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なぜ理学療法士・作業療法士が英論文を読む必要があるのか?
私のブログでも運動器疾患に関連した英論文をご紹介させていただいております.
ブログへのコメントの中で,どのように英論文を読んでいるのかとか,どうして英論文を読む必要があるのかといったお問い合わせを数件いただきました.
英論文って確かに慣れないと敬遠してしまいがちですが,理学療法士がより多くの有益な情報を得る上では英論文を読むことは避けては通れません.
今回はなぜ理学療法士が英論文を読む必要があるのかについて考えてみたいと思います.
英論文が優れているのか?
よくある誤解ですが,日本語の論文よりも英語の論文の方が研究の質が高いと考える理学療法士がいます.
これは大きな誤りです.
英語の論文も日本語の論文も玉石混交です.
優れた質の高い論文もあれば,読む価値の無いような論文も存在します.
ただ日本語圏の論文の数というのは医学中央雑誌で見ても限られておりますので,より有益な情報を多く得るためには英論文に当たることが重要となります.
例えば「人工膝関節全置換術」といったキーワードで医学中央雑誌で検索した場合と,Pubmedで「Tolta knee arthroplasty」と検索した場合では,当然ながら後者の方がより多くの論文がヒットします.
ただ先ほども申し上げましたように論文の内容というのは玉石混交ですので,論文の質を見極める読み手側の理学療法士の選球眼が必要となります.
英語を読むのが苦手という理学療法士へ
結局のところは慣れです.
実は研究論文(原著論文)というのはIntroduction→Methods→Results→Discussion→Conclusionといった論文の流れが決まっておりますので,おおよそどこにどんなことが書いてあるかは想像がつきます.
したがって英語で書かれている総説や書籍を読むよりは読みやすいといった特徴があります.
私自身も若い頃は英語辞書を片手に英論文を読んでおりましたが,ここ最近は英語辞書を使う機会というのはほとんどなくなってきております.
実は同じ分野の論文を繰り返し読んでいると,出てくる英単語であったり,言い回しは共通した部分が多いわけです.
したがって英論文を読めば読むほど,次の論文が読みやすくなるといったところがあります.
また意外に専門分野の英単語よりも,研究関連の用語(例えばProspective:前向き)や統計関連の用語でつまづく型が多いのも実際です.
しかしながらこういった研究関連の用語や統計関連の用語というのは繰り返し登場してきますので,そのたびにメモを取っておけば,自然にそういった用語が頭の中で整理されていきます.
とはいってもまずは日本語の中で研究・統計関連の用語がどういった意味を持つものかを理解しておく必要はありますが…
また最近は翻訳サイトの機能も向上しているようなのでまずはそういったものに突っ込んでみて,なんとなく意味が分かればそれでも良いわけです.
今回はなぜ理学療法士が英論文を読む必要があるのかについて考えてみました.
英語を学習する上では,reading・writing・listening・speakingといった4つのカテゴリーに分けて考える必要があります.
この中でもreadingは自己でも学習が行いやすい領域だと思います.
若いうちに英論文を読む癖をつけておくと,将来より多くの情報にあたる上で非常に有益だと思います.
理学療法士としても大きな成長につながるスキルだと思いますので,若い理学療法士の皆様も英論文にチャレンジしてみてください.
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