認定理学療法士症例報告レポート記載例 神経筋障害

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 認定理学療法士症例報告レポート記載例 神経筋障害 

このブログの中でも数回に分けて取り上げさせていただきましたが,2021年以降,日本理学療法士協会の認定理学療法士制度は大きく変わることが明らかにされております.

そのため昨年度もものすごい数の認定理学療法士受験者数となりました.

今年度もまたかなりの数の理学療法士が認定理学療法士取得に向け,試験を受けることが予測されます.

認定理学療法士取得に当たっては,ポイント・症例報告レポート・認定試験といった3つのハードルをクリアする必要があります.

症例報告レポートに関してはどういった形式で記述すべきかといったご質問をいただきますが,具体例のようなものも出されていないのが現状です.

今回は認定理学療法士(神経筋障害)症例報告レポートの記載例をご紹介させていただきます.

 

 

 

 

 

 

 症例報告を記載する前に審査指標項目を把握しよう 

症例報告の審査に関しては審査指標項目というのが決められております.

認定理学療法士(神経筋障害)に関しては,以下の5つのポイントが審査指標項目となっております.

実は認定理学療法士(神経筋障害)に関しては,審査指標項目が認定理学療法士(運動器)と同じなのです.

闇雲に記載するのではなく,まずはこの審査指標項目を把握することが重要です.

 

 

 

 

 

 

1.事例・症例の疾患もしくは状況課題が申請認定領域として適切に選択されているか,および事例・症例紹介・経過・(現)病歴が的確かつ明確に述べられている

まずは当然ですが,神経筋障害を合併したクライアントを対象としているかといったところです.

神経筋障害というとパーキンソン病,筋委縮性側索硬化症,ギラン・バレー症候群,多発性硬化症などが挙げられます.

いずれにしても神経筋障害に伴う機能障害と日常生活動作能力との関連性を整理した上で,日常生活動作獲得に向けた介入経過を記すことが重要であると考えられます.

 

 

 

 

 

2.評価および問題点が的確かつ明確に述べられているか

評価結果をもとに問題点を抽出できているかどうかがポイントとなります.

評価結果は客観的である必要がありますので,できるだけ数値で表せるような尺度を用いて評価を行うことが重要です.

一般的な神経障害に伴って起こる神経心理学的所見はもちろんですが,例えばパーキンソン病であればYahr stageやUPDRS等の神経筋障害に特化した指標を用いて評価を行っておくことをお勧めします.

具体的には病態と機能低下,あるいは機能低下と能力低下を関連付けた上で問題点を抽出することが重要となります.

 

 

 

 

 

3.介入内容が十分に的確であり明確に述べられているか

評価から導き出された問題点に対してどういった介入を行ったのかを具体的に記載します.

この介入内容が評価から導き出した問題点とかけ離れたものであれば審査は低い点数となってしまうでしょう.

介入ありきではなく評価ありきでどういった介入を行ったかを記載することが重要です.

 

 

 

 

 

 

4.結果・成果が客観的かつ的確であり,明確に述べられているか

評価結果は客観的である必要がありますので,できるだけ数値で表せるような尺度を用いて評価を行うことが重要です.

可能であれば初回介入時の客観的データと照らし合わせながら,記述できるとよいでしょう.

 

 

 

 

 

 

5.考察において論理的であり明確に述べられているか

具体的には疾病や手術と機能低下,あるいは機能低下と日常生活動作を関連付けた上で問題点を抽出した流れ,そして問題点に介入を行ったことでどのような結果・成果が得られたかを論理的に記述します.

ここで日々の臨床の中で頭の中で行っているクリニカルリーズニングを言語化することが重要となります.

 

 

 

 

 

 

 

 認定理学療法士事例・症例報告サマリー用紙不適切な記入の例 

こんなのはNGですので,気をつけましょう.

 

  • 字数が不足している,または字数が多すぎる(1症例につき全体の文字数は 1,000~1,200 程度)
  • 書式が古い(HP に掲載の最新の書式で作成してください)
  • 客観的評価項目や数値が不十分である(検査結果に単位が記載されていることが望ましい)
  • 開始時所見や終了時(報告時)所見の理学所見が不十分
  • 考察について内容が経過報告になっていて,考察になっていない(ただ客観的データを並べるだけではダメです)

 

 

 

 

 

 

 認定理学療法士症例報告レポート記載例 神経筋障害 

診断名・障害名:ギラン・バレー症候群(軸索型)

年齢:40歳代後半

性別:男性

区分:入院

 

 

 

 

 

 

病歴

22歳で大学卒業後に証券会社に就職するも,40歳の時に統合失調症を発症し,退職となる.

その後は無職となり母の介謹を行いながら生活していたが,42歳の時に四肢の脱力が出現し,軸索型のギラン・バレー症候群と診断される.

構音障害は軽度であり,呼吸筋麻蝉は認めず.

