配偶者の死が大腿骨近位部骨折のリスクを増加させるって本当?

大腿骨近位部骨折
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 配偶者の死が大腿骨近位部骨折のリスクを増加させるって本当? 

本邦における大腿骨近位部骨折数は加速度的に増加しており,社会経済的にも大きな問題となっております.

大腿骨近位部骨折のリスクファクターについてもさまざまな要因が報告されておりますが,今回は配偶者が亡くなると大腿骨近位部骨折が増えるといったとんでもないデータが公表されました.

今回は配偶者の死が大腿骨近位部骨折のリスクを増加させるか否かを明らかにした研究論文をご紹介させていただきます.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回ご紹介する論文 

Increased risk for hip fracture after death of a spouse—further support for bereavement frailty?

H. Vala, M. Lorentzon, V. Sundh, H. Johansson, C. Lewerin, S. Sten, M. Karlsson, C. Ohlsson, B. Johansson, J. A. Kanis& D. Mellström

Osteoporosis International (2019)Cite this article

今回ご紹介いたします論文は2019年に公表された非常に新しい論文です.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 研究の背景・目的 

Spousal bereavement can lead to poorer physical and mental health. We aimed to determine whether married women and men had an elevated risk of hip fracture after death of a spouse.

配偶者の存在が身体的または精神的な健康に与える影響というのがこれまで多くの研究で明らかにされてきました.

この研究では配偶者の死が大腿骨近位部骨折のリスクに与える影響を明らかにすることを目的としております.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 研究の方法 

In a retrospective cohort study, we followed all Swedish married individuals aged 60 to 100 years (n = 1,783,035), from 1987 to 2002. Data are presented as mean with 95% confidence interval (CI).

研究デザインは後ろ向きコホート研究となっております.

スウェーデンの結婚した高齢者で60~100歳の方を対象としております.

調査期間は1987年~2002年となっており,対象例が1,783,035例ですから非常に長期的な調査です.

データは平均値と95%信頼区間によって示されております.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 研究の結果 

During the follow-up period, 21,305 hip fractures among widows and 6538 hip fractures among widowers were noted. The hazard ratio (HR) for hip fracture in widows compared with married women was 1.34 (95% CI 1.31 to 1.37) and for widowers compared with married men 1.32 (95% CI 1.29 to 1.35). The HR for hip fracture in the first 6 months after death of a spouse was in widows compared with married women 1.62 (95% CI 1.53 to 1.71) and in widowers compared with married men 1.84 (95% CI 1.68 to 2.03). The elevated risk was especially prominent in young widowers in the age range 60–69 years. During the first 6 months they showed a HR of 2.76 (95% CI 1.66 to 4.58) for a hip fractvure compared with age matched married men. Widows aged 60–69 years showed a HR of 1.59 (95% CI 1.26 to 1.99) compared with age matched married women.

研究のフォローアップ期間中に,配偶者のいない女性のうち21,305例が大腿骨近位部骨折を受傷し,配偶者のいない男性のうち6538例が大腿骨近位部骨折を受傷しておりました.

配偶者のいない女性は配偶者のいる女性に比較して大腿骨近位部骨折を受傷のハザード比が1.34倍高く,配偶者のいない男性は配偶者がいる男性に比較して1.32倍,大腿骨近位部骨折受傷のハザード費が高いといった結果でありました.

また配偶者の死から6カ月以内の大腿骨近位部骨折受傷するハザード比が,配偶者のいない女性で配偶者のいる女性に比較して1.62倍高く,配偶者のいない男性は配偶者がいる男性に比較して1.84倍高いといった結果でありました.

特に若い男性(60-69歳)ほど配偶者が亡くなった後の大腿骨近位部骨折リスクが高い結果でありました.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 研究の結論 

Our observation of a higher hip fracture risk in both genders in connection with the death of a spouse indicates a possible effect of bereavement on frailty.

この研究の結果から男性・女性ともに配偶者が亡くなった後に大腿骨近位部骨折のリスクが高くなることが明らかとなりました.

 

今回は配偶者の死が大腿骨近位部骨折のリスクを増加させるか否かを明らかにした研究論文をご紹介させていただきました.

どういった機序で配偶者の死が大腿骨近位部骨折に結びつくのかは明らかにされておりませんが,配偶者の死によって抑うつや認知症といった精神的フレイルが進行することは容易に予想できます.

われわれ理学療法士・作業療法士も配偶者の有無を考慮した上で,さまざまなサポートを行っていく必要があるということではないでしょうか.

 

 

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