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理学療法士・作業療法士のモンスターペイシェントへの対応
理学療法士・作業療法士のも現場で遭遇する困った家族を経験することありませんか?
クライアント家族との折り合いがうまくいかず,理学療法士・作業療法士としての仕事を辞めたくなるといった方さえいらっしゃると思います.
今回はこの対応困難な家族,モンスターペイシェントについて考えてみたいと思います.
モンスターペイシェントとは?
モンスターペイシェントというのは,医療機関において自己中心的で理不尽な要求を繰り返す患者やその家族のことを指します.
手におえないほど著しくモラルにかけた彼らを,モンスター(怪物)に例えば和製英語です.
理学療法士・作業療法士もモンスターペイシェントに遭遇して悩んだ経験がある方が多いのではないでしょうか?
しかしどこまでがモンスターペイシェントなのか境界は曖昧です.
私たち理学療法士・作業療法士がモンスターペイシェントだと捉えている家族も,危機的状況に陥っているが故にそのように表現するしか手段がないのかもしれません.
家族にも精神的ケアは必要
クライアントの家族にはクライアントのサポーター(介護者)でありながら,自身にも精神的ケアが必要であるといった相反する側面を持っています.
家族はクライアントに対して精神的な支えになったり,代理で意思決定をしたり,医療的ケアを担ったりします.
一方でクライアントを支える家族の負担は大きく,第2の患者ともいわれるように精神的ケアを必要とする立場でもあるのです.
しかし医療現場において家族は介護者のイメージのほうが強く,患者としてのケアを十分に受けるケースというのは少ないと思います.
先手必勝の家族ケアでモンスター化を阻止
確かに忙しい医療現場ではクライアントへの対応で手一杯で,家族に対しきめ細かく対応する時間を作りだすのは難しいかもしれません.
この家族は元気がないなとか,なにか言いたいことがありそうだなと気にはなっていても,家族への対応というのは,クライアントへの対応に比較すると優先順位が低くなってしまいます.
しかしながら家族ケアは先手必勝です.
家族がどんな心理状態にあるのか、今後なにが起こり得るか予測しながら先回りした対応をすることで,モンスター化を予防することが重要となります.
特に理学療法士・作業療法士はクライアントやクライアント家族とマンツーマンで毎日一定の間,時間を共にすることが多いので,クライアントやクライアント家族のちょっとした変化に気づくことができる職種なのです.
モンスターペイシェントへの対処方法
クレームに発展してしまった,基本は傾聴と共感です.
大声で怒鳴られてもつられて逆に理学療法士・作業療法士が大声を出したり,逆切れしたりなんて言うのは決してあってはなりません.
なかには心が折れそうになる方もいるでしょう.
そういった場合にもぐっとこらえて冷静に毅然とした態度で接しましょう.
仕事ですからね…
例えばどうしてこんなに待たせるんだといったクレームには長時間お待たせしてしまったことで不快にさせてしまったのですね,大変申し訳ありませんとおうむ返ししつつ,ゆっくりうなづき,タイミングを合わせて相づちを打つことを繰り返しながら,相手の思いを受け止めましょう.
話を聞いてもらえたことで満足すれば徐々に落ち着いてくるはずですが,ますます興奮して要求がエスカレートするようなら総力戦へすすみ,それでもだめなら他の方の迷惑になるので警察に連絡させてもらいますと冷静に話します.
おおよそこの警察といったキーワードで落ち着かれる方が多いです.
家族ケアは理学療法士・作業療法士に必要なスキル
理学療法・作業療法を行う上でも家族ケアは重要であり,理学療法士・作業療法士に必要なスキルであるといえるでしょう.
モンスターペイシェントの多くは誤解や不満が根底にありますので,早期からの予測的対応が重要です.
理学療法士・作業療法士一人ひとりが家族ケアを意識するだけでなく,個人で対応できないケースに対する対策を組織内で決めておくことも重要です.
今回はこの対応困難な家族,モンスターペイシェントについて考えてみたいと思います.
時代だと思いますがモンスターシェントは年々増えており,クライアントの権利意識も向上しております.
こんな時代だからこそ理学療法士・作業療法士もモンスターペイシェント対策について改めて考えてみてはいかがでしょうか.
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