以前の記事では診療ガイドラインについてご紹介いたしました.
診療ガイドラインに限らず皆様も何か分からないことがあったり,理学療法・作業療法評価や治療を選択する際には,文献を参考にされると思います.
今回は理学療法士・作業療法士における文献の活用方法について考えてみたいと思います.
理学療法研究の進めかた 基礎から学ぶ研究のすべて [ 森山英樹 ]
目次
文献の活用
皆さんはクライアントの評価や治療を選択するとき,何を参考にされていますか?
多くはご自身の経験であったり,先輩にアドバイスをもらうであったり,さまざまな方法が考えられますが,1つの方法として書籍・総説・論文などの文献を参考にして評価や治療の手段を検討するといった方法が考えられます.
特に近年では,文献検索データベースを使って数多くの論文を検索でき,一部の文献ではありますが,無料でダウンロードすることも可能です.
常に最新の知見を得ることができれば,文献に基づいて自らの治療を振り返ることができ臨床能力の底上げにもつながります.
以下に文献検索サイトの一部とまとめてみましたのでご参照ください.
和文文献検索データベース
J-STAGE
- 学会誌が大部分を占め,使用が完全無料であるため商業誌の収録は無い
- 多くの地方学会誌をPDFファイルで無料ダウンロードできる(一部パスワード要)
- 雑誌の質(洋雑誌でいうところのImpact factor)は高くないと思われるが,時として思いがけない文献に遭遇することもある
CiNii
- 全収録雑誌も多く,理学療法関連の収録雑誌も多い
- 農学・工学・人文科学などかなり広範な分野の雑誌が登録されているため,他分野における理学療法関連領域の論文(体育・心理学・バイオメカニクス,etc)の検索には優れる
医学中央雑誌Web
- 医学の分野では最も普及している和文献検索データベース
- 以前は法人向けのサービスであったが2007年から個人向けのサービス開始
- 基本料金(月額) 2,100円/8h ・4,200円/20h
- デモ版(Free)でも部分的に検索可
- 「医中誌Web DDS」では郵送・FAXにて必要な文献を注文することもできる 「基本料金(郵送1文献750円,FAX1文献1500円)+著作権料+送料(300円)」
- 収録雑誌も多く,論文の属性(抄録・特集・症例報告など),論文種類(原著・総説など),発行年,研究デザイン(Meta-Analysis・RCT・Guidilineなど)検索対象を詳細に設定できる
- メール機能(チェックした文献をE-mail送信する機能)・クリップボード機能など便利な機能が豊富である
メディカルオンライン
- リハビリテーション分野の配信文献に関しては,商用誌から地方学会誌まで広いが,理学療法(メディカルプレス)や理学療法ジャーナル(医学書院)が収録されていない
- 整形外科・脳神経外科など臨床医学系の雑誌収録数は比較的多い
- 基本料金月額 1,050円で,文献検索アブストラクト閲覧が可能 文献ダウンロード (PDF)の利用料は従量制(105~735円)
英文文献検索データベース
臨床研究の道標 第2版〈上巻〉 7つのステップで学ぶ研究デザイン [ 福原俊一 ]
今回は文献検索データベースについてご紹介いたしました.
様々な文献検索データベースがありますが,検索できる雑誌の範囲や必要となる費用も異なりますので,ご自分の状況にあったものを選択するとよいでしょう.
また職場によっては文献検索データベースと契約を結んでいる職場もあると思いますので,そういった場合には契約した職場の文献検索サイトを活用するとよいでしょう.
コメント