理学療法士・作業療法士から見た地域包括ケア病棟

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 地域包括ケア病棟って? 

亜急性期から慢性期の医療を担う病棟と言えば回復期リハビリテーション病棟や療養病床が挙げられますが,2014年から地域包括ケア病棟というくくりの病棟ができました.

われわれ理学療法士・作業療法士が仕事をする上でも,地域包括ケア病棟の制度を十分に理解しておく必要があります.

今回は地域包括ケア病棟について考えてみたいと思います.

 

 

 

 地域包括ケア病棟が増加している 

地域包括ケア病棟というのは急性期治療を経過し,病状が安定したクライアントに対して復帰支援に向けた医療や支援を行う病棟のことです.

2014年度診療報酬改定で,急性期と在宅の橋渡し役として新設されました.

地域包括ケア病棟は制度ができて以降,年々届け出を提出する医療機関が増えてきております.

制度改定当時は亜急性期病棟からの転換が多かったのですが,最近は療養病床からの転換や回復期リハビリテーション病棟からの転換も増えてきております.

地域包括ケア病棟へ転換する病棟が増えているのには大きな理由があります.

 

 

 

 

 

 地域包括ケア病棟の施設基準 

地域包括ケア病棟の施設基準には,「一般病棟用の重症度,医療・看護必要度のA項目が1点以上の患者が10%以上」と「リハビリの必要な患者に対し1日平均2単位以上のリハビリを実施する」ことといった取り決めが含まれます.

厚生労働省の調査結果では,週30単位以上のリハビリを行っている病院が多数あり,理学療法士や作業療法士の仕事が大きく認められているのが分かります.

週30単位以上ということになると1日当たり4単位以上となりますので,必要な単位数の2倍以上のリハビリテーションサービスを提供している医療機関が多くあるということになります.

 

 

 

 

 

 ますます増える地域包括ケア病棟 

地域包括ケア病棟は,過剰と指摘されている7対1病院の移行先として注目されていますが,届け出数は2014年時点で約2万5000床になっています.

これは亜急性期病床では出来高であった手術やリハビリが包括化されたことや,実質的に回復期と位置付けられることから,導入を躊躇している医療機関も多かったわけです.

そうした中,2016年の診療報酬改定では地域包括ケア病棟の手術料などを出来高算定とする議論が進んでいます.

厚生労働省が示した改定案の「個別改定項目」では「包括範囲から手術・麻酔にかかる費用を除外する」といった文言が追加されました.

そのため経済力のない病院は地域包括ケア病棟を導入せざるを得なくなりました.

地域包括ケア病棟では「リハビリの必要な患者に対し1日平均2単位以上のリハビリを実施する」ことが必要とされておりますので,単位数を確保するために理学療法士・作業療法士のコストを確保する必要があります.

様々な病院に転職できる可能性がでてくることになります.

 

 

 

 

 地域包括ケア病棟は儲かる? 

平成30年度の診療報酬改定によると,地域包括ケア入院医療管理料1は2738点,地域包括ケア病棟入院料2は2558点となっております.

つまり1日の入院で25,000~27,000円の入院料が発生することとなります.

一般病床における急性期の入院料であってもDPC上でこれだけ高い入院料が設定されているのは,疾患にもよりますが入院後1週間以内がほとんどです.

一方で回復期リハビリテーション入院料1は2,085点,回復期リハビリテーション入院料2は2,025点,回復期リハビリテーション入院料3は1,861点,回復期リハビリテーション入院料4は1,806点,回復期リハビリテーション入院料5は1,702点,回復期リハビリテーション入院料6は1,647点となっております.

地域包括ケア病棟ではリハビリをはじめとする医療行為が包括化されますが,仮に回復期リハビリテーション入院料にリハビリテーションの疾患別リハビリテーション料(個別単位)が加算されたとしても,地域包括ケア入院医療管理料1の2738点や地域包括ケア病棟入院料2の2558点に達するのは並大抵のことではないことがわかるでしょう.

最低でも回復期リハビリテーション入院料1か回復期リハビリテーション入院料2を取得した上でプラス脳血管疾患等リハビリテーション料を4単位以上取得できれば,地域包括ケア入院医療管理料1を超えられる状況です.

また回復期リハビリテーション入院料1や回復期リハビリテーション入院料2は施設基準のハードルも高く,簡単に取得できるものではないことを考えると,回復期リハビリテーション病棟を地域包括ケア病棟へ転換する医療機関が増えるのもうなづけます.

 

 

 

 

 地域包括ケア病棟は入院期間が短い 

運用的にも地域包括ケア病棟の入院料が高ければ,その方が良いのではないかと思いの方もおられるかもしれませんが,理学療法士・作業療法士の視点で考えた際に,回復期リハビリテーション病棟等地域包括ケア病棟の大きな違いは入院期間です.

回復期リハビリテーション病棟の場合には運動器疾患で90日,脳血管疾患で150日(場合によっては180日)の入院加療が可能なわけですが,地域包括ケア病棟では一律で60日となってしまいます.

明らかに短いわけです.

60日で十分に退院が可能な症例と言えば本当に軽症の脳血管疾患や運動器疾患くらいでしょうか.

 

今回は地域包括ケア病棟について考えてみました.

われわれ理学療法士・作業療法士が仕事をする上でも,地域包括ケア病棟の制度を十分に理解しておく必要があるでしょう.

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