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理学療法士・作業療法士の大学教授・准教授・講師・助教の給与はどのくらい?
理学療法士・作業療法士養成も4年制大学による教育が主流となりつつあり,大学教員として勤務する理学療法士・作業療法士も増えてきております.
ここで皆さん気になるのは大学の教員はどのくらいの給与をもらっているのだろうかといった点です.
今回は大学教授・准教授・講師・助教がどのくらいの給与を手にしているのかをご紹介させていただきます.
大学教員の給与
大学教員の給与がどこから出ているのかと考えてみると,話は単純で学生の授業料です.
そのため生徒数が少なければ,大学の収益は少なくなりますし,この大学の収益が大学教員の給与にも関わってきます.
したがって大学教員の給与は大学ごとに大きく異なりますし,国立大学と私立大学でも異なるものとなります.
また40代・50代・60代といった年齢によっても異なります.
一般的には,国公立大学と私立大学では,私立大学の方が給与が高い傾向にあり,とくに有名私立大学では給与は高い傾向にあります.
以前は国公立大学の年収は一律でしたが,現在は学校ごとに異なる給与体系となっており,同じ国公立大学でも大学ごとに給与が異なります.
私立大学は給与が高い傾向にはありますが,国公立大学の大学教員は「みなし公務員」という公務員に近い,安定した身分であるといった点も忘れてはなりません.
しかしながら理学療法や作業療法の分野で,国立大学にしても私立大学にしても教授になれる人はごくわずかです.
講師や准教授を長年続けていても,すべての人が教授になれるとは限らないわけです.
講師や准教授で定年を迎える場合もあります.
大学教員の階級一覧
皆さんは,教授とか准教授といった大学教員の階級をご存じでしょうか?
大学教員の階級は以下の通りです.
- 助手 授業は持たなくて実験の手伝いや整理整頓をする
- 助教 授業は持てるが,自分の研究室はない
- 講師 准教授とほとんど同じで,大学によっては自分の研究室が持てる
- 准教授 自分の専門分野の研究・授業
- 教授 自分の専門分野の研究・授業、大学の運営
こんな感じですね.
もちろん階級ごとに給与が異なります.
准教授って?助教授って?
もしかしたら准教授というのはあまり耳慣れない言葉かも知れません.
准教授というのは,教授の下に当たる階級です.
准教授という言葉には,準ずるという意味をもつ「准」という漢字が使用されています.
言葉どおり,准教授は「教授に準ずる教員」ということになります.
実は准教授というのはかつては「助教授」と呼ばれておりました.
助教授というのは,2007年以前の学校教育法において定められていた職位のことです.
2007年4月1日に学校教育法が施行されてからは「助教授」という職位は廃止され,新たに「准教授」という職位が定められたのです.
2007年以前に定められていた「助教授」の職務は,教授を助けることでした.
しかしながら,実際には教授の補佐より自分の研究をメインにしていた助教授も多く,助教授に定められている本来の職務と実態がかけ離れていました.
本来の職務と実態を統一させるため,教授の補佐がメインの職務である「助教授」を廃止し,学生の教育や研究をメインの職務とする「准教授」を新規に定めたといった経緯があります.
大学教員の年収は?
教授
平成30年の大学教授の平均年収は1081万円です.
平均の月収は66万円でこれにボーナス年間288万円などがついてこの年収になります.
おそらく金額だけを聞けば、大学教授は高収入だと思われるでしょう.
ただ年収は大学によっても大きく異なります.
大学教授の平均年齢は50代ですが,たとえば50代の教授の場合,ある国公立大学では900万円台,ある私立大学では1,400万円台といったようにその差が大きいのも実際です.
また私立大学は年収が高い傾向にありますが,研究費を十分にもらえていない研究室も多く,教授が研究費を負担することなども多くあります.
そう考えると大学教授の年収は決して高いとは言えなくなります.
また理学療法士・作業療法士でも教授クラスになりますと多くの書籍を出版している人も多いですので、その印税なども収入として入ってきます.
准教授
平均年齢は40代後半です.
平均年収は850万ほどになります.
講師
平均年齢は40代前半です.
平均年収は700万ほどになります.
助教
平均年齢は30代後半です.
平均年収は550万ほどになります.
助手
平均年齢は30代前半です.
平均年収は550万ほどになります.
助手と助教とはあまり変わらないようです.
今回は大学教授・准教授・講師・助教がどのくらいの給与を手にしているのかをご紹介させていただきました.
ここにお示ししたのはあくまで一般的な年収ですので,大学や年齢によっても異なります.
ただ臨床で勤務する理学療法士・作業療法士に比較すれば高収入であることはご理解いただけたかと思います.
一方で雇用形態が野球選手のように数年契約といった場合も少なくありませんので,安定した職業といえるかどうかは微妙です.
さらに常に新しい研究業績を求められますし,研究費を獲得する責任を負うことにもなります.
臨床で勤務する理学療法士がお気楽だとは思いませんが,誰しもができる仕事ではないのは間違いありません.
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