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ダメ理学療法士・作業療法士指導者がモンスタースチューデントを作る
今回は臨床実習指導についてです.
私も年間で言うと5名を超える臨床実習生の教育を行っておりますが,指定規則の改定により理学療法士・作業療法士の臨床実習は現在過渡期にあります.
今年度から各都道府県でも臨床実習指導者を養成するための講習会が開催されております.
臨床実習指導に関してさまざまな場で話を聞いておりますと,最近はこんな理学療法士・作業療法士の学生がいてとても困ったなんて話を聞きます.
今回は理学療法士・作業療法士養成におけるモンスタースチューデントについて考えてみたいと思います.
理学療法士・作業療法士養成におけるモンスタースチューデント
皆さんも理学療法士・作業療法士の臨床実習に関してこんな話を耳にしたことはありませんか?
臨床実習生が,連絡のないまま休んだとか,全然課題をやってこない(時間外学習が制限されれば今後これは少なくなると思います)とか,母親が病院になぐりこんできたとかこういった話です.
確かにこういったモンスタースチューデントと呼ばれる学生が世の中には存在するのかもしれません.
ただ私自身は既に100名近くの臨床実習生をみてきておりますが,こういった臨床実習生に全く当たったことがありません.
運が良かったのかもしれません.
理学療法士・作業療法士は学生の環境因子
確かに臨床実習生の資質に問題があって,実習中にモンスタースチューデント化する学生もいるのかもしれません.
しかしながら考えなくてはならないのは,実習環境やわれわれ理学療法士・作業療法士が実習生をモンスタースチューデント化させている可能性があるといった点です.
われわれ理学療法士・作業療法士も臨床実習生にとってのICFでいうところの環境因子になっている可能性があるということです.
臨床実習生をモンスタースチューデント化させたのは,理学療法士・作業療法の指導方法が間違っていたからという可能性も十分に考えられます.
そういったことも考えずに,「最近こういった学生がいてね,もうまいったよ」なんて話している理学療法士・作業療法士をみると,恥ずかしくないのかななんて思ってしまいます.
こういった理学療法士・作業療法士に限って,臨床実習生がモンスタースチューデント化したのは学生自身の問題であって,指導者である自分には何の落ち度もないといったような考え方をされているわけです.
こういった方に限って自分では気づかないうちに,ハラスメントを犯してしまっていたりするわけです.
特に臨床実習というのは学生にとっては本当にストレスフルな環境です.
普段と異なる環境が学生の問題行動を引き起こさせるのだということを十分に認識しておく必要があるでしょう.
今回は理学療法士・作業療法士養成におけるモンスタースチューデントについて考えてみました.
皆様も指導者である理学療法士・作業療法士もまた臨床実習生にとっての環境因子であることを考慮して,臨床実習指導を行っていきたいですね.
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