腰椎骨盤リズムとは?

人工股関節全置換術
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腰椎骨盤リズムとは?

理学療法士が股関節疾患・腰部疾患のクライアントを担当した場合には,股関節運動に伴う腰椎の運動,そして腰椎運動に伴う股関節運動について十分に理解しておく必要があります.

例えば,股関節疾患のクライアントの場合,不十分な股関節の可動域を腰椎の可動性で代償しているケースは少なくありませんし,腰椎の可動性が低下しているケースの場合には,股関節の可動性で腰椎の可動性低下を代償しているケースもいるでしょう.

このような症例に対して理学療法アプローチを行う上では,腰椎骨盤リズムと呼ばれる股関節運動に伴う骨盤・腰椎の運動を十分に理解しておく必要があります.

今回は理学療法士の視点で腰椎骨盤リズムについて考えてみたいと思います.

 

 

 

 

腰椎骨盤リズムとは?

正常な運動として,股関節の運動には骨盤・腰椎の運動が連動します.

例えば,股関節屈曲運動には骨盤の後傾および腰椎の屈曲運動が伴います

背臥位での片側股関節屈曲連動では,他動・自動ともに,股関節屈曲角度(床面に対する大腿骨の角度)のうち約26%は骨盤後傾運動であるとされております.

立位においても自動運動による片側股関節屈曲運動では股関節屈曲角度のうち約18%が骨盤後傾によるものであることが明らかにされております.

これらは骨盤大腿リズム(pelvic femoral rhythm)と呼ばれますが,肩甲上腕リズムのように角度に応じてその割合が変化することはなく,全可動域を通じてほぼ一定の割合で運動の初期から骨盤の後傾が生じ,立位での前屈動作は,股関節屈曲(骨盤前傾)と腰椎屈曲が同時に生じることが明らかにされております.

この際の股関節(骨盤)と腰椎との動きの関係性は,腰椎骨盤リズム(lumbo pelvic rhythm)として知られております.

報告によって値にばらつきがありますが,骨盤前傾に対する腰椎屈曲の割合は約60~120%であとされております.

ただし,動作を通じて一定の割合で変化するわけではなく,前屈動作の前半は腰椎屈曲が優位となり,動作の後半では股関節屈曲(骨盤前傾)が優位となります.

この腰椎骨盤リズムが破綻することを考えてみたいと思います.

例えば前屈動作に伴って腰椎屈曲運動が生じないと,過度な股関節屈曲運動が強いられることになりますので,股関節に何らかの障害が発生しやすくなると考えられます.

 

 

 

股関節運動に伴う骨盤・腰椎の安定

股関節周囲筋は,骨盤および腰椎から起始しているため,筋が効率よく力を発揮するためには,骨盤・腰椎が安定し十分な固定性を供給できることが重要となります.

片側の下肢伸展挙上のような背臥位での股関節屈曲運動時には,股関節屈曲筋の収縮により骨盤前傾や腰椎伸展を生じる力が発生します.

そのため,骨盤や腰椎を安定させるために,主に腹横筋や同側の内外腹斜筋などが活動する必要があります.

下肢の運動に伴う骨盤・腰椎の安定には体幹筋の筋活動量だけではなく発火のタイミングも重要となります.

ある研究によると,股関節の屈曲時には主動作筋である大腿直筋よりも腹直筋や内腹斜筋,腹横筋,腰部多裂筋が,外転時には大腿筋膜張筋よりも内腹斜筋と腹横筋が,伸展時には大殿筋よりも腹直筋,内腹斜筋,腹横筋が,それぞれ先行して活動を開始することが明らかにされております.

また,背臥位での下肢伸展挙上動作時に,仙腸関節の安定化に関わっている骨盤底筋群も腹部筋と同様に下肢の運動に先行して活動することが報告されております.

このようなフィードフォワード制御により主動作筋に先行して活動する骨盤・腰椎の安定化筋の作用が,下肢運動にとって重要であると考えられます.

 

 

今回は腰椎骨盤リズムと股関節運動に伴う骨盤・腰椎の安定について考えてみました.

御承知のとおり,股関節の隣接関節は膝関節と仙腸関節・腰仙関節・腰椎椎間関節です.

股関節疾患のクライアントを担当した際には股関節のみならず,仙腸関節・腰仙関節・腰椎椎間関節の可動性や,安定性に着目した上で理学療法評価を行っていく必要があるでしょう.

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