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なぜ理学療法士・作業療法士に副収入が必要なのか?
今年度より働き方改革法案が施行され,副収入を得ながら生活をされている理学療法士・作業療法士が増えてきております.
なぜ理学療法士・作業療法士に副収入が必要なのかといった点ですが,一番は年収が少ないことが挙げられます.
また副収入を得る方法にもよりますが,理学療法士・作業療法士が副収入を得るために行う活動が,専門職としての生涯学習にもつながります.
今回は,なぜ理学療法士・作業療法士に副収入が必要なのかについて考えてみたいと思います.
理学療法士・作業療法士の年収は低い
以前にもこのブログの中でご紹介させていただきましたが,理学療法士・作業療法士の平均年収は400万円程度です.
医療職のみならず同世代の一般的なサラリーマンと比較しても決して年収が高いとは言えない職業です.
また問題なのは,理学療法士・作業療法士は昇給が少ないのです.
昇給が0円の職場もありますし,昇給してもたった2000円とかいった職場も少なくありません.
なぜ理学療法士・作業療法士の年収が上がらないのかについてはいろいろと原因は考えられますが,一番は医療保険や介護保険の範囲で仕事をしている以上は,報酬が頭打ちだからです.
国は医療・介護に必要な費用を年々削っておりますので,そういったところから考えると,理学療法士・作業療法士の年収が上がらないのも当然と言えば当然と言えます.
理学療法士・作業療法士はやりがい搾取にあいやすい
皆さんも理学療法士・作業療法士に限らず,医療職は生涯学習が必要だと教育を受けたと思います.
これは基本的にはその通りだと思います.
しかしながら理学療法士・作業療法士の場合には,ボランティアで無償労働をする機会も少なくありません.
例えば都道府県士会の活動や,日本理学療法士協会・日本作業療法士協会の仕事というのは大半がボランティアで行っていることが多いと思います.
また先輩から言われるとなかなか断ることが難しいのがこの都道府県士会・協会のボランティアです.
また日本理学療法士協会・日本作業療法士協会がキャリアアップ制度をどんどん作っています.
認定理学療法士・専門理学療法士制度は元より,今後の登録理学療法士制度の動きにも注目しておく必要があります.
これらの制度は,研修への参加や,症例レポートの提出など,それなりの努力量を求められることになります.
一方で認定・専門理学療法士資格を取得したとしても今のところはっきりとしたインセンティブが無いのも実際です.
つまり報酬は無いが仕事が増える構図が出来ており,こういった制度そのものによって,理学療法士・作業療法士はやりがい搾取にあいやすいといえるでしょう.
理学療法士・作業療法士は独立しづらい
ご存知の方も多いと思いますが理学療法士に開業権は無く,介護保険分野で起業する方法が一般的です.
しかしながら介護保険分野(デイサービスや訪問看護等)は事業所数もすごい勢いで増加しており,事業が成り立たなくなってきているところも少なくありません.
国から介護保険事業として認可を受け,保険適用しながら経営するモデルは締め付けも厳しく,簡単に経営を安定させることはできません.
そして上手く軌道に乗ったとしても,3年に一度の保険制度の改定で再びピンチに立たされることも珍しくありません.
もちろん保険外サービスとして,自費で起業し自由診療の枠の中で仕事をされている方もいらっしゃいますが,そんなに簡単ではありません.
理学療法士・作業療法士は名称独占で業務独占ではない
国家資格とは,国の法律に基づいて各種分野における個人の能力・知識が判定され,特定の職業に従事すると証明されるものとされます.
国家資格は法律で設けられている規制の種類によって,業務独占資格と名称独占資格に分類できます.
業務独占資格とは有資格者以外が携わることを禁じられている業務を独占的に行うことができる資格で,医師・看護師・薬剤師・弁護士・公認会計士などがそれにあたります.
一方で名称独占資格とは,有資格者以外はその名称を用いて業務を行うことが認められていない資格で,保育士・社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士などがそれにあたります.
理学療法士・作業療法士は名称独占資格にあたりますので,無資格者は「理学療法士・作業療法士」とは名乗ることはできませんが,「リハビリ」という業務はできるわけです.
悲しいですが,デイサービスでもリハビリ特化型という看板をよく見かけますが,そこに理学療法士がいなくてもリハビリ特化型をうたっているところも少なくありません.
今回は,なぜ理学療法士・作業療法士に副収入が必要なのかについて考えてみました.
特に20-30代の理学療法士・作業療法士は,いかに副収入を得るのかを考えながらアクションを起こす必要がありそうですね.
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