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重ね言葉とは?
今回は文章力に関するお話です.
重ね言葉って聞いたことがありますか?
重ね言葉というのは同じ意味の語を重ねて使用してしまうことです.
この重ね言葉ですがけっこう気付きにくいもので,フレーズが癖みたいになっている場合があるので,頭の片隅に入れておくだけでも,改善が可能です.
私がよく見かける重ね言葉の代表としては,「まずはじめに…」といったフレーズでしょうか.
実習生のレポートでよく見かけるフレーズです.
重ね言葉の何が悪いのか?
重ね言葉というのは誤って使用したとしても相手に文章の意味が伝わりにくくなるようなものではないと思います.
ただ重ね言葉を繰り返して言使用していると,知識不足を露呈してしまうことになります.
理学療法からは離れますが,弔問や葬儀の場においては,特に重ね言葉の使用は不幸が続くことをイメージさせてしまいますので,使用してしまうと相手に大きな誤解を与えてしまいます.
情報提供書作成とか論文作成といった専門職である理学療法士としてというよりは,社会人として知っておきたいのがこの重ね言葉だと思います.
クイズ 重ね言葉を見つけてみましょう
ここからはクイズ形式で,文章のどこが間違っているか考えてみてください.
①「月曜日にAさんの訪問リハビリの予定をあらかじめ入れておきましょう.」
「あらかじめ(予め)」と「予定」が重なってしまっておりますので,
「月曜日にAさんの訪問リハビリの予定をいれておきましょう.」が正解です.
②「杖に加工を加えて,クライアントが杖を持ち運ぶ際の利便性を向上させたい.」
「加工」と「加える」が重なってます.
「杖を加工して,クライアントが杖を持ち運ぶ際の利便性を向上させたい.」が正解です.
③「どうぞお体ご自愛ください.」
「お体」と「ご自愛」が重なってます.
「ご自愛」には「自分の体(健康状態)に気を付ける」といった意味が含まれます.
したがって「どうぞご自愛ください.」が正解です.
この表現は目上の方にもメール等で使用する機会も多いので間違わないようにしたいですね.
④「従来から用いられている人工膝関節全置換術例に対するCPMは…」
「従来」と「から」が重なってます.
「従来」には「以前から」といった意味が含まれます.
したがって「従来用いられている人工膝関節全置換術例に対するCPMは…」が正解です.
⑤「リハビリには約30分ほどかかります」
「約」と「ほど」が重なってます.
したがって「リハビリには30分ほどかかります」が正解です.
⑥「その仕事は主任に全て一任してある」
「すべて」と「一任」が重なってます.
「一任」には「すべて任せる」といった意味が含まれております
したがって「その仕事は主任に一任してある」が正解です.
⑦「国家試験に向けて最後の追い込みに入る」
「最後」と「追い込み」が重なってます.
「追い込み」には「最終段階で頑張る」といった意味が含まれております.
したがって「国家試験に向けて追い込みをかける」が正解です.
⑧「今週末はリハビリ業務は若いものに任せて,もっぱら年度末決算に専念したい」
「もっぱら」と「専念」が重なってます.
「専念」には「もっぱら従事する」といった意味が含まれております.
したがって「今週末はリハビリ業務は若いものに任せて,年度末決算に従事したい.」と修正するのが正しいわけです.
⑨「彼と仕事をして被害を被るのは私だ」
「被害」と「被る」が重なってます.
「被害」には「害を被る」といった意味が含まれております.
したがって「彼と仕事をして害を被るのは私だ.」が正解です.
⑩「就職先を決定するときは,後で後悔しないように熟考して決定したい」
「後で」と「後悔」が重なってます.
「後悔」には「後で悔やむ」といった意味が含まれております.
したがって「就職先を決定するときには,後悔しないように熟考して決定したい.」が正解です.
最後に
いかがでしたでしょうか?
10問中何問正解できましたか?
今回は重ね言葉について意識をして文章を見たので重ね言葉に気付くことができたかもしれませんが,普段はいつの間にか重ね言葉を使用していたといったケースも少なくないと思います.
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