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PT・OTも知っておきたい「次第です」と「所存です」の使い方
理学療法士・作業療法士も仕事の中でまたは日本理学療法士協会や都道府県理学療法士会の仕事の中で,他施設の理学療法士・作業療法士に電話やメールで連絡するといった機会は少なくないと思います.
理学療法士・作業療法士も電話やメールで使うフレーズとして「次第です」といった表現や,「所存です」といった表現があります.
この「次第です」,「所存です」といった表現は耳にすることは多いと思いますが,使うタイミングって難しいですよね.
「次第です」は便利な言葉ですが,一方で間違った使用が目立つ言葉でもあります.
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたい「次第です」と「所存です」といった表現について考えてみたいと思います.
「次第」の意味は何か?
「次第」は「事情・状況・成り行き」といった意味で使用されることが多いです.
「です」をつけた「次第です」という表現は,目上の方に対して使用されることが多く,基本的には同僚や目下の人には使用されることはありません.
「○○次第です」といった表現よりも,「手当たり次第に」「成り行き次第で」といった表現の方が耳にすることが多いかもしれませんが,この場合には「動作が行われるままに」といった意味で使用されることが多いです.
「次第です」の使い方
理学療法士・作業療法士が他職種や他施設の理学療法士・作業療法士へ様々な報告をする場合には,クライアントの原因や状況を説明する場面は多いと思います.
そういった場合に,「~という次第です」「~を行っている次第です」のように用いられるのが一般的です.
これによりって「~という事情です」「~という状況です」とより丁寧に表現できます.
特に相手が上司や目上の方の場合には,「そのような次第です」と言い換えてみると,先輩や上司の印象もかなり違うと思います.
「こうしたしたわけです」や「こうなってます」といった表現は目上の方に対しては失礼にあたりますので,この「次第です」を使えればきちんとした社会人であることをアピールできるでしょう.
「次第です」を用いた例文
「今日は自己で公共交通機関が遅れ,出勤が遅れた次第です.申し訳ありません」
「昨日のカンファレンスで担当患者様の日常生活に関して看護師から○○のようなご相談があった次第です」
「次第」が丁寧語の重複にならないように気を付ける
「次第」の使い方として注意したい点は,「次第」にさらに丁寧語を重ねて,過剰な敬語になってしまう場合です.
よくある誤りとしては「○○な次第でございます」といった使い方です.
間違いではありませんが,丁寧な言葉が重なりすぎて少しくどい感じがします.
「次第です」の類語
相手が自分よりも目上の方であれば,「次第です」といった表現が適当ですが,相手が後輩であったりすると「次第です」といった言葉を使用するのは適当ではありません.
そういった場合には,「○○という流れです」,「○○という経緯です」,「○○というわけです」といった類語を使用すると表現が自然になります.
「次第」と「所存」の使い分け方
「次第です」と類似した言葉に,「所存です」といった表現があります.
テレビでスポーツ選手や芸能人が,「精進してまいる所存です」なんて言っているのを聞いたことがありませ火?
「所存」というのは「考え」や「意志」の謙譲語にあたります.
したがって自分の意志や考えを表す際に使用します.
つまり「所存です」は,「○○するつもりです」・「○○しようと思います」といった表現をしたいときに謙って使用される表現になります.
「次第」と「所存」の違い
大きな違いは「次第です」が説明・報告であるのに対し,「所存です」は自分自身の意志や考えであるという点です.
つまり「次第です」は客観的な状況を説明する場合に,「所存です」は主観的な自身の考えを表現する場合に使用するのが通常です.
「所存です」を使用した例文
「今後は自己学習に努め,以降クライアントに迷惑のかからないように努めていく所存です」
「今年は運動器関連の研修会に積極的に参加し自己研鑽を図る所存です」
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたい「次第です」と「所存です」といった表現について考えてみました.
理学療法士・作業療法士も状況を説明したり,自分の考えを表現したりといった機会は少なくないと思いますので,「次第です」,「所存です」といった表現をスマートに使えるとよいですね.
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