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研究のネタを探す
研究をしたいけど研究のネタが無いんです.
こういった話ってよく聞きます.
研究を行うためには,事前に研究計画を立案する必要がありますので,ネタというか研究テーマを考える必要があります.
今回は研究のネタ,つまり研究テーマをどのように想起すればよいのかを考えてみたいと思います.
研究テーマの決定は難しい?
研究テーマはあって当然と思われる中で,実はとても探すのが難しいものなのです.
初学者であれば指導教員・指導者から研究テーマを与えられることもありますが,自分で見つけようとすると実際にはなかなかテーマはみつからないものです.
テーマがみつからないと焦るのではなく,まずは少々興味がなくても自身の周辺環境を見渡してみることも大切です.
多くの指導者は「研究テーマなんて自分の興味あることをテーマにすればいい」と思うかもしれませんが,それがなかなか見つからないから困るわけです.
初心者にとっては,指導者からこんな研究をしてみてはと指導があるのはありがたいことなのです.
自分で研究テーマを考える場合
日々の臨床や同僚との会話からすでに,「このような研究をやってみたい」,「このようなことを調べてみたい」というテーマが決まっていれば問題ありませんが,全く研究のネタがないという場合には,どのように研究のネタを探せば良いのでしょうか?
研究ネタというのは,ある日突然ひらめくという場合もあるかもしれませんが,多くの場合パッとひらめくものではありません.実は研究のネタを探す場合には,日々の臨床の中や同僚との会話の中に,多くのヒントが隠されています.
ですので自分で研究テーマを考えるためには,しっかりと臨床でクライアントに向き合うことと,同僚とクライアントについてしっかりと議論することが重要となります.
またさまざまな人の意見を聞き,アンテナを張り巡らせながら研究テーマを考えることも非常に重要です.
当たり前を当たり前だと思わない姿勢が重要
研究テーマを考える際には,日頃当たり前だと思って行っていることを当たり前だと思わずに,疑った視点で臨床を行うことが重要です.
当たり前を当たり前と思わずに,理学療法・作業療法を実践すれば,おのずと疑問がわきあがってきますので,それが研究テーマに結び付くということです.
実は理学療法・作業療法の中には,経験則でパラダイムが形成されてきたものが多く,客観的な根拠のないまま理論が成立しているものが多くあります.
われわれが当たり前だと思って実践していることが,誤りかもしれないということです.
論文抄読から研究テーマを考える
とはいえ,そもそも日ごろから全く論文を読んでいなければ,研究のネタを探すのも難しいかもしれません.
そのためにもせめて関連学会から送付される学会誌や関連領域の商業誌などに目を通し,日ごろから情報収集をしておくことが重要です.
web上にも論文検索サイトは準備されており,今では多くの論文が無料で閲覧・ダウンロードできるようになっています.
PubMed (欧文)やJ-STAGE (邦文)などは検索も行うことができ,アブストラクト(要旨)までは完全無料で閲覧することができますので,特別な環境になくとも簡単に文献を手にすることができるわけです.
最新研究のテーマや内容をみるのが目的であれば,まずはアブストラクトだけでも目を通しておくことは大切です.
なお最近は欧文の雑誌に限って言えば,オープンアクセスジャーナル’が増えていますので,無料で読める論文も増えてきており,ますます情報を入手しやすい環境になってきていると言えるでしょう.
研究テーマを考える際には臨床的意義を考えよう
何でも研究テーマになるのかと言われるとそうかもしれませんが,臨床上全く役に立たない研究をしてもそれでは意味がありません.
研究テーマを考える際には,研究の臨床的意義を考える必要があります.
臨床的な意義というのは,「なぜその研究をするのか?」,「その研究で仮説が明らかになれば臨床上どういった役に立つのか?」といったものです
研究をすることで臨床的にどのような意義があるのかということが頭のなかでしっかりと整理されていないと,発表後に臨床上どう役に立つのですかと問われても,明確な返答ができません.
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