2019年の10連休の運用について考えていますか?

働き方
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メディアでも来年4月末から5月初めがカレンダー上10連休になるといった話題が多く報道されております.

そもそも通常の医療機関というのはカレンダー通り外来診療を行っているところが多いので,最もカレンダー通り勤務していると思われる養成校の教員やクリニックの理学療法士・作業療法士でさえも,一般企業に勤めている方みたいにゴールデンウィークに長期休暇を取得するって習慣があまりないと思います.医療機関に勤務する理学療法士・作業療法士なんかは回復期リハビリテーション病院を中心に365日稼働しているところが少なくないと思いますので,カレンダーが5連休であろうが10連休であろうが関係ないといった方も多いのではないでしょうか?今回は来年の10連休について理学療法士の視点で考えてみたいと思います.

 

リハビリテーション管理・運営実践ガイドブック [ 金谷さとみ ]

目次

 

 

 

 そもそも何で10連休になるの? 

 

まず元々の祝祭日を確認しますと4/29(昭和の日),5/3(憲法記念日),5/4(みどりの日),5/5(こどもの日),5/6(日曜日の振替)なわけです.これであれば通常の医療機関は最大で4連休ということになるわけですが,今回は上の図のようにこれに5/1の皇太子さま即位の儀を行うために,この日を1年限りの祝日にするという話のようです.

また祝日法によると「その前日および翌日が国民の祝日である日は休日とする」という規定がありますので,オセロのように4/30と5/2も休日となるということになり,10連休となるわけです.

 

 

 

 

 予想される10連休による弊害 

公的な医療機関であれば,まず外来を10日間休みにすることになります.

在院期間の短縮に伴って,術後早期に退院して後は外来でリハビリフォローをといったケースが増えておりますので,退院したばかりの急性期のクライアントにとっては10日間外来フォローしないというのは厳しいですよね.

クライアントによっては簡単に拘縮とか癒着を進行させてしまうことになるでしょうね.私自身は10日間のうち日程を決めて限定的に外来診療をせざるを得ないと考えております.

医師の協力も必須になりますので前もって計画を立案する必要がありそうですね.10日間ですので普段はカレンダー通り休暇を取得している医療機関であっても,入院リハビリも全く稼働しないといったわけにはいかないでしょうね.1

0日間も休んでしまうと廃用症候群の進行も著しいでしょうし,在院期間自体がかなり延長してしまうと思います.また科全体で10日間も休暇を取得して成り立つようなものであれば,他職種からすれば,そもそも理学療法や作業療法って普段から必要なの?別にやってもやらなくても変わらないんじゃない?といった話にもなってしまうと思います.

また臨床実習においても公的な休日がこれだけ増えるとなりますと,少なからず影響が出るのではないでしょうか?臨床実習が後ろへずれ込む形になると思いますので,実習終了期間が遅くなるか,実習と実習の間のスケジュールが短くなってしまうことが考えられます.

 

 

 

 

 365体制の施設には関係がない? 

365日体制で運用をしているリハビリ施設にとっては10連休なんてうちには関係ないとお考えの施設も少なくないと思います.

これは間違いではありませんが,あくまで余裕を持って施設基準を満たすことができる施設にとっては”関係ない”と考えた方が良いでしょう.

10連休を取得しなくとも,それでなくとも休暇の多い5月に通常よりもさらに3日も休暇が増えてしまうわけです.休暇が増えてしまいますと,取得単位が減少してしまいますので,例えば回復期リハビリテーション病院における1日平均で6単位以上取得といった基準を満たせなくなる病棟や,地域包括ケア病棟における1日平均で2単位以上取得といった基準を満たせなくなる病棟も出てくるかもしれません.

もちろん前後の月の実績でカバーできるわけですが,5月と初旬というのはまだ新卒理学療法士の単位取得が認められない可能性も高いと思いますので,もともとギリギリで運用している職場で,今年度いっぱいでたくさんの退職者が出てしまうような職場は,早めに人員計画を見直した方が良いでしょうね.

また急性期でもこの期間は予定手術も行われないと思いますので,看護必要度が低くなることが予測され,7対1看護の取得等にも影響が出そうですね.

 

 

 

 

 10連休に向けて早く対策を考えることが重要 

10連休中に外来診療を稼働させたり,通常と異なる体制で仕事を行うとなりますと,さまざまな問題が起こることが予測されます.

休日中の外来診療となりますとリハビリ診察を行う医師の確保はもちろん事務員の確保も必須となります.

まずは科内で早急に来年の10連休に向けた診療体制について結論を出したうえで,早めに他職種と連携を図る必要があるでしょうね.

作業療法士プロフェッショナル・ガイド 作業療法士とは何か (単行本・ムック) / 杉原素子/編集主幹 古川宏/編集主幹

われわれにとっては正直なところ10連休は迷惑と感じる方が多いのではないでしょうか?

いつも思うことですが,6月には祝日というのがありません.

一般企業の目線で長期休暇を作るのも良いのですが,祝日をもう少し分散させてほしいと思うのは,やはり貧乏物の性でしょうか.

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