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理学療法士・作業療法士のための語彙力 言いづらいことを言い換える
今回も前回に続いて日常会話で使用することの多い語彙力に関して考えてみたいと思います.
理学療法士・作業療法士に限ったことではありませんが,仕事の中で上司・同僚やクライアントに伝えにくいことってありますよね?
言いづらいことをいかに相手にいやな思いをさせずに伝えるかというのは仕事をする中では非常に重要だと思います.
同じ内容を伝える場合であっても,表現によって相手の受ける印象もまったく異なるわけです.
敬語を使用するのは当然ですが,合わせて適切な表現を選択することが重要となります.
そこで今回は言いづらいことを伝える際に使える表現に関して,いくつかこう修正すると社会人らしくなりますよといったものをご紹介したいと思います.
当日は都合がつきません⇒当日はあいにく都合がつきません
例えば上司や先輩に研修会に誘われたけど都合があって断らざるをえないってことはけっこうあると思います.
そんな時に断りの怠思をマイルドに表現するフレーズを身につけておきたいものです.
単に「当日は都合がつきません」よりは「当日はあいにく都合がつきません」の方が,「意に沿えなくてすみません」という気持ちが伝わります.
他にも,「残念ながら都合がつきません」と言うと,物足りない,心残りがあるという気持ちがより伝わりやすくなります.
絶対無理です⇒私には荷が勝ちます
仕事の中では依頼された仕事を断らざるを得ない場合もあります.
「できないものはできない」「嫌なものは嫌」などとすっぱり断り切れることばかりではありません.
極力,角が立たないように断りたいときに使うのが「私には荷が勝ちます」というフレーズです.
これは自分と他人を比べて責任や負担が重過ぎることを伝える言葉であり,その負担の解消を求めるメッセージともなります.
相手の要求を拒否する鋺曲表現としては「ご容赦ください」もよく使われます.
「朝4時におうかがいしたいのですが」といった依頼に対して「それはご容赦ください」などと使用します.
他にも「ご寛恕いただきたくお願い申し上げます」といった表現も用いられます.
「寛恕」は心が広く思いやりのあることを意味します.
広い心で誤りなどをとがめだてせずに許すというニュアンスで「ご寛恕いただきたくお願い申し上げます」などと伝えます.
二重敬語にはなりますが,このような形で使われることがよくあります.
また「できない」こと,断りたいことをやわらかく伝える表現に「~しかねます」といった表現があります.
「しかねる」は「為兼ねる.仕兼ねる」と書き,できかねること,するのが難しいことを表します.
「ご希望に沿えず恐縮でございますが,~しかねます」などと言うと,お詫びの気持ちを込めることができます.
僭越ながら申し上げます
先輩や上司に対して反対意見を述べることも仕事の中では少なくないと思います.
目上の人に対して恐縮しながらも意兄を言うとき,「僭越ながら」といった表現が使えます.
「僧越」は身分や分際を超えて出過ぎたことをすること‘自分の行為を謙遜するニュアンスを持ちます.
その他にも「出過ぎたことを申し上げますが」などといった表現も用いられます.
私のミスです⇒私の不手際です
例えば転倒事故を起こしてしまったとか,依頼されていた仕事がうまくいかなかった際には,上司に謝罪する必要があります.
こんな場合には,「私のミスです」といった表現ではなく,「私の不手際です」といった表現が用いられます.
「不手際」というのは,手際が悪いこと,物事の処理の方法や結果が悪いことを表します.
具体的には「私の不手際でご迷惑をおかけして申し訳ございません」などと謝罪するときに使います.
「過失,過ち」を意味する旨い換え語には「落ち度」もあります.
「それは私の落ち度です.申し訳ありません」などと,自分のミスを認めて謝ることを口にするフレーズです.
「私の落ち度で患者様をお待たせしてしまいました」などと使います.
ウザい⇒耳に当たる
まさか職場で「ウザい」という言葉を使用している理学療法士・作業療法士はいないと思いますガ,この「ウザい」といった言葉も若者言葉として定着しましたね.
もともとは,わずらわしい,うっとうしいことを意味する「うざたい」という言業が変化したものです.
仲間内ならまだしも,職場では使えませんよね.
こんな場合には,「耳に当たる」といった表現を使うことが出来ます.
「耳に当たる」は聞いて癪に障る,聞いて不愉快に思うといった意味です.
これを言うと自慢になってしまいますが⇒手前味噌にはなりますが
ここは自慢をしたいけれど,普通に自世をすると,嫌がられるのではないかと思われるときに便利な言葉が,「手前味噌ですが・・・」といった表現です.
手前味噌は,自分で自分をほめることを指します.
もともとは「自家製の味噌」という憩味で,特色のあるものというニュアンスだったものが、「誇るべき点」という意味合いでも使われるようになったと考えられます.
自分の研究を紹介する時や,自分の所属施設の優れたところを伝えるときなどに,「手前味噌ですが・・・」などと前置きすると相手の印象も良くなります.
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