結局のところ理学療法士は起業していいの?

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 結局のところ理学療法士は開業していいの? 

ここ数年,独立して事業を行う理学療法士が増えております.

でも学校で習いませんでした?

理学療法士は医師の指示の下に理学療法を行えるのであって,起業して理学療法を行うのは違法ではと考える方も多いと思います.

今回は結局のところ理学療法士が起業してよいのかどうかについて考えてみたいと思います.

 

 

 

結論から言うと開業しても法的には問題ない

結論から言えば,個人事業主として起業すればなにも法律的には問題ありません.

ですので基本的には日本理学療法士協会からお咎めをうけることもないはずです.

個人事業主としての開業であれば,整体院でもリラクセーションサロンでもストレッチサロンでも,なんでも事業として営むことができるわけです.

ここで重要なのは,理学療法士としてではなく,個人事業主としてであれば起業しても問題ないといった点です.

ですので事業を営む中で,「理学療法士」とか「理学療法」といった謳い文句を掲げることは法律に抵触することになります.

 

 

 

 

なぜ理学療法士としては開業できないのか?

皆様もご存知のように「理学療法士及び作業療法士法」には,「理学療法士とは厚生労働大臣の免許を受けて理学療法士の名称を用いて医師の指示の下に理学療法を行なうことを業とする者をいう」と明文化されております.

この法律がある限り,医師の指示の下や医師と連携して動くのが理学療法士だと考えられます.

ただ平成25年度に介護予防等の事業にあたっては医師の指示が不要であるという声明が厚生労働省から出され,これを機に誤った理学療法士としての開業が増えた感があります.

 

 

 

 

将来的に理学療法士としての開業が可能となるか?

残念ながら将来的にも理学療法士が開業権を得る可能性は低いと思います.

これだけ少子高齢化が進み,医療保険や介護保険の財源が不足している状況で,国が新たに財源が必要になるような政策変換が行うとは考えにくいと思います.

日本理学療法士協会では3人目の理学療法士を国政へ送るべく,活動を進めておりますが,日本医師会や日本看護協会の政治力に簡単に潰されてしまう可能性が高いですね.

したがって理学療法士の国会議員を輩出することは理学療法士の将来を考えると非常に意味のあることだとは思いますが,政治家が増えたからといって開業権を得る方向には話は進まないでしょう.

また日本理学療法士協会自体が開業に関しては否定的な姿勢を示していることも考えると,理学療法士としての開業はあり得ないでしょう.

したがって開業としての選択枝は将来的にも個人事業主としての起業の他には道は無いと考えられます.

 

 

 

 

個人事業主として開業してマッサージしてもいいの?

これには開業権以外の問題にも,そもそもマッサージを理学療法士が行っても良いかといった点が問題となります.

 

理学療法士・作業療法士ってマッサージやっていいの?
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以前も理学療法士がマッサージを行っても良いのかについては紹介させていただきましたが,基本的には医師の診療の補助以外でマッサージはできません

つまり個人事業主として開業するということは医師の指示の下で働くわけではありませんから,マッサージは行えないことになります.

なので個人事業主として「理学療法士がマッサージ店をやってます」なんて広告に記載してしまったら,アウトなわけです.

法律に抵触するわけですね.

しかしこのマッサージにも抜け道があって,今のところ個人事業主として起業してマッサージもどきの施術を行っている理学療法士は少なくありません.

法律上マッサージはあん摩マッサージ指圧師と医師しかできないのですが,それなら無資格者が行うのであれば,マッサージじゃなくてリラクセーションとすればいいわけです.

リラクセーションは法律で定義されてないから法には触れません.

かなり黒に近いグレーですがセーフなわけですね.

その他にもコンディショニングやストレッチに関しても違法にはなりません.

したがってリラクセーションサロン・コンディショニングラボ・ストレッチスクールなどとすれば個人事業主としてマッサージもどきな施術を行いながら開業が可能ということになります.

これだと安心して副業として仕事できるわけがない。

 

 

 

 

今回は理学療法士の起業について考えてみました.

今回ご紹介したように個人事業主として起業すれば開業は可能です.

マッサージもどきな施術を行う場合には,「マッサージ」という言葉を用いることなく他の言葉で代用すればそれっぽいことができちゃいます.

法律ってやっぱり抜け道があるもんですね.

私自身は個人事業主としての起業には否定的な考えを持っておりません.

今後医療保険によるリハビリテーション料が削減される中で,保険外のサービスで救われるクライアントは多いと思います.

ただ今のところ無法地帯感がありますのでこのあたりも何らかの整備が将来的には必要であると思います.

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