神経伝達速度検査では遠位刺激の複合筋活動電位の振幅低下,伝導ブロック,H波の消失を認めた.免疫グロブリン大量療法にて加療後,発症1か月にてリハビリテーション目的でA病院転院となる.

 

 

 

 

 

 

 

評価

コミュニケーションは良好であり,礼節も保たれており,統合失調症の影響により,リハビリテーションを阻害する精神症状はなく,意欲的であった.

一方で同じ訴えを続ける傾向にあった.

関節可動域は両側PIP, DIP関節伸展制限,両股関節伸展5°,両足関節背屈0°であった.

筋力はMMT(右/左) で上下肢近位筋4./4,腹直筋3/4,腸腰筋4/3,大腿四頭筋4/4,ハムストリングス3/3,大殿筋3/3,中殿筋2/2,前脛骨筋0/0,腓腹筋3/4,長母趾伸筋l/1,長趾伸筋0/0レベルであった.

握力は右8kg・左6kgであり,体幹・骨盤帯周囲の表在感覚は軽度鈍麻,両側膝下~足部・足底の表在感覚は重度鈍麻であった.

基本動作は寝返り・起き上がり動作は自立しているものの,立ち上がり・立位保持には見守りが必要であった.

歩行は入院時は平行棒内歩行見守りで可能であったが,歩行の耐久性は低い状況であった.

立脚期には両側とも反張膝,遊脚期では下垂足があり両側ともにクリアランス低下を認めた.

ADLはFIMで85点(運動項目51点・認知項目34点)であった.

 

 

 

 

 

 

問題点

#1.歩行立脚期の反張膝

#2.歩行遊脚期のクリアランス低下

#3.両足関節背屈筋力低下

#4.両股関節周囲筋力低下

#5.両足底感覚重度鈍麻

#6.歩行耐久性低下

 

 

 

 

 

 

 

介入内容

介入初期には体幹・股関節周囲筋の筋力向上を目的とした筋力トレーニングと,歩容修正を目的としたBWSTTを使用した50%部分荷重での歩行練習を実施した.

歩容の改善に伴い免荷量を減少させ,介入2ヶ月後からは両側ともに短下肢装具を作成し,歩行器・杖を使用しての歩行練習を行った.

短下肢装具は踵接地での前方推進力を得るために継手付きのプラスティック短下肢装具を作成した.

介入3ヶ月後からは1本杖での屋外歩行練習,外出練習を行い,退院前には自宅訪問指導を実施した.

 

 

 

 

 

 

介入結果

関節可動域については目立った変化は認めなかったが,筋力はMMT(右/左)で上下肢近位筋5/5,腹直筋5/5,腸腰筋5/4,大腿四頭筋5/5,ハムストリングス4/4,大殿筋5/4.中殿筋5/4,前脛骨筋0/0,腓腹筋4/4,長母趾伸筋,1/1,長趾伸筋0/0となり,特に体幹・股関節・膝関節周囲筋の筋力に顕著な改善が得られた.

握力についても右25kg,左23kgまで改善が得られた.

感覚機能については初期評価から変化はなかった.

基本動作についても寝返り・起き上がり起立・立位保持が自立となり,歩行についても屋内は両側ともに短下肢装具を装着し歩行補助具非使用での歩行が自立となった.

ADLについてもFIMで119点(運動項目85点・認知項目34点)まで改善が得られ,自宅退院となった.

 

 

 

 

 

 

考察

本事例は軸索型による四肢遠位の機能低下に加え,体幹筋や股関節周囲筋の廃用性筋力低下を呈し基本動作能力の低下や歩行障害をきたしていた.

立位姿勢では両側反張膝のロッキングが顕著であったため姿勢制御が困難であった.

主治医からの情報では機能予後は不良で,特に四肢遠位の機能改善は困難との見解であった.

まだ年齢が40代と若く,自宅退院を強く希望されており,早期の歩行獲得が重要であると考えた.

そこで改善の見込みが高いと考えられる体幹筋・股関節周囲筋の筋力トレーニングを集中的に行うとともに,両側ともに短下肢装具を作成し,積極的に歩行練習を行った.

下肢遠位の機能は初期介入からあまり変化が見られなかったが,廃用性筋力低下を呈していた体幹筋や股関節周囲筋を賦活させることで動作の安定性が向上し,最終的に移動能力が向上し,自宅退院に至ったと考える.

特に介入当初は筋力低下が著しい状況であったが,早期よりBWSTTを導入してCPG(central pattern generator)を賦活させ,歩行に必要な交互運動をより促通できたことも,歩行獲得に至った一因と考える.

 

 

 

 

今回は認定理学療法士(神経筋障害)症例報告レポートの例をご紹介させていただきました.

私なりに仮想症例で記載してみたものの不十分なところもあると思います.

あくまで1つの参考にしていただけると嬉しいです.

 

 

 

 

その他にも認定理学療法士に関する記事をまとめておりますので是非参考にしていただければと思います.

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