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学会におけるポスター発表の方法
分科学会毎に学術大会が開催されるようになり,理学療法士が学術大会で発表する機会も以前より多くなってきました.
学会で発表する際には口述発表とポスター発表といった2つの形式(最近はこの2種類の発表方法以外にも新たな形式が登場しております)で発表を行うことが多いわけです.
今回はポスター発表をテーマに理学療法士の学会発表について考えてみたいと思います.
ポスターと口述どっちがいいの?
はじめにポスター発表の利点と欠点について考えてみたいと思います.
ポスター発表の利点
- 1対1で活発なディスカッションが行える.
- 新たな交流が生まれやすい.
- 口述発表に比較すると緊張感が少ない.
ポスター発表の欠点
- 時間の制約が大きい(長時間ポスターの前で立っておく必要がある)
- ポスターを印刷して持参する必要がある.
- ポスターの貼り付け時間が決まっている.
このようにポスター発表というのは時間の制約があり長時間拘束される,ポスターの印刷や貼り付けといった準備に時間を要する欠点がある一方で,口述発表に比較すると緊張感も少なく1対1でディスカッションを行えますので,新たな交流が生まれやすいといった利点が挙げられます.
個人的には初めて学会発表を経験される場合には,まずはポスター発表をされることをお勧めします.
ポスターの作成方法
まず,学会で指定されているポスターのサイズを確認します.
学会によってポスターのサイズはさまざまですが,90cm×150(180)cmというのが最も多い形式だと思います.
またバナー(演題名・演者名・所属)は別に作成する必要があることが多いです.
ポスターサイズを確認した上で,1枚刷り(バナーも含めて大きく1枚で印刷するか複数枚刷り)にするか,A4またはA3で複数枚印刷し,バナーは別に印刷するにするかを決定します.
1枚刷りの場合
1枚刷りにする場合はPowerPointのページ設定で幅と高さを指定します.試し刷りの際は通常のプリンタでA3またはA4縦で印刷し細部までミスがないことを確認してから,専用のプリンタで印刷することをお勧めします.
1枚刷りの場合は1枚当たりの用紙の料金も高いので失敗したくないですからね.
専用のプリンタがない場合には,印刷業者に頼むか,学会によっては有料で印刷してもらうこともできます.
用紙は布製のものを使うと折りたたみができて持ち運びやすく,光沢紙を用いると高画質の写真等をきれいに印刷することができます.
1枚もので紙製のポスターは安いところで3,000円くらい,布製のポスターは5,000円程度でしょうか.
業者へ依頼する際には,Powerpointのファイル形式ではなく,PDFファイルに変換してからデータを送付することが多いです.
複数枚刷りの場合
複数枚刷りの場合にはプリンタで,A3・A4等の1枚の紙の大きさを設定し,ポスターのサイズに合わせ最大枚数とその配置を確認します.
A3であれば横2枚縦5~6枚が一般的なので,タイトルスライドを除いて10~12枚の形式となることが多いと思います.
10~12枚ということであれば口述発表のスライド枚数とあまり変わらないかもしれませんね.
通常のプリンタでも印刷できますが,バナーの大きさによっては2枚に分けるなどの工夫を要する場合があります.
ポスター作成のコツ
まずはポスターの構成を考えましょう.
1番伝えたい情報は要旨(結語)に入っているはずですので,バナーの下に要旨(結語)を配置すると,表題とまとめを1度に読んでもらえるため.興味を持った方にその下を読んでもらいやすくなります.
複数枚の場合は縦に読む場合,横に読む場合と両方あり得るので,表題に番号をつけておくと親切です.
背景は白がインクの無駄遣いがなくよいです.
色は口述発表も同様ですが3色以内がお勧めです.
ポスター発表というのは口述発表に比較すると長時間見てもらえることが多いので,色に意味をもたせて統一感を出すのも有効です.
図や写真を川いる場合は,口頭説明がなくても伝わるように下に説明文をつけておくとよいです.
さらにポスターの下にハンドアウトの資料を用意しておいたり,名刺を用意しておくと,自分がポスターの前に立っていない時間にポスターを見てくれた方と交流を図る機会につながるかもしれません.
今回はポスター発表をテーマに理学療法士の学会発表について考えてみました.
何事も事前準備が大切です.
良い発表ができるように早めに準備にとりかかりましょう.
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