが重要です.
今回は膝関節関節疾患に関連した書籍をご紹介させていただきます.
膝関節理学療法マネジメント
ご存知メジカルビュー社から出版されている理学療法マネジメントシリーズです.
編集を務められているのが石井慎一郎先生だけあって執筆されている先生も非常に豪華なメンバーとなっております.
この書籍は疾患ごとに膝関節疾患を捉えるのではなく病態・障害毎に評価とアプローチが分けて記載されておりますので,非常に読みやすいです.
また膝関節から股関節・足関節といった他関節へ及ぶ影響や他関節が膝関節に及ぼす影響も考慮されておりますので,多関節運動連鎖を考慮した理学療法を展開する上でも参考にできる内容が多いです.
少し初学者には難しい内容も含まれておりますが,この1冊をしっかりと理解することができればかなり深い知識が身につくはずです.
構成はこんな感じです.
1. 膝関節障害に対する理学療法の考え方 森口晃一
2. 膝関節の機能解剖とバイオメカニクス 阿南雅也Ⅱ章リスク管理と病期別マネジメント
1. 病態を知る 井原秀俊
2. 手術特性を知る 仲村俊介, 秋山武徳
3. 病期別マネジメント 森口晃一Ⅲ章機能障害別マネジメント
A 局所を中心とした評価と理学療法
−障害の主要因をどのように評価し,どのような理学療法を行うか−
1. 膝関節の疼痛 田中 創
2. 膝関節の可動性障害 德田一貫
3. 膝関節の不安定性 福田 航
4. 膝関節の筋機能不全 深井健司B 他部位からの影響の評価と理学療法
−影響発生源をどのように特定するか−
1. 足部・足関節機能からの影響の評価と理学療法 溝田丈士
2. 股関節機能からの影響の評価と理学療法 羽田清貴
3. 腰椎・骨盤帯機能からの影響の評価と理学療法 多々良大輔
4. 胸郭からの影響の評価と理学療法 城内若菜Ⅳ章機能障害別ケーススタディ
A 局所を中心とした評価と理学療法
1. 膝関節の疼痛 田中 創
2. 膝関節の可動性障害 德田一貫
3. 膝関節の不安定性 福田 航
4. 膝関節の筋機能不全 深井健司B 他部位からの影響の評価と理学療法
1. 足部・足関節機能からの影響の評価と理学療法 溝田丈士
2. 股関節機能からの影響の評価と理学療法 羽田清貴
3. 腰椎・骨盤帯機能からの影響の評価と理学療法 多々良大輔
4. 胸郭からの影響の評価と理学療法 城内若菜Ⅴ章患者教育(セルフマネジメント)
1. ホームエクササイズ指導のポイントと実際 森口晃一,花岡 樹
2. 多角的要因を踏まえて行動変容を促すポイントと実際 嵩下敏文
膝関節拘縮の評価と運動療法
ご存知,整形外科リハビリテーション学会の橋本先生が執筆された1冊です.
もちろん監修は林典雄先生です.
臨床で遭遇する膝関節の拘縮に関して評価・運動療法に関して解剖学・運動学をベースとした視点からとらえた1冊です.
理学療法士・作業療法士のベースとなるのはやはり解剖学・運動学ですから,読んでいてもなるほどなと腑に落ちる内容が多く,頷ける内容が多いのもこの書籍の特徴です.
第2章 膝関節の機能解剖
第3章 腫脹・浮腫管理の重要性
第4章 膝関節屈曲制限の評価と治療
第5章 膝関節伸展制限の評価と治療
第6章 症例提示
極める変形性膝関節症の理学療法
1 理学療法的視点からみた変形性膝関節症の病態
2 変形性膝関節症の軟骨代謝障害
3 変形性膝関節症の痛みの捉え方
4 変形性膝関節症における理学療法のエビデンスの現状
5 変形性膝関節症に対する手術療法PartII 変形性膝関節症に対する保存的理学療法
1 変形性膝関節症の運動学・運動力学的特徴
2 体幹から捉えた評価と治療戦略
4 足部から捉えた評価と治療戦略
5 歩行から捉えた評価と治療戦略
6 慢性疼痛疾患として捉えた評価と治療戦略Part III 変形性膝関節症に対する術後理学療法
1 TKA後における体幹から捉えた評価と治療戦略
2 TKA後における膝から捉えた評価と治療戦略
3 TKA後における歩行から捉えた評価と治療戦略
4 HTO後における評価と治療戦略
5 運動イメージ・運動観察を利用した治療戦略
6 術後の筋緊張・動作パターンから捉えた評価と治療戦略
機能解剖学的にみた膝関節疾患に対する理学療法
Step2 膝前面の組織と障害
Step3 膝内側面の組織と障害
Step4 膝外側面の組織と障害
Step5 膝窩部の組織と障害
人工膝関節全置換術の理学療法
I 総 説
II TKAとは
1 理学療法士のためのTKAの基礎
2 周術期・術後のペインマネジメント
3 創部の治癒過程
III 理学療法実践
1 評 価
1 X線画像─評価の基礎
2 X線画像─評価の活用
3 理学療法評価
4 能力評価スケール
5 バイオメカニクス・動作分析
6 EMG
2 治 療
1 TKA後の理学療法における治療段階
2 合併症・リスク管理
A 深部静脈血栓症・コンパートメント症候群
B 腓骨神経麻痺
C 感 染
D 腰痛・隣接関節障害
3 関節可動域
4 筋機能トレーニング
5 疼痛の捉え方とその対応
6 歩行動作
7 日常生活動作
8 スポーツ動作
9 徒手療法
10 物理療法
11 装具療法
12 患者満足度
13 外来での理学療法・ホームエクササイズ
14 IT技術の応用
3 症 例
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