理学療法士・作業療法士ってマッサージやっていいの?

投稿者: | 2018年9月13日

マッサージというのは理学療法・作業療法技術の一手段だと思いますが,最近リハビリマッサージという言葉をよく耳にします.特に訪問サービスとして訪問リハビリマッサージとうたってサービスを提供している施設が多いようですが,この訪問リハビリマッサージという言葉について皆様はどのように感じられるでしょうか?最近では医療保険も使えますなどとうたってサービスを提供しているところが増えております.またそもそも理学療法士や作業療法士は診療の中でマッサージを行っても良いのでしょうか?今回はマッサージについて考えてみたいと思います.

マッサージって?

そもそもマッサージって何かという話ですが,”皮膚に求心的に施術することによって,主に静脈系の血液循環の改善やリンパ循環の改善を目的にした手技療法である”と定義されております.理学療法・作業療法の中でも循環改善を目的としてマッサージを使用することは少なくないと思いますし,”横断マッサージ”とか”リンパマッサージ”とかマッサージにも様々な方法が存在するのもご存じだと思います.

理学療法士・作業療法士がマッサージやってもいいの?

法律で業としてマッサージを行うことが認められている職種に関してきちんと定義がなされております.独立した判断でマッサージを行えるのはあん摩マッサージ指圧師医師のみなのです.それでは理学療法士・作業療法士が行うマッサージは違法なのかといった話しになりますが,実は医師の指示下では理学療法士がマッサージを行うことが可能です.医師の指示で医療機関において行われる場合はあはき法に対する除外規定が記載されておりますので,理学療法士はマッサージを行うことができるわけですが,実は作業療法士はこの除外規定には適応されていないのでマッサージはできないのです.このあたりに理学療法士と作業療法士の違いがあるわけですね.

リハビリテーション管理・運営実践ガイドブック/金谷さとみ/高橋仁美【3000円以上送料無料】

また医師の指示がない場合や,病院や診療所の外で理学療法士・作業療法士が単独でマッサージを行って,お金を頂くのは違法行為といえます.最近,理学療法士・作業療法士といった国家資格を持ち,民間資格(法的には意味はありません)を取って,独立開業される理学療法士・作業療法士も多くなってきておりますが,基本的にはマッサージを業とするのは違法であり,賠償責任保険の支払いが免責になる場合もありますので,正式な業務範囲を守る必要があります.コンディショニングと称して障害の無い方を対象としている場合にも,マッサージを行って仕事を行っていればNGということになります.

訪問リハビリマッサージは違法じゃないの?

訪問リハビリを医師の指示の下で行っていれば,訪問リハビリサービスの中でマッサージを行うことに関しては問題はありません.ただ”リハビリテーション”概論を勉強したわれわれ理学療法士・作業療法士の多くが,このリハビリマッサージという言葉に違和感を感じるのではないでしょうか?私自身は訪問リハビリ=マッサージといった認識が世間に拡大することを非常に危惧しております.訪問リハビリに伺ったお宅で,「お母さん,マッサージ来たよ」なんて声を耳にするケースも少なくはないでしょう.税金を使ってマッサージをしているなどと厚生労働省に睨まれたら,われわれの行う訪問リハビリテーションも縮小されてしまうことは必須です.

理学療法士プロフェッショナル・ガイド 臨床の現場で役立つマネジメントのすべて [ 細田多穂 ]

当然ながら理学療法や作業療法の中で血流改善を目的としてマッサージを行うことはあると思います.われわれ理学療法士・作業療法士にとって重要なのは,マッサージによって得られた機能の改善を基本動作であったり日常生活動作の改善に結びつけることだと思います.マッサージを行って気持ちよかったで終わってしまったら,マッサージ師でいいじゃん,もっと言えば家族でもできるんじゃないの,といったような話になってしまいます.なぜこのようなリハビリマッサージという言葉ができたのかといろいろと考えてみましたが,一番は利用者を増やす上でこの言葉が非常に魅力的だからだと思います.世間一般のリハビリのイメージというと「きつい・痛い」といったものが主だと思いますが,このマッサージという言葉が加わると「気持ちよさそう」といった印象に変わり,利用者を増やすことができるのだと思います.またマッサージというのはクライアントへ安心感を与える効果もありますので,言葉そのものが温かみを印象付ける言葉でもあると思います.そのためにリハビリマッサージというような言葉が用いられるのだと思いますが,リハビリテーション概論を学んだ理学療法士や作業療法士がそんな造語を使うのは…と個人的には思いますが,心臓リハビリテーションなどといった言葉も昔はかなり違和感があったわけですが,今は特に違和感を感じませんので,リハビリマッサージという言葉も今後違和感を覚えることなく広がってしまうのかと考えると非常に怖いですね.

今回はマッサージについて考えてみました.マッサージは言うまでもなく理学療法士に必要な技術の1つです.改めてマッサージについて皆様も考えてみてはいかがでしょうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です