PNFにおける促通の要素 筋伸張・関節牽引・圧縮

運動療法・物理療法
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目次

 PNFにおける促通の要素 筋伸張・関節牽引・圧縮 

今回もPNFに関してです.

前回はPNFの促通の要素の中でも最も重要な運動パターンについてご紹介させていただきました.

今回は筋伸張・関節牽引・圧縮について理学療法士の視点で考えてみたいと思います.

 

 

 

 

 

 筋伸張 

まずは筋伸張についてです.

振り返りにはなりますがPNFの特徴は固有受容器をはじめとする感覚受容器を刺激することで神経筋を促通する点です.

筋を伸張することで神経筋を促通することができるわけです.

でも筋を伸張するとなぜ神経筋の促通に繋がるのでしょうか.

 

 

筋に伸張刺激を与えると伸張反射が出現します.

伸張刺激は引き伸ばされた筋群とその共同筋群の筋収縮を促通することに繋がります.

実際に筋を伸張するとα運動ニューロンの興奮性の指標となるH反射が大きくなることが明らかにされております.

伸張反射を利用することでα運動ニューロンを活性化することが伸張刺激の目的です.

 

 

 

 

 

 Corkscrew stretchとQuick stretch 

PNFにおける筋伸張刺激は①筋を伸張位におくことによる持続的伸張(corkscrew stretch)と,②素早い伸張刺激(quick stretch)に分けられます.

はじめにCorkscrew stretchですが開始肢位で筋を伸張しておくことにより,筋紡錘が持続的に伸張されるため素早い伸張刺激(quick stretch)に対する感度が上がります.

Corkscrew stretch伸張反射を誘発するための準備と考えるとわかりやすいでしょう.

筋は伸張されることで静止張力が大きくなるので,大きな収縮力を生み出すことが可能となります.

Quick stretchですが,筋を素早く伸張することにより,伸張反射が誘発され脊髄レベルでα運動ニューロンを活性化することができます.

Quick stretch・Corkscrew stretchともに伸張刺激は単一筋ではなく共同筋群全体に行うことが重要なポイントとなります.

 

 

 

 

 

 関節牽引 

関節牽引は運動を滑らかにし,関節内の受容器を刺激し,随意収縮力を高めます.

関節牽引もまた固有受容器を刺激することで神経筋を促通することに繋がるわけです.

 

物を持つ動作をはじめ上肢は日常生活の中で牽引が行われることが多いので,基本的に上肢の運動パターンではパターンを通して牽引を加える場合が多いです.

杖での支持やpush up動作の能力向上を目的にパターンを行う際は圧縮を用いる場合もあります.

 

 

 

 

 

 関節圧縮 

関節の圧縮とはセラピストの外力により四肢または体幹の近位骨と遠位骨の距離を骨長軸方向に沿って縮めることです.

関節圧縮は牽引と同様に関節内の受容器を刺激し筋収縮力を高め,関節の安定性増大を図ることができます.

下肢は日常生活の中で立位保持,歩行と床反力による圧縮を受けていることが多く,伸展パターンではパターンの最後に圧縮を加えることが多いです.

 

今回はPNFにおける促通の要素の中でも筋伸張・関節牽引・圧縮について理学療法士の視点でご紹介させていただきました.

全てのパターンでこれらの筋伸張・関節牽引・圧縮を意識してパターンを行うことが重要となります.

またPNFパターンでなくとも筋伸張や関節牽引・圧縮を抵抗運動の中に組み込むことで神経筋活動を促通することが可能となります.

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