脊椎圧迫骨折の診断

脊椎圧迫骨折
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脊椎圧迫骨折の病態や重症度は,X線・CT・MRI等の画像検査によって診断されます.

さらに再骨折のリスクについては骨密度の検査結果から把握できます.

圧迫骨折の診断にはX線・CT・MRIが使用されます.まずは圧迫骨折の診断におけるX線・CT・MRIの特徴をご紹介させていただきます.

 

 

 

 X線 

X線は安価で簡便に撮影が行えますので,まずはX線撮影が行われます.

通常はC/A,C/Pのいずれかが0.8未満またはA/Pが0.75未満の場合に脊椎圧迫骨折と診断されます(Quantitative Measurement).

X線の一番の欠点は既存(陳旧性)骨折と新鮮骨折との区別が困難であるといった点です.

 

 

 CT 

心臓ペースメーカーを留置している方や閉所恐怖症の方でMRIによる検査が難しい場合に,使用されることが多いです.

 

 

 MRI 

MRIは磁気を使用して生体の断面写真を作成する医療用機器です.

被曝が無いのが最大の特徴ですが,費用が約1万円程度と高額な点,閉所に15分間入っての撮影が必要なこと,撮影時の騒音が欠点でしょうか.

 

また心臓ペースメーカーを留置している方や閉所恐怖症の方は検査が難しいといった点もMRIの欠点です.

利点としては撮影すれば既存骨折と新鮮骨折との区別が可能な点です.

特に脊椎圧迫骨折例の場合には多椎間にわたって骨折が起こることが少なくありませんので,今回の骨折がどのレベルで起こっていて,過去の骨折がどのレベルで起こっているのかを把握することが重要となります.

椎体に骨折が起こると骨折部より血漿成分が流出されるため,MRIによってT1強調像では低輝度変化,T2強調像では高輝度変化が起こります.

X線で圧迫骨折像が認められても,いつのものか分かりにくい場合がありますが,MRIを使用して椎体からの出血を確認すれば新鮮骨折を明らかにすることが可能です.

さらに不顕性骨折と呼ばれるX線では明らかにならない軽微な骨折の診断にもMRIが有用です.

MRI検査は出血のみならず骨髄内の浮腫に対しても鋭敏に反応しますので,不顕性骨折の診断にもMRIが用いられます.

 

 

 

 

 叩打痛 

画像所見以外の診断方法として棘突起を叩くことで,強い疼痛部位を骨折部とするといった「叩打テスト」もありますが,あくまで画像診断に加えて補助的に用いられるものです.

 

 

 骨密度 

再骨折のリスクの判断には骨密度が用いられます.

 

骨密度の指標には日本の指標(日本骨代謝学会)と世界の指標用語(WHO(世界保健機関)から)があります.

日本の指標ではBMD (Bone Mineral Density):骨密度=骨量÷面積(単位g/cm2)を基準に,若年成人比較%(YAM=Young Adult Mean)が用いられます.

YAM値とは若年齢の平均BMD値(基準値)を100%として,被験者BMD値と比べて%をだしたものです.通常は以下の基準で診断を行います.

正常:YAMの80%以上

骨減少症:YAMの70~80%

骨粗鬆症:YAMの70%未満

世界の指標ではBMDを基準に,Tスコアが用いられます.Tスコアは若年齢の平均BMD値(基準値)を0として標準偏差を1SDとして指標を規定した値をいいます.通常は以下の基準で診断を行います.

正常:Tスコアが-1SD以上

骨減少症:Tスコアが-1~-2.5SD

骨粗鬆症:T スコアが-2.5 以下

 

骨密度の低下は骨折発生要因の1つであり,正常の女性は大腿骨のTスコアが脊椎圧迫骨折の有病率が9%であるのに対して,Tスコアが2.5以下の女性は56%と非常に高くなります.

さらに大腿骨のTスコアが1減少すると,15年間で脊椎の骨折リスクが約1.8倍にもなります.

骨密度の低下は再骨折のリスクのみならず,新規脊椎骨折のリスクにもなるため,画像と合わせて骨密度データを確認することが重要です.ちなみにTスコアというのは骨密度の若年成人平均値の偏位である標準偏差を用いたものになります.

 

 

 

 

参考文献
1)Cauley JA, et al: Long-term risk of incident vertebral fractures. JAMA298: 2761-2767, 2007
2)骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会: 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版. ライフサイエンス出版, 2015

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