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スマホ時代に生きる今の若者へ-理学療法士・作業療法士とIT-
IT技術が進み,理学療法士に限らずコンピューターを使えないと仕事ができない時代になってきました.私が理学療法士になった15年ほど前はまだスマホやタブレットといったIT機器は無く,PC(Personal Computer)が主流の時代でした.
当時はPCが使える若者は組織の中でも非常に重宝され,「先輩,理学療法はよくわかりませんがコンピューター関係のことはお任せ下さい」といった時代でした.
今回は理学療法士とITということで考えてみたいと思います.
スマホ時代に生きる今の若者
私の時代はコンピューターが使えるというのは若い世代の1つの長所でした.
「○○くん,エクセルのここはどうやったらいい?」とか,「○○くん,プリンタの調子がおかしいから見てくれない」とか,それはそれは多くの先輩方の手助けができ,新卒でも組織の中でとても重宝されました.私個人はシスアドのようなコンピューターを基礎から勉強した人間ではありませんし,ごくごく一般的なアプリケーションソフトをそれなりに使えるといったレベルでしたが,それでも当時の先輩方というのはコンピューターに疎い方が多く,私のレベルでも組織の中では役立てていただけたわけです.
今はどうでしょうか?
今の若者のパソコン離れというのはメディアでも多く取り上げられておりますが,実習生や新卒理学療法士を見ていると,若者のパソコン離れにびっくりします.
ろくにタイピングさえできない若者も少なくありません.スマホ1つでコミュニケーションがとれ,買物もできてしまう時代ですし,臨場実習においても症例報告レポートを書かなくてもいい時代になってきておりますので,パソコンを使う機会も非常に少ないわけです.
そもそも今の時代の若者というのは小学校時代からコンピューターに関する教育を受けている世代であるにもかかわらず,必要性がないから使用機会も少なく,スキルも低いということになります(私の時代には小中高とコンピューターに関する教育というのはほとんどありませんでした).
せっかくITを生かせる世代なのにもったいないなといった気持ちでなりません.もちろん今の若い世代の中にもコンピューターを得意とする若者もいますので,あくまで相対的にそういった人間が少なくなったということでご理解ください.
アプリケーションソフトを使いこなせるようになろう
今は総合病院で電子カルテを導入している医療機関になるとシステム担当者が配置されていることも少なくありませんので,私自身はコンピューターの仕組みや細かいシステムまでを理学療法士が知っておく必要はないと思っております.
むしろ基本的なアプリケーションソフトを使いこなせるようになっておくことが非常に重要だと考えております.ここではこれは習得しておきたいといったアプリケーションソフトをいくつかご紹介します.
Word等の文書作成ソフト
これは必須です.電子カルテ時代の医療機関においても,Wordを使って文書を作成する機会は少なくありませんので,基本的な使用方法はもちろんのこと,学生のうちにタイピングスキルを高めておくと仕事をし始めてからがすごく楽です.
Excel等の表計算ソフト
学会のデータをまとめたり,簡単な実績の集計をしたり,勤務表を作ったりと仕事の中でExcelを使用する機会は少なくありません.
Officeのさまざまなソフトの中でも実はExcelって奥が深いんですよね.
Visual basicまで含めると本当に多様な使い方ができる夢のようなソフトだと思っております.
マクロやVisual basicというところはおいて,まずは基本的な関数やグラフの使い方を習得しておくことをお勧めします.
私が就職した当時,私の職場には科内に今でいうところのリハ○イトといったような部門システムが存在しませんでしたので,私が入職してすぐにExcelを用いて単位や実績の管理システムを作成しました.
お金をかけずに管理システムを作成しましたので,科内はもちろんですが病院長からも大変評価していただいたのを記憶しております.
今はさすがに電子カルテとの連携もあるのでちゃんとした部門システムを使用しております.
Powerpoint等のプレゼンテーションソフト
学会発表に限らず,仕事の中でプレゼンテーションが必要となる機会は少なくありません.
プレゼンテーションソフトというのは機能的にはそこまで難解なものはありませんので,それなりに使えるようになっておくとよいでしょう.
Access・ファイルメーカー等のデータベースソフト
私自身は学生の頃にデータベースソフトを使用したことはありませんでした.
就職した当時,臨床検査技師の方に1から教えていただきましたが,Excelでのデータ管理には限界がありますので,こういったソフトを使いこなせるようになっておけば,非常に有用です.
最近では電子カルテと連携もできますので,うまく使えば学術活動にも役立てることができそうですね.
画像編集ソフト
PhotoshopやIllustratorといった画像編集ソフトについても若いうちに使えるようになっておくと,鬼に金棒です.
プレゼンの資料作成をはじめとして画像編集ソフトって意外に使用機会が多いのです.
慣れればそんなに難しくはありませんので,こういったソフトも時間があるうちに学習しておきたいですね.
3Dキャラクターデザインソフト
PoserやShadeといった3Dキャラクターデザインソフトについてもあまりなじみがないかもしれませんが,使えるようになっておくと大変便利です.
特に理学療法士は姿勢・動作を他者に伝達する機会が多いので,こういったソフトを使いこなせれば,わかりやすく目的とする姿勢・動作を他者へ伝えることができます.
頭が柔らかく時間があるうちに
学生時代というのは,時間は山ほどあるはずです.
実習が始まればなかなか時間もないかもしれませんが,実習が始まるまでの1・2年生のうちにこれらのアプリケーションソフトのスキルを高めておくと将来的にかなりプラスになります.
またソフトの使用というのは慣れてしまえば,そんなに難しいものではありませんが,年齢を重ねるとなかなか新たなものを学習するのを敬遠してしまいがちになります.
可能であれば頭の柔軟な20代のうちにこういったスキルを高めておきたいですね.
今回は理学療法士・作業療法士とITということで考えてみました.
スマホもコンピューターの1つではありますし,とても便利なツールだとは思いますが,スマホのスキルだけでは仕事はできません.
皆様も若いうちに,さまざまなアプリケーションソフトを使用してみることをお勧めします.
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