今後,理学療法士養成に関して規制は行われるのか?

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 理学療法士養成校数および国家試験受験者数と合格者の推移 

理学療法士の数が著しい勢いで増加しております.

2018年に行われた第58回理学療法士国家試験の合格者数を含めると,既にわが国には161,476名の理学療法士国家試験合格者が存在することになります.

他の職種を見てもここまでの急激な有資格者の増加は例が無いほどです.

今回は理学療法士養成校数および国家試験受験者数と合格者の推移について考えてみたいと思います.

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 理学療法士養成の歴史 

理学療法士の養成は1963年4月に国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院において入学定員20名ではじまりました.

1964年には大阪府立盲学校が入学定員10名で,筑波入学附属盲学校も入学定員10名で開学しております.

その後の理学療法士養成校の設立は1966年4月に労働福祉事業団九州リハビリテーション大学校(定員20名)と徳島県立盲学校(定員15名)と続きます.

ここまでは国公立の養成校のみでしたが,1968年4月には初の私学4年制専門学校として高知リハビリテーション学院(定員20名)が開学されました.

1979年4月にはわが国初の短期入学での養成開始が金沢大学医療技術短期大学部(定員20名)で開始されましたが,その後の四年制大学開設などもあり短期大学養成校数は1993~1994年がピークとなりました.

1986年の理学療法と作業療法の教育に資する諮問委典会の会議資料では 1990年頃代半ばには国が必要とされる理学療法士は一数が充足されるという資料が提示され,その後3年間は学校の新設が許可されなかった時代があったようです.

1980年代後半には既に理学療法士数は重要に達すると推計されており,養成定員の増員が規制されていた時代があったわけです.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゴールドプラン発表後の養成校の急増 

1989年に高齢者保健福祉推進10箇条(通称ゴールドプラン)発表と規制緩和が相まって,養成校数が増え,1992年4月には初の四年制大学として広島大学医学部保健学科理学療法学専攻(定員30名)が開設しました.

1999年には,指定規則改定と規制緩和政策により養成校数が急期し, 2009年には専門学校での養成数がピークを迎えました.

2018年11月の段階で,現在大学106校,短大6校,専門学校149校の261養成校で,入学定員数は14,051名を数える状況です.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 理学療法士国家試験の変遷 

理学療法士国家試験1966年2月に第一次試験として筆記試験,その合格者を対象に3月25日に第二次試験として実技試験が課されておりました.

最近の若い理学療法士は知らない方が多いのですが,昔は国家試験の中に実技試験が課されていたわけです.

この実技試験は 1979年の第14回まで続き15回以降は筆記試験のみとなりました.

第1回国家試験の結果は1,217名が一次筆記試験に臨み,その合格者596名を対象に二次試験として実技試験が執り行われ,養成校卒業者14名を含む183名の理学療法士が誕生しました.

気になる合格率ですが1981年の第16回 (1981年)までの合格率は60~70%台となっております.

1982年以降は合格率が80%後半から90%台と高い数値となっております.

おおよそこの合格率が80%後半から90%台で合格率は落ち着いていたわけですが,皆様も記憶に新しいと思われるのが第46回(2011年)と第51回 (2016年)理学療法士国家試験において合格率が75%を下回りました.

他の職種を見てみると,過去10年の国家試験合格率の変動は医師・看護師ともに合格率は90%程度で安定しており,その変動幅は医師2.8ポイント,看護師2.5ポイントであるのに対して,理学療法士は合格率が74.3~92.6%であり18.3ポイントと大きな変動となっております.

基本的には規制等は行われておりませんので,こういった数値を見ると昨今の合格率の低下は理学療法士国家試験受験者の学力が低下していると考えざるを得ません.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今後,理学療法士養成に関して規制は行われるのか? 

皆様も気になるっていると思いますが,これだけ理学療法士が急増している状況に歯止めをかけることができないのかといった点です.

結論から言えば,直接的に法的な規制をかけることは難しい状況です.

それを考えると以前にもご紹介させていただいた厚生労働省が行った理学療法士・作業療法士の需要推計は規制に対する第一歩と言えるでしょう.

理学療法士・作業療法士の需要推計 理学療法士・作業療法士が不要になる?
この推計をどこまで信じるかは置いておいて,ここまでの推計というのは素人では難しいだろうといったことはと理解いただけると思います. また一番重要なのは理学療法士・作業療法士の供給数の伸びはその需要を上回るほど過剰であるといった点です. われわれの生活を守る上でも早めに養成校の入学者数を制限するなどの対策を講じないと,今の20代の理学療法士・作業療法士の将来が心配でなりません.

 

 

また指定規則の改定により,養成課程において必要となる単位数が増えることも,理学療法士養成数の増加に歯止めをかける抑止力となると思います.

現実的に単位数が増えると3年制専門学校はカリキュラムの構成が非常にタイトなものとなります.

養成校によっては土曜日に授業を行わざるを得ない状況です.

少しずつですが3年制専門学校において定員割れしている養成校も出てきているのが現状です.

 

今回は理学療法士養成校数および国家試験受験者数と合格者の推移について考えてみました.

われわれの将来に関わることですので今後も養成校数の増加については注目しておく必要がありそうですね.

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