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2019年度認定理学療法士試験の過去問から考えた予想問題(共通)
今回は2020年3月に受験される予定の方のために,認定理学療法士試験の中でもどの領域の受験者も共通して受験する必要がある,共通問題について噂話をベースにここをおさえておきたいといったところをご紹介させていただきます.
認定理学療法士の試験の過去問というのは存在しません.
これは過去問ではなくあくまで予想問題であることをご理解いただいた上で,学習の参考にしていただければと思います.
①倫理に関する問題
ヒポクラテスの誓いについておさえておきましょう.
以下がヒポクラテスの誓いです.
医の神アポロン・アスクレーピオス・ヒギエイア・パナケイア及び全ての神々よ.私自身の能力と判断に従って,この誓約を守ることを誓う.
この医術を教えてくれた師を実の親のように敬い,自らの財産を分け与えて,必要ある時には助ける.
師の子孫を自身の兄弟のように見て,彼らが学ばんとすれば報酬なしにこの術を教える.
著作や講義その他あらゆる方法で,医術の知識を師や自らの息子,また,医の規則に則って誓約で結ばれている弟子達に分かち与え,それ以外の誰にも与えない.
自身の能力と判断に従って,患者に利すると思う治療法を選択し,害と知る治療法を決して選択しない.
依頼されても人を殺す薬を与えない.
同様に婦人を流産させる道具を与えない.
生涯を純粋と神聖を貫き,医術を行う.
どんな家を訪れる時もそこの自由人と奴隷の相違を問わず,不正を犯すことなく,医術を行う.
医に関するか否かに関わらず,他人の生活についての秘密を遵守する.
この誓いを守り続ける限り,私は人生と医術とを享受し,全ての人から尊敬されるであろう!
しかし,万が一,この誓いを破る時,私はその反対の運命を賜るだろう.
これを記憶するというよりはどういった誓いであるかをイメージできるようになっておくことが重要です.
②倫理に関する問題
エンゲルハードのパーソン論では,ヒト(human)と人格(person)を区別して考えます.
ヒト(ヒューマン)と人格(パーソン)を区別し,前者は生物学的な概念,後者は人間を固有な存在として認知します.
人格(パーソン)を特徴づけるのは自己意識・理性・道徳・感覚です.
また人格を本来の人格と社会的人格に区別するのもパーソン論の特徴です.
③医療安全に関する問題
予想ですが医療事故に関する問題が出題される可能性が高いと考えます.
これは医療過誤にあたるかといったたぐいの出題が予想されます.
ここで重要なのは,転倒等の医療事故に当たっては予見可能性が問われること,危険防止のためには最善の注意義務が要求されること,ヒヤリハットも医療事故に含まれること,医療事故が予期しない不利益な事実を指すのに対して医療過誤が医療的準則に違反したために患者に不利益な事実であることをおさえておきましょう.
④理学療法ガイドラインに関する問題
臨床実習が大きな転換期を迎えているので実習に関する問題が出題される可能性が高いと考えます.
重要なのは,実習前に臨床実習生が身に付けておくべきレベルは基本的理学療法を模擬患者に実施できるレベルであるといった点です.
また理学療法士の卒前教育の目標としては,基本的な知識と技術を習得するとともに自ら学ぶ力を育てるレベルを目標としております.
この臨床実習生の到達目標,理学療法士の卒然教育の目標については確実におさえておきたいですね.
⑤根拠に基づく理学療法に関する問題
まず確実に押さえておきたいのは,前向き研究・後ろ向き研究・横断研究,コホート研究・ケースコントロール研究といった観察研究の種類です.
この研究はどの研究デザインに該当するかといった出題のされ方も考えられますので,言葉だけを記憶するのではなく研究デザインについて本質的に理解をしておく必要があります.
例えばコホート研究では要因で2群に分類してアウトカムを比較することが多いので,複数のアウトカムを設定することが可能ですが,一方でケースコントロール研究の場合にはアウトカムで2群に分類して要因を比較することが多いので,複数のアウトカムを設定できません.
このあたりって非常に難しいですが,出題される可能性が非常に高いので確実に押さえておきたいですね.
またランダム化比較対照試験(RCT)についても出題されやすいと考えます.
RCTは実験的研究であり,隠蔽や盲検化のために第3者に割り付けや測定を委ねる場合もありますが,第3者を研究者に含めることはありません.
またCONSORT声明というRCT(介入)研究実施の際の指針がありますのでそちらも覚えておきましょう.
ちなみに観察研究の場合にはSTROBE声明が指針となります.
その他にもメタアナリシスやシングルケースデザインなど研究の方法論についてしっかりと理解しておきましょう.
例年,研究方法論に関しては多くの問題が出題されますが,正答率が低いのも特徴です.
⑥労務管理に関する問題
労務管理についてもワークライフバランスが声高にさけばれる現状を考えると出題の可能性が高いと考えます.
中でもコンフリクトマネジメント(コンフリクトとは衝突、葛藤,対立,などで相互に相容れない,歩み寄れない不一致,不協和な状態をマネジメントすること)や産前産後休暇制度・短時間勤務制度(出産予定日~産後6週間までは働かせてはいけません.産後6週間~8週間までは原則働かせてはいけません.育児休業は1歳6ヶ月まで取得可能で,短時間勤務と残業免除は3歳まで可能です),ドナベディアンモデルについてはおさえておきましょう.
コンフリクトの対処・対応については,競争的(相手を犠牲に自分を優先して解決),受容的(自分を抑制し相手を受け入れることで解決),回避的(対立する状況を回避する),妥協的(互いに妥協し部分的な実現を図る),協調的(お互いに尊重し協力し事態解決)等がありますが場合によってこれらの対処・対応を使い分けることが重要となります.
ドナペディアンモデルというのは質の管理の話ですが,医療の質を評価する際には①構造,②過程,③結果で評価することが重要です.
今回は認定理学療法士試験について噂情報をもとにおさえておきたいところを整理しました.
これは過去問ではなく予想問題であることをご理解ください.
ただこの予想問題をきちんとおさえておくときっと得をすると思います(笑)
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