理学療法科学論文がなぜ批判されるのか?

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理学療法科学論文がなぜ批判されるのか?

昨今は臨床で勤務する理学療法士・作業療法士の中にも臨床研究に取り組んで,それを論文として積極的に公表している理学療法士・作業療法士が増えております.

日本の理学療法士・作業療法士関連の雑誌でインパクトファクターがついているものは皆無ですが,雑誌によって質が高い,質が低いといった議論は以前から多くあります.

インパクトファクターについては以前にもご紹介させていただきました.

 

インパクトファクターって何?
最近は国際誌へ論文が掲載される理学療法士・作業療法士も増えてきております.最近はオープンジャーナルなんて雑誌も増えてきておりますので,国際誌もピンキリですが,国際誌といえば気になるのがインパクトファクターです.今回は理学療法士の視点でインパクトファクターについて考えてみたいと思います.

 

そんな中でも論文というか雑誌自体の質に関して批判がなされることが多いのが,理学療法科学会が発行する理学療法科学です.

今回は理学療法関連雑誌の中でも理学療法科学論文がなぜ批判されるのかについて考えてみたいと思います.

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最近増えているハゲタカジャーナル

話は変わってまずは海外の雑誌の質について考えてみたいと思います.

理学療法士・作業療法士の皆様もハゲタカジャーナル(predatory journals)って言葉を一度は耳にされたことがあると思います.

ハゲタカジャーナルというのは,Web出版の利便性を悪用して,掲載料によって不当に利益を得ようとする出版社が発行する雑誌のことを指します.

このような出版社では,編集顧問・査読委員会による査読が行われておらず,サイトの更新も遅く頻度も適切とは言えません.

ハゲタカジャーナルに論文が掲載された場合には,逆に業績としてネガティブな評価を受ける危険もあるほどです.

単なる金儲けの疑いのある出版社は“predatory publishers”と称され,predatory = 略奪するという意味からハゲタカジャーナルとして訳されているわけです.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理学療法科学はハゲタカジャーナル?

勘違いいただきたくないのは理学療法科学はハゲタカジャーナルだといっているわけではありません.

ただなぜ理学療法科学という雑誌が批判されて,理学療法学という雑誌が質が高いとされているのでしょうか?

まず1つは掲載料です.

理学療法科学の場合には掲載料が必要ですが,理学療法学は掲載料は無料です.

また年間に掲載される論文数にも大きな相違があります.

理学療法科学の場合には年間100本を超える原著論文が掲載されますが,理学療法学の場合には40本程度です.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理学療法科学の掲載料は?

気になる理学療法科学の掲載料ですが,4頁まで一律40,000円となっております(ちなみに10年くらい前までは25,000円でしたのでかなり増額されていることが分かります).

ここから5頁以降は1頁ごとに20,000円必要となります.

つまり7頁の論文を作成すれば40,000+20,000円×3で100,000円となります.

理学療法士の安月給からすればかなり高額です.

これを安いと考えるか高いと考えるかですが,要は論文の価値です.

例えば海外でインパクトファクターの話題で常に名前を挙げている雑誌Plos Oneといった雑誌があります.

この雑誌の掲載料は$1,350,1ドル120円計算で162,000円です.

かなり高いですが,研究者としてはこの雑誌にはこのくらい支払うだけの価値があると考えるわけです.

ちなみにインパクトファクターが高いことで有名なNature系ジャーナルの場合には,基本的に投稿料はかかりません.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

読者が負担するか?著者が負担するか?

では理学療法科学はなぜ掲載料が必要なのでしょうか?

これはいわゆるオープンジャーナルだからです.

われわれは理学療法科学をJ-stageから無償で閲覧できますよね?

これって投稿者から掲載料を取って掲載費用にあてているわけですね.

逆に医学書院の理学療法ジャーナルなんかは読者からお金を取っているわけです.

ちなみに理学療法学なんかは協会費から論文掲載に関わる費用が捻出されているわけですね.

最近は,オープンジャーナルでの論文掲載料は,掲載費用の負担を読者から著者(またはその資金提供者)にシフトさせている傾向にあります

こういったオープンジャーナルは,出版社は論文を掲載すると利益が得られますので,原稿の質が悪くても,投稿された原稿を掲載する捕食出版が増加してしまうことが懸念されます.

また所得の低い国の著者への割引,または費用をカバーする外部資金の提供などがない限り,論文掲載料は,開発途上国の研究者や研究資金の少ない研究分野を排除してしまうことになります.

理学療法科学も査読が1回しかないのが実際ですし,やはり捕食出版多くなってしまうのも実際だと思います.

勘違いいただきたくないのですが,理学療法科学の中にも優れた論文はたくさんあります.

ただ理学療法科学が批判されるのは,やはり高額の掲載料と査読回数の少なさによるところだと考えます.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理学療法科学への投稿が悪いわけではない

ただ理学療法科学にも良いところはあります.

理学療法学に比べれば敷居は低いですし,論文を投稿してアクセプトされるまでの流れを経験できれば,研究を身近に感じることができます

初学者にはもってこいです.

またインターネット(J-stage)の検索に引っ掛かりやすいので,日本人の目に留まりやすいといった利点もあります.

自分の研究をより多くの理学療法士・作業療法士に知ってほしいですもんね.

 

今回は理学療法関連雑誌の中でも理学療法科学論文がなぜ批判されるのかについて考えてみました.

先日,私のところにも某海外出版社からEditor boardを務めないかといった旨のメールがありました.

出版社を調べてみましたが,怪しいので辞退いたしましたが…

私自身は理学療法科学を批判する立場にはありません.

ここまで雑誌や論文が多い昨今ですから,雑誌そのものというよりは,最終的には個々の論文の質を見極める論文を読む側の力が求められる時代ですね.

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