動作を使った筋力評価~筋力測定機器が無い場合にはどうしたらいいの?~

理学療法評価
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前回はHand Held Dynamometerを使用した筋力測定方法について紹介いたしました.

Hand Held Dynamometerを用いた筋力測定は量的な筋力測定方法として非常に有用ではありますが,環境によっては筋力測定機器が使用できないといった場合も少なくないと思います.

今回は筋力測定機器が無い場合に使用できる動作を使った筋力測定方法についてご紹介いたします.動作を使った筋力評価では量的な筋力評価に加えて,疼痛や動作の円滑さ,動作分析も合わせて行うことができるので,臨床上も大変有用です.

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 Kneeling Quadriceps(膝関節伸展筋力評価) 

両膝立ち位から膝を屈曲しながら後方に身体を倒していきます.股関節は中間位で保持し,上肢は胸の前で組みます.大腿四頭筋の遠心性筋機能を評価することができます.

開始肢位を0°として,最大に後方に傾斜した際の膝関節角度を測定します.この時,股関節や体幹が屈曲・伸展しないように注意しながら測定します.

 

 Kneeling Hamstrings(膝関節屈曲筋力評価) 

両膝立ち位から膝を伸展しながら前方に身体を倒していきます.検者は両足部を保持し固定します.

股関節は中間位で保持し,上肢は胸の前で組みます.ハムストリングスの遠心性筋機能を評価することができます.

開始肢位を0°として,最大に後方へ傾斜した際の膝関節角度を測定します.この時,股関節や体幹が屈曲・伸展しないように注意しながら測定します.

 

 

 

 ブリッジ(股関節伸展筋力評価) 

両脚ブリッジを行ったときの殿部の挙上量を評価します.大殿筋の筋力の指標として用いる場合には,膝関節を90°以上屈曲した姿勢で行います.

膝関節軽度屈曲位でブリッジを行うとハムストリングスの筋力の指標とすることができます.手をマットにつくと広背筋での代償が大きくなりやすいので,手を胸の前で組んで行います.

股関節の角度を測定して記録します.両脚で可能であれば,片脚での評価へと移行します.

 

 

 

 台からの立ち上がり(脚伸展筋力評価) 

50~10cmまでの台から両脚で立ち上がり,何cmまでの高さなら立ち上がることが可能かを評価します.

両脚で10cm台からの立ち上がりが可能であれば, 50~10cmを片脚で立ち上がれるかを評価します.

立ち上がり動作は股関節伸展筋・膝関節伸展筋・足関節底屈筋の総合的な脚伸展筋力を評価することが可能です.

手を胸の前で組んで行うのが基本となりますが,難しければ両手で膝を押す,または両手で座面を押すというようにレベルを下げて行います.

高齢者に対する起立-着座を用いたテストとしては,5回立ち座り動作をできるだけ早く行うのに要した時間を計測する5回立ち上がりテストや30秒間での立ち上がり回数で評価するChair-standing 30secondsがよく使用されます.

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 段差昇降(脚伸展筋力評価)  

10~50cmの段差昇降が可能かを評価します.

股関節伸展筋・膝関節伸展筋・足関節底屈筋の総合的な脚伸展筋力を評価できます.昇段動作は求心性の脚伸展筋力を反映し,降段動作は遠心性の脚伸腱筋力を反映します.

低い段から始め,徐々に高い段で実施し,昇段と降段に分けて昇降可能な段の高さで評価します.

 

今回は筋力測定機器が無い場合に使用できる動作を使った筋力測定方法についてご紹介いたしました.

これらの測定では筋力以外にもバランスや疼痛等様々な運動機能の影響を排除できないといった限界(立ち上がりや段差昇降などは下肢長等が考慮されない)や,どのくらい動作が可能であればどのくらいの筋力があるのかが不明であるといった限界があります.

したがって複数の対象者間で比較を行うのは難しい場合もありますが,経時的に一例の評価を行う上ではこれらの評価も十分に使用できます.

環境によっては筋力測定機器が使用できないといった場合も少なくないと思いますのでこういった方法で経時的に筋力測定を行う方法が勧められます.

次回は立ち上がりを使った筋力評価についてもう少し詳しくご紹介いたします.

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