理学療法士・作業療法士が関節拘縮と疼痛との関係を理解するにはトランスレーション理論の理解が必須

変形性股関節症
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理学療法士・作業療法士が関節拘縮と疼痛との関係を理解するにはトランスレーション理論の理解が必須

理学療法士・作業療法士が対象とするクライアントは関節拘縮・疼痛といった機能障害を合併していることが多いと思います.

疼痛が関節拘縮の原因になるのは周知の事実ですが,逆の関係も成り立ちます.

つまり関節拘縮が疼痛を引き起こす原因になるということです.

でも関節拘縮がなぜ疼痛を引き起こすかってうまく説明できますか?

実は関節拘縮と疼痛との関係を理解するにはトランスレーション理論の理解が必須となります.

今回は関節拘縮と疼痛との関係性について,このトランスレーション理論,Oblique translation理論を使って考えてみたいと思います.

 

 

 

 

 

 

拘縮と疼痛の関係を理解するにはトランスレーション理論が必須

なぜ関節拘縮により疼痛が引き起こされるのでしょうか?

一番の理由は,関節拘縮が関節周囲組織の張力の不均衡を生じさせ,正常な軌道から逸脱した関節運動を引き起こすためです.

こういった考え方は,トランスレーション理論,Oblique translation理論とよばれます.

この理論を理解しておくと,関節拘縮や疼痛を有することの多い運動器疾患のクライアントを対象に理学療法・作業療法を行う上で非常に役立ちます.

 

 

 

 

 

トランスレーション理論,Oblique translation理論とは?

トランスレーション理論,Oblique translation理論について肩関節を例に簡単にご説明いたします.

例えば肩関節関節包の後方に拘縮が生じると,関節周囲組織の張力に不均衡が生じ,関節の求心性が乱れ,上腕骨頭が前方に偏位することとなります.

関節運動を行う際に生理学的に伸びるべき組織が伸びない場合(伸張性低下),または滑走すべき組織が滑走しない場合(滑走障害)には関節周囲組織の張力に不均衡が生じるきっかけとなります.

こういった関節拘縮によって生じた関節周囲組織の張力不均衡により,関節にブレや偏移が生じると,関節不安定が生じることとなります.

このトランスレーション理論,Oblique translation理論を理解しておくと,理学療法・作業療法の考え方も大きく変わります.

この理論に基づけば,拘縮自体が疼痛の原因になっているわけですので,痛いから動かさない方がいいといった考え方をされる方は少なくなると思います.

 

 

 

 

 

膝関節拘縮と疼痛との関係

次に膝関節を例に関節拘縮と疼痛との関係を考えてみたいと思います.

 

 

 

大腿四頭筋を含む前方組織のstiffness (剛性)が高い状態で膝関節を屈曲していくと,膝関節屈伸軸は後方化し,大腿骨を後方に偏位させるベクトル(力)が生じます.

その結果,後方に位置する半月板・滑膜などに軸圧や剪断力が加わることになります.

逆に後方組織のstiffness (剛性)が高い状態で膝関節を伸展していくと,膝関節屈伸軸は前方化し,大腿骨を前方に偏位させるベクトル(力)が生じます.

結果として前方に位置する半月板や膝蓋下脂肪体などに軸圧や剪断力が加わることになります.

このような関節拘縮によって起こるトランスレーションは,膝関節内外組織に侵害刺激を生じさせることになります.

これが関節拘縮による疼痛発症機序です.

運動時痛を中心とした症状を呈するケースは,拘縮を基盤として発症することが多いといった特徴がありますので,特に特定の運動方向のみ制限を認める関節は,トランスレーションが生じやすいことを理解しておく必要があります.

 

 

 

 

今回は関節拘縮と疼痛との関係性について,トランスレーション理論,Oblique translation理論を使って考えてみました.

関節拘縮と疼痛との関係を理解する上ではこの知識は必須です.

また関節拘縮由来の疼痛を軽減させるためには,関節拘縮を引き起こす原因組織を明確にした上で,関節拘縮の改善を図ることが重要であるといえるでしょう.

 

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