2019年3月25日に第54回理学療法士国家試験の合格率が発表されました.
合格率は85.8%(新卒だけですと92.8%)でした.
第54回(2019年)理学療法士国家試験の合格率が高いと考えるか低いと考えるかはさまざまだと思いますが,今回はここ数年の理学療法士国家試験の合格率と合わせて,第54回理学療法士国家試験の合格率について,そして2020年に執り行われる第55回理学療法士国家試験の合格率について考えてみたいと思います.
目次
理学療法士国家試験合格率の推移
このグラフは第42回(2007年)~第52回(2017年)の理学療法士国家試験の推移を表したものです.
このグラフから理学療法士国家試験の推移を読み取ることができます.
第42~45回の理学療法士国家試験の合格率は85%を超えていたわけです.
ちなみに私が受験したのは第40回だったと思いますが,この頃も理学療法士国家試験の合格率というのは90%を超えているのが当たり前でした.
衝撃は第46回です.
理学療法士国家試験の合格率がついに80%を下回ったのです.
また比較的記憶に新しいのが3年前に行われた第51回理学療法士国家試験です.
この年にも理学療法士国家試験の合格率が80%を下回っております.
合格率80%というとあまりイメージがわきにくいかもしれませんが,5人に1人以上が不合格になるわけですから,結構な確率です.
仮に40人のクラスであれば10名弱が不合格になるわけです.
このグラフには掲載されておりませんが,第53回(2018年)の理学療法士国家試験合格率は,81.4%でした.
第54回理学療法士国家試験合格率は?
第54回理学療法士国家試験の合格率は85.8%(新卒だけですと92.8%)でした.
ここ数年の傾向で見ると比較的高い合格率であったといえるでしょう.
理学療法士国家試験合格率はなぜ下がったのか?
理学療法士国家試験合格率が低下した原因は2つ考えられると思います.
1つ目は受験者の学力低下です.
これは理学療法士養成校に限ったことではありませんが,現在の大学生の世代の学力というのは著しく低下していることが明らかにされております.
したがって合格率が90%の時代の難易度の問題が出題されれば,それだけで合格率は低下してしまいます.
もう1つは問題の難易度や傾向の変化です.
私の同級生が養成校で国家試験対策をしているのですが,難易度そのものもですが新しい傾向の問題が増え,それに十分に対応できていないようです.
こういった難易度や傾向の変化もまた理学療法士国家試験の合格率低下につながっていると考えられます.
第55回理学療法士国家試験合格率の予想
実は第50回(2015年)からの理学療法士国家試験の合格率には面白い傾向があります.
ジグザグになってるのです.
第50回(2015年):82.7%
第51回(2016年):74.1%
第52回(2017年):90.3%
第53回(2018年):81.4%
第54回(2019年):85.8%
つまり難しい年⇒簡単な年といったように理学療法士国家試験の合格率が高い年と低い年を交互に繰り返しているわけです.
これは理学療法士国家試験問題作成の際に,昨年度の合格率を見ながら問題の難易度が決定されるためです.
例えば第52回(2017年)のように前年度の理学療法士国家試験の合格率が著しく低い場合には,問題作成担当者も著しく低い理学療法士国家試験合格率を高くするように問題の難易度を設定します.
そのために理学療法士国家試験の合格率が高い年と低い年を交互に繰り返しているわけです.
ということは残念ながら第55回(2020年)の理学療法士国家試験の難易度は少なくとも第54回(2019年)よりも高くなる可能性が高いと予想します(あくまで予想です).
第55回(2020年)に受験をされる方にとっては,こんな時期から脅かすような内容で申し訳ございませんが,あくまで私見ということでご理解ください.
いずれにしても第55回理学療法士国家試験を受験される方は,もう理学療法士国家試験受験まで1年をきりました.
早めに準備を進め理学療法士国家試験の合格と勝ち取りましょう.
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