目次
社会人から理学療法士・作業療法士になるのってあり?学費をためて受験,夜間・通信制教育を経て理学療法士に
私が養成校に在学していた時代もそうでしたが,理学療法士・作業療法士の養成校ってけっこう社会人経験者が少なくありません.
社会人で理学療法士になるには,改めて専門学校や大学を受験し,夜間通学されたといった方も多いと思います.
学費を捻出するのも大変だったことと思います.
私が知っている範囲でも50歳を越えて理学療法士・作業療法士の養成校へ入学する方もおられるくらいです.
ただ社会人を経験してから理学療法士・作業療法士の養成校に入学するのってけっこう勇気が必要です.
今回は社会人経験者の理学療法士・作業療法士養成校への入学について考えてみたいと思います.
社会人経験者のメリットは?
一番は社会人で培った対人スキルをはじめとする仕事を行う上でのスキルが高いということです.
社会人時代に経験した仕事の内容にもよりますが,サービス業で仕事をされていれば,クライアントや臨床実習指導者とのコミュニケーションを図る上でも,社会人時代に培ったスキルが役立つでしょう.
さらにコンピューターによる文書作成等の能力に長けていれば,養成校時代のレポート作成はもちろんのこと,就職後もさまざまな事務的な業務に役に立つことは間違いありません.
私自身の印象としては,実習生を見ていても社会人を経験している方というのは,接遇ができる方が多く,クライアントとのコミュニケーション能力も高い方が多いと感じます.
また一番は学ぼうとする意識が高い方が多いということです.
もちろん個人差がありますが,やっぱり現役の学生というのは,仕方なく実習に来てるといった方が多い印象を受けます.
なんとなく積極性とか貪欲さが足りないわけですが,社会人経験者というのは自身で稼いだお金で授業料を支払っていることも多く,親のお金で授業料を払っている現役生とは学ぶ意識が違っても当然かもしれませんね.
社会人経験者のデメリットは?
まず一番は,入学金・授業料といった費用が必要になるということです.
以前の記事でもご紹介いたしましたが,専門学校でも400~600万円程度,私立大学にもなれば600~800万円程度の費用が必要になりますので,このお金をどうやって確保するかといったところが問題となります.
現役生の場合には,経済的に難しい場合には,奨学金制度の利用といった方法も考えられるわけですが,社会人経験者の場合には年齢的に奨学金制度を受けられない場合もあります.
国公立大学に入学することができれば200~300万円程度の費用で済みます.
ただし以前にも理学療法士養成校の偏差値についてご紹介いたしましたが,国公立大学というのは偏差値も非常に高いので,現役生と戦って合格を勝ち取るのは並大抵のことではないと思います.
専門学校であれば,今のところ3年制の養成校も多いので,より早く資格を取得するといった意味では3年制の専門学校への入学するのも1つの方法だと思います.
また夜間の学校もありますので,生活費や授業料を稼ぎながら資格を取得する方も多いようです.
さらに理学療法士・作業療法士は資格取得後も研修会に参加する機会が多いわけですが,安い給与の中から高い研修費を支払って研修会に参加する必要がありますので,これもまた金銭面で大きな負担となります.
研修会の選び方については以前もご紹介いたしましたが,最近は高額な研修会も増えてきておりますので,研修会の選び方についても考える必要があります.
またデメリットになるかどうかわかりませんが,社会人からの入学となれば,年齢によっては養成校の教員や臨床実習指導者が自分よりも若いといった場合も少なくありません.
自身の年齢は忘れて指導を仰ぐことができる方であればよいですが,プライドが高い方にとっては苦痛かもしれません.
何歳までが養成校入学の上限なの?
基本的には法律上の制限はありません.ただし高額な授業料を支払うわけですので,定年を考えた上で何年働いておおよそどのくらい取り返せるかを考えてみる必要もあると思います.
昨今メディアでは,今後の定年を引き上げる方向で話が進んでおりますが,この業界はどうなるのかまだよくわからないというのが現状かと思います.
さらに入職後の給与ですが,基本的には経験年数をベースに給与が決まります.
したがって社会人経験があるからといって上乗せされた給与を得られるわけではありません.
さらに給与については以前もご紹介いたしましたが,とても安いといった実情がありますので,このあたりもふまえて入学を考える必要があるでしょう.
加えて就職を考えた際には,あまり年齢が高いとそれが就職活動に際して不利になることも当然あります.
雇用する管理者からすれば自分より年齢の高い職員というのは扱いにくいと考える方も多いでしょう.
加えて大学病院や市立病院・国立病院等は就職試験に年齢制限がありますので,そもそも試験を受けること自体が難しいという場合もあります.
コメント