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訪問リハビリの際の駐車場ってどうしてますか?
私は訪問リハビリに従事している理学療法士ではありませんが,医療保険における退院時訪問指導の際に,周辺に駐車するところが無くて困ったことが何度かあります.
幸い私が勤務する医療機関は田舎なので少し離れた通行の邪魔にならないところに駐車できましたが,都会ではそうもいかないだろうと感じたことがあります.
今回は訪問診療等に使用する車両に係る駐車許可に関して警察庁から通達があったようですのでそちらを紹介した思います.
駐車場はどうしてるのか?
訪問看護や訪問リハビリテーション事業所のホームページをみていると,「訪問車両の駐車場が必要となります.確保困難な場合は,有料駐車場を使用させて頂きます」なんて記載されております.
気になる駐車料金ですが利用者の自己負担ということが多いようです.
ただ当然ながら,コインパーキングのような有料駐車場が周囲に無いエリアというのも少なくないと思います.
ほぼ家の前か近辺に路駐状態のことも多いのではないでしょうか?
田舎道であれば,一般の人でも年から年中自家用車を道の淵に止めていても誰も文句も言わないし,通報されたという話も聞いた事はありません.
近くにコンビニやスーパーがあればそこに駐車しているという場合もあるようですが,車両に事業所の名前が書いてあったらお弁当を購入するなどして利用したとしてもなんとなく心苦しいですよね.
しかしこれが都会になるとそうはいきません.
実は道路交通法第45条第1項に車両の駐車に関してこんな規定があります.
車両は公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは,道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分等において駐車することができる.
今回はこの車両駐車に関する通知に関してご紹介いたします.
訪問診療等に使用する車両に係る駐車許可の周知について(依頼)
訪問診療,訪問看護,訪問リハビリテーション,訪問介護等に使用する車両が,訪問先に駐車場所がないために駐車禁止場所に駐車せざるを得ない場合,状況に応じて警察署長の駐車許可を受けることが可能となっております.
また都道府県警察においては,訪問診療等の業務の実情に鑑み,許可事務の簡素合理化を図り,申請者の負担軽減に努めているところです.
また,こうした業務の実情に鑑み,1つの駐車許可で,一定の期間,複数の場所に対応できるよう,手続の簡素化,柔軟化を図り,申請者の負担軽減に努めております.
なお,駐車許可は,都道府県警察及び警察署ごとに,地域住民等の意見要望や地域の交通実態等に応じて行っているものであり,必ずしも全ての場合に許可が行われるわけではありません.
詳しくは,管轄する都道府県警察本部又は警察署まで問い合わせる必要があります.
車許可制度については,「駐車規制及び駐車許可制度の運用の見直しについて」及び「駐車規制及び駐車許可制度の運用の見直しにおける留意点について」を参考に,各都道府県公安委員会が定める都道府県公安委員会規則等に基づき運用されておりますが,とりわけ訪問診療や訪問看護等に使用する車両の駐車許可については,「訪問診療,訪問看護等に使用する車両に対する駐車許可の取扱いについて」によって,柔軟に対応がなされてきました.
高齢化社会の進展に伴い,在宅での医療,介護のサービスが24時間態勢で実施されるなど,近年,訪問診療等の社会的な重要性が増す中,訪問診療等に使用する車両の駐車許可事務については,これまで以上にきめ細かな対応が求められている現状もあります.
このような現状を踏まえ,都道府県警察においては,地域住民等の意見要望や地域の交通実態等に応じ,駐車許可事務の更なる簡素合理化による申請者の負担軽減に向けて通知が出されたわけです.
基本的な考え方
道路交通法第45条第1項ただし書の規定による駐車許可は,駐車規制の対象とされる道路の部分に該当する特定の場所に駐車せざるを得ない特別の事情がある場合において,当該特別の事情への配慮の必要性と駐車規制の必要性とを比較衡量し,前者が後者を上回るときに行うものであり,駐車に係る用務の態様により許可の対象が画一的に定まるものではありません.
駐車許可申請の受理に際しては,申請に至る事情や用務の内容等を個別具体的に審査した上で許可の適否を判断することとなっております.
対象車両
医師,歯科医師,助産師,看護師等の医療関係従事者が訪問診療等に使用する車両となっております.
駐車日時の特定
駐車を許可する日時の特定については,訪問診療等の用務の性格上,申請者においてあらかじめ正確に特定することが困難な場合や緊急の訪問診療等に従事する場合があることに留意し,例えば医療機関の診療時間内(9時から17時までの間),医療機関の診療時間内(9時から17時までの間)及び緊急訪問時とするなど,駐車場所付近の交通状況等を勘案した上で,柔軟な対応を図ることとされております.
駐車場所の特定等
駐車を許可する場所の特定については,申請に係る訪問先を訪問先一覧表等の提出により特定した上で,「訪問先付近」として許可するなど,許可を受けた者が訪問先付近の交通状況等に応じて,ある程度柔軟に駐車場所を選択できるよう配意することとされております.
その際,駐車許可証の裏面等に,申請(許可)理由以外には使用しないこと,駐停車禁止場所には駐(停)車しないこと,法定の駐車禁止場所には駐車しないこと,駐車の方法に従わない駐車をしないこと,駐車するときは,車両の前面ガラスの見やすい箇所に,許可証であることが表示された面が前面から見やすいように掲出すること等の遵守事項が明記されております.
申請書類の簡素化
車場所及び周辺の見取図については,必要以上に詳細なものを求めたり,地図に道路幅員や車両の寸法を記入させたりせず,既存の地図等に訪問先の位置が示されている書面で差し支えないこととするなど,申請者の見取図作成に係る負担軽減が図られます.
病名が記載された書面
訪問先関係者の病名が記載された書面については,個人情報保護の観点から,提出を求めないこととなります.
添付書類及び添付部数
添付書類及び添付部数については,申請者の負担軽減の観点から,必要最小限にとどめることとなりました.
申請手続き等の合理化
申請された訪問先が複数の警察署の管轄区域内にまたがる場合については,可能な限り,申請の受理や駐車許可証の交付・返納受理を一の警察署で一括して行うこととなりました.
夜間や緊急時の対応については,各都道府県警察において申請窓口を整備し,電話やFAXにより対応しているところであるが,「審査に時間がかかり不便である.」との意見も寄せられております.
訪問診療等に係る緊急の申請は,用務の性格上,既に許可済の申請に関し,申請した駐車日時に該当しない時間帯における緊急訪問として申し出るものであること等が予想されるため,宿直執務室に駐車許可対象一覧を備え付けるなど,緊急用務であることを踏まえた迅速な審査が行われるよう環境を整備することとされております.
少しわかりにくい内容もありますが,道路交通法第45条第1項に車両の駐車に関して,かなり柔軟に対応がなされるといった旨の文書だと思います.
訪問リハビリ事業者にとっても書類提出等の手間が少し減るなといった印象の通知です.
ただこの道路交通法ばかりに甘えていてもいけないと思います.
基本的なマナーを遵守した上で可能な限り迷惑の掛からない駐車場所を考える,移動方法を考えるといった配慮も必要でしょう.
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