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病院のコンビニにローソンが多い
コンビニ大手といえばセブンイレブンやファミリーマート,そしてローソンなんかが思い浮かぶと思いますが,街の店舗数で言うと圧倒的にセブンイレブンが多いわけです.
何年前だったかローソンは店舗数でファミリーマートに追い抜かされたのも事実です.
そんな中で病院のコンビニって圧倒的にローソンが多いんです.
コンビニというのは実は地域包括ケアの一役を担う商業施設としても期待されてます.
今日は病院内のコンビニについて考えてみたいと思います.
ホスピタルローソン
ローソンは2000年に石川県の病院で出店したのを皮切りに,今や全国の病院施設に300以上の院内コンビニエンスストア「ホスピタルローソン」を出店しています.
コンビニ業界の中でいち早く医療現場にアプローチしてきたのがローソンと言えるでしょう.
病院の中のコンビニというのは街中のコンビニとは少し趣向を変えた院内ならではの品揃えが必要です.
病院内のローソンを見ると旧来型の病院備え付け売店と比べてはるかに充実しているケースも少なくありません.
毎度の食事や当直時のちょっとしたおやつなど,日常的に通われている医療スタッフも多いと思います.
ホスピタルローソンの理念
ホスピタルローソンは「病院に関わるあらゆる人々の生活のサポート」を使命としております.
全国初となる病院内24時間営業のコンビニエンスストアが誕生したわけですが,病院は外部から閉ざされたいわゆるクローズドマーケットで,院内は旧来型の売店がほとんどでした.
そういった背景の中で新たなニーズへの対応のため生まれたのがホスピタルローソンです.
出店先は大学病院や自治体病院などさまざまで,店舗数は順調に増え2010年に100店,2014年に200店,2018年には300店を超えましております.
ホスピタルローソンの特徴は?
街中の店舗とは異なり,客層は院内で生活される方々,つまり患者様やご家族様,そして長時間にわたって勤務する医療スタッフです.
ついつい客層を入院患者や外来患者だと考えがちですが,実は購入者の大部分を占めるのが医療スタッフであるという点も重要な点です.
通常のローソンでも展開されている商品以外に,お箸や歯ブラシといった院内生活の必需品,さらには治療などに使う医療衛生用品の棚割りなども含めて対応がなされております.
医療スタッフは職種によっては食事時間も一定していないため,食事に時間をかけられない場合も多く,手早く食べられるものが多めに揃えられております.
また医療職というのは圧倒的に女性が多いので,ホスピタルローソンには街中店舗と比べて女性の利用者が多いといった点も特徴的で,週に何度も利用するユーザーの比率も街中の店舗より高いといった点もホスピタルローソンならではです.
単純に医療スタッフがヘビーユーザーになっているということです.
女性が多いのでスイーツが充実しているのもホスピタルローソンの特徴です.
ホスピタルローソンは店舗スペースに応じて,車椅子の利用者にも安心して利用してもらえるように店内の通路を広くしたり,郵便ポストを設置したりといった工夫も見られます.
煙草やアルコール飲料を扱わない一方で,小麦の外皮を使ったパンや低糖質のカップ麺,天然甘味料を使った飴など,ヘルシー志向の商品も充実しています.
またわれわれ理学療法士からすると気になるのが履物の販売です.
従来の売店で売られているような病院用のスリッパというのは院内での転倒を引き起こす原因になりますので,スリッパの販売を取りやめ,転倒対策を行った院内シューズを扱っているところも多いです.
セルフメディケーションの拠点としてのコンビニ
最近はそういえば街中のコンビニにも薬局を併設するなど,医療に寄せた取り組みが様々なスタイルで展開されております.
地域包括ケアシステムの一環としてコンビニ以外にも,調剤薬局を併設するファーマシーコンビニ,OTC医薬品を扱いながら生鮮食品の品揃えを拡充したヘルスケアコンビニ,介護相談窓口を併設するケアコンビニなどが現段階で多く展開されております.
また専用車両を導入し,介護施設に移動販売サービスを行ったり,身近なコンビニをセルフメディケーションの拠点にするプロジェクトが進んでます.
医療費の増大が問題となる今,消費者にとって身近な存在であるコンビニが予防医学の役割をサポートすることは,持続可能な社会づくりにとって非常に重要であると考えます.
理学療法士がコンビニと提携して運動を主体とするサービスを提供するといった働き方も今後の新しい展開かもしれません.
時代のニーズに合わせて進化するコンビニに今後も目を向けておく必要がありそうです.
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