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理学療法士・作業療法士が良い睡眠をとるためには?
理学療法士・作業療法士の仕事も立ち仕事や肉体労働が大きいので1日仕事をするとぐったりといった場合も少なくないと思います.
長い期間,継続的に理学療法士・作業療法士として働くための1つのポイントとしてしっかりと休息をとるといったポイントが挙げられます.
いわゆる質の高い睡眠をとることが健康で長く仕事をするための秘訣ではないかと思います.
今回は理学療法士・作業療法士の視点で良い睡眠をとるためにはどういった生活の仕方をすればよいかを考えてみたいと思います.
まずは質の高い睡眠を
睡眠時間を十分に確保しているにもかかわらず,疲労感が体からぬけないといった場合には,睡眠の質に問題があるかもしれません.
睡眠の質を上げることで仕事だけでなく,余暇活動や日常生活の中で様々なメリットをたくさん感じられるようになると思います.
何をするにも健康が一番ですからね.
良い睡眠とは?
良い睡眠の定義についてはさまざまですが,「寝つきがよい」「ぐっすり眠る」「寝起きすっきり」この3つが一つの目安になると思います.
布団に入ったもののなかなか寝付けなかったり,夜中に何度も目が覚めたり,朝になってもなかなか起きられないような場合には睡眠の質が低下している可能性があります.
睡眠の質は体温調節や体内修復・成長に関連するホルモン分泌と相関関係があることが明らかにされております.
これらは体内の代謝活動促進・自律神経のバランスを整える要素となります.
睡眠の質を向上させるほど,疲労を回復させる効果があることも明らかにされております.
肉体的な疲労はもちろんですが,脳のように目に見えない部分に蓄積した疲労を取り除くことも睡眠の質を高める意義としては大きいわけです.
睡眠の質を向上させる方法
それではここからは,理学療法士・作業療法士が睡眠の質を高めるための方法をいくつかご紹介させていただきます.
まず寝る直前までパソコンに向かっていたり,トレーニングを行っていたりすると,交感神経が優位になり,寝付きにくくなってしまいます.
就寝時には消化活動が終わっていることが理想的ですので,良い睡眠をとるためには就寝3時間前には夕食を済ませましょう.
食事後すぐに寝てしまうと,体は消化活動を優先するため,内臓が休息する時間が短くなってしまいます.
同じ睡眠時間でも眠りが浅くなったり疲れが抜けにくくなったりするのは食後から睡眠までの時間にも原因があるわけです.
温かい飲み物を摂取する
温かい飲み物は内臓から体温上昇を促します.
体温が下がり始めるときに自然な眠気が出現しますので,睡眠前のリズムをつくる上でもおすすめです.
基本的には安眠効果を高めるためにノンカフェインのものを選ぶようにしましょう.
例えば生姜湯やカモミールティー等がおすすめです.
体を温める効果のあるショウガで体の末端まで温めて睡眠の質を高めます.
市販のものは砂糖が多く配合されていることもありますので,ショウガパウダーなどの組み合わせがおすすめです.
カモミールティーはヨーロッパで古くから不眠症対策に使われていたとされ,心身をリラックスしてくれる香りが特徴です.
カモミールティーから立つ蒸気(湯気)は鼻づまりの改善をもたらし,睡眠時に口呼吸になりやすいのを防ぐ効果があります.
自律神経活動を交感神経から副交感神経優位へ切り替えるときにとても効果的とされています.
アルコールも寝る前に飲むとよいといった話もありますが,実際にはアルコールを摂取すると睡眠が浅くなるといわれております.
さらに利尿作用によってトイレに行く回数が増えるため,結局のところ熟睡できないこともあります.
またご存知の方も多いと思いますが,コーヒーや紅茶,緑茶,栄養ドリンクなど,覚醒作用を持つカフェインを含む飲食物は,入眠や深い睡眠の妨げとなります.
就寝前3~4時間(敏感な人は5~6時間)は避けるようにしましょう.
ぬるめの入浴でリラックス
睡眠の質を向上させるためには入浴の方法も重要です.
熱めのお湯に長く入ると脳が覚醒してしまいますので就寝に必要な体温変化を得にくくなります.
高温のお湯は体の負担も増大するため,38度ほどのぬるめのお湯につかることが勧められます.
体をじっくり温めることで,緊張をほどきリラックス効果が期待できます.
リラックスできる音楽を聴く
睡眠の質を高めるためには副交感神経活動を高めることが重要です.
ヒーリングミュージックと呼ばれる副交感神経が優位になる音楽はリラックス効果が期待できます.
川や海などの水のせせらぎ,クラシック音楽など気に入ったものを見つけてみましょう.
休日の生活サイクルを整える
一番睡眠の質を下げる原因として大きいのは休日における生活リズムの乱れです.
寝たはずなのに疲れが抜けていない,眠気が取れていないと感じたときには注意が必要です.
休日に2度寝,3度寝と繰り返し,夜眠れなくなるようなサイクルを繰り返していると夜型の生活スタイルから抜けられなくなってしまいます.
ウィークディに睡眠不足のまま朝早く起きなければならなくなるとさらに疲れが抜けにくくなってしまいます.
睡眠の質,そして睡眠不足による生活リズムの乱れは注意力や作業効率の低下を招くこともあるので,仕事中の医療事故のリスクにもつながるので注意が必要です.
自分に合った寝具選びを
就寝中の発汗,温度変化に対応できるよう吸湿性・放湿性の良いものに加え,体型に合ったものを選ぶことが重要です.
特に枕の高さは重要です.
起床時に首や肩が痛い,胸の筋肉が緊張している場合には,枕と頸椎のカーブが合っていないかもしれません.
好みの高さでも実は体に合っていないことも多くあります.
理学療法士・作業療法士であれば自身の脊椎のアライメントを考慮した上で,枕を選択することが重要です.
敷き布団(ベットマット)の硬さも重要です.
体に対して柔らかすぎると腰痛の原因になり,硬すぎると骨が当あたって痛く感じたり,血流が悪くなってかえって寝つきが悪くなる原因となります.
適度な硬さを持ったものを選びましょう.
就寝前のスマホ・タブレットの使用は禁
最近の若者に多いのが就寝前にスマホでゲームをしたりタブレットで書籍を読んだりといった生活習慣です.
スマホやタブレットから発せられるブルーライトには脳を覚醒させるような作用がありますので,就寝前は眠れなくてもスマホの画面を注視するのは避けた方が良いでしょう.
今回は良い睡眠をとるためにはどういった生活の仕方をすればよいかを考えてみました.
クライアントに質の高い理学療法・作業療法を提供する為にはサービスを提供する理学療法士・作業療法士が健康でなくてはなりません.
質の高い睡眠で毎日を快適に送りたいものです.
今回はいくつか睡眠の質を高めるためのポイントをご紹介させていただきました.
1つでも試せるものがあれば生活の中に取り入れて質の高い睡眠をとって,健康に長く仕事をしたいものですね.
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