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働き方改革で理学療法士・作業療法士の残業代がゼロに
働き方改革法案が施行され理学療法士・作業療法士の働き方にも少しずつ変化が出ております.
ただ一方で月に50時間以上の残業が当たり前であったといった方にとっては,収入の面で大きな影響が出てきているようです.
今回は理学療法士・作業療法士の残業と給与について考えてみたいと思います.
働き方改革と病院の思惑
働き方改革の一番の目的は言うまでもなく長時間労働の制限です.
ニュースでも取り上げられましたが,残業が100時間を超え精神疾患を患ったり自殺したりと健康上にも問題が出ている労働者が増えてきておりますので,国として残業を制限したわけです.
もともと法律には36協定というものが存在していました.
ただこの36協定というのは残業を制限できる法律ではなかったのです.
病院側から考えてみると,働き方改革で残業時間や労働時間が減るということは,生産量が減るということになります.
いままで残業や休日出勤で収益を上げてきた病院は,収益が減ってしまうということになります.
理学療法士・作業療法士で考えれば単純に取得単位数が減少して,減収になるという話です.
ただブラック病院の場合は,こうはいきません.
結局のところ,残業代を出さずにサービス残業を課して,病院としての収益を減らすことなく,残業代を減らすといった経営をします.
見かけ上は残業ゼロでも,タイムカードを切らせて仕事をさせるブラック病院も存在します.
見た目は残業代が減っているので,働き方改革が成功したように見えますが,労働者である理学療法士・作業療法士には過重労働が課せられることになります.
残業代で生活している理学療法士・作業療法士
一般企業でもよく聞く話ですが,残業がゼロになれば嬉しい一方で,残業代もゼロになってしまいますので,生活に困窮してきている人が出てきております.
大手自動車会社でも残業代がゼロになったことでマイホームを手放したり,転職したりといった現象まで起こってきております.
例えば毎日1時間の残業をしていたとすると,月に20時間の残業をしていたことになります.
経験年数や役職手当によっても残業代は大きく変化しますが,一般的に基本給が20万円であれば,残業代は1,500円程度です.
残業を20時間やれば3万円程度の残業代が支給されることになります.
この毎月の3万円の残業代が支給されなくなるわけですから,年収で言うと30万円の減収ということになります.
理学療法士・作業療法士も例外ではありません.
働き方改革の施行に伴って残業が著しく減少し,収入が減ったといった理学療法士・作業療法士の声を多く聞くようになりました.
PT・OTは残業代に頼って生活していてよいのか?
確かに年収が30万円も減ってしまえば,これは家計を考える上では大きな変化です.
ただ残業代に頼って生活していることが,そもそもの誤りです.
月に何十時間も残業するといった生活はどの道長続きしないと思います.
生活するために残業が必要といった理屈はわからなくはありませんが,残業無しの収入に満足できないのであれば,そもそも転職を考えた方が良くないでしょうか?
残業代で生活しているPT・OTは将来どうすればよいのか?
今のところ残業代が支払われている職場でも将来的には残業代が削られていくと考えた方が良いでしょう.
そもそも少ない理学療法士・作業療法士の年収がこれ以上下がったらどうすればよいのでしょうか?
何か対策を考える必要があります.
その対策はというと「副業」と「転職」しかありません.
実際には平均年収400万円の理学療法士・作業療法士の業界の中で年収が500万円を超えるところもまだまだ存在します.
もちろん残業代が減っても収入が減っても今の職場で働き続ける魅力があればその職場で働き続けることを選択するのも1つだと思います.
残業代が出ないにもかかわらずサービス残業を課せられるような職場で勤務されている方は自分の身の振り方を改めて考えた方が良いでしょう.
もし生活のために収入を増やしたいのであれば,副業や転職も含めて考えていく必要があるでしょう.
11月というのは理学療法士・作業療法士の求人情報が最も多く出される時期ですので動くなら今だと思います.
今回は理学療法士・作業療法士の残業と給与について考えてみました.
少なくともブラック病院に勤務されている方は自分の身の振り方を改めて考えた方が良いでしょう.
